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モノコックとサブフレームの締結強度を劇的向上!
パイプ補強よりも省スペースながら高い剛性を確保
インナー骨格を持つ高剛性プラットフォームの採用により、モノコックボディの単体剛性が十分に確保されたFK8型シビックタイプR。そのメリットを最大限に引き出すため、モノコックとは別体構造となるフロントサブフレームの締結強度を向上させることで、更なる走りのレベルアップを実現するのが“スプーン”の「スティッフプレート」だ。
これはフロントサブフレーム後端、メインフレームに被せるように装着されるコの字型ブラケットの左右をつなぐプレート。ボディ補強と言うとパイプで組まれたパーツを連想しがちだが、プレートを採用したことには当然、理由がある。
「パイプを使った補強パーツは点と点を結びますよね。そうすると、例えば横方向からの入力は押さえられても、縦方向の入力には対応できなかったりします。確かにパイプの本数を増やす方法もありますが、スペース的に難しいとか、重量がかさむといった問題が出てきます。そこで、点ではなく面で押さえればあらゆる方向からの入力を受け止められると考え、スティッフプレートが誕生しました」とスプーン城本さん。
また、プレート自体はプレス成型されるため形状設計の自由度が高く、パイプを使った補強パーツよりも薄く作れる。とくに、車高を落とすチューニングカーでは、最低地上高を確保しやすいのも大きなメリットだ。
素材には、ボディ骨格部にも採用されるJSC780超ハイテン材(高張力鋼板)を使用。リブ&フランジ形状により強度の出し方の自由度は高いが、素材自体が硬くて反発力も強い。そのため、800トンものプレス圧力が必要とされ、成形に関しても高度な技術力が求められる。表面は純正同様のカチオン塗装仕上げで、優れた耐候性を誇るのもポイントだ。
メインフレームに被さるコの字状ブラケットはノーマルでも装着されるが、スプーンではJSC780超ハイテン材で作り直し。板厚を薄くしながらも剛性アップを実現している。また、左右を繋ぐプレートを追加しながら、ノーマルの左右ブラケットとほぼ同等の重量を達成。
ノーマルのブラケットはボルト穴に切り欠きがあり、ボルトがメインフレームを貫通している状態でも前方から差し込める設計。一方、切り欠きを無くして一般的なボルト穴としたのがスティッフプレート。これも締結強度の向上に貢献する。
もう一つ、モノコックとサブフレームの締結強度を高めるパーツが「リジカラ」。2007年に発売されてからロングセラーを誇る、スプーンの代表的なオリジナル商品と言っていい。
自動車メーカーは生産ラインでの作業効率を高めるため、固定用ボルトの径に対してサブフレームの貫通穴を大きめに取っているのが一般的。つまり、ボルトと貫通穴には隙間が存在しているわけだ。
その隙間を埋めるように装着するのがリジカラ。より強く、しっかりとサブフレームを固定できるのはもちろん、サブフレーム脱着時や大きな入力があった際、微妙なズレが発生するのも防いでくれる。
城本さんが言う。「今時のクルマは自動車メーカーが効率的にボディ剛性を確保。フロントストラット周りの構造とか、よくできてるなぁと感心します。なので、アフターパーツメーカーとしては“目に付かないところ”にいってしまいますね」。
一度装着したら、リフトアップでもしない限り目にすることはない補強パーツ。走りのレベルを格段に高めてくれるスティッフプレートとリジカラは、まさに縁の下の力持ちだ。
●問い合わせ:スプーン TEL : 0120-112-095
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