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今日は何の日?

■アクティブ・ツーリングワゴンを謳ったランサー・セディアワゴン

2000年にデビューした三菱「ランサー・セディアワゴン」

2000年(平成12)年11月18日、三菱自動車は6代目ランサー「ランサー・セディア」のステーションワゴン「ランサー・セディアワゴン」を発売した。ステーションワゴンブームの中で、三菱の中核セダンである新型ランサーのステーションワゴンを市場に投入したのだ。

大衆車ながら“ラリーの三菱”の礎を築いた初代ランサー

1973年にデビューした三菱初代「ランサー」。ラリーマシンのベースとなったランサー1600GSR

「ランサー」は、1973年1月に「ギャラン」よりワンランク下の小型大衆車として誕生した。ロングノーズにショートデッキの落ち着いた雰囲気で、パワートレインは1.2L 直4 OHV、1.4L&1.6L 直4 SOHCの3種のエンジンと4速および5速MTの組み合わせ、駆動方式はFRだった。

当初から、WRCに参戦することを想定してボディは独自開発のフレームレイアウトで構成されたモノコックフレームで剛性を高め、足回りやブレーキも強固にセッティングが施された。そして、8ヶ月遅れで投入されたのが、スポーツグレードの「ランサー1600GSR」である。

エンジンは、最高出力110ps/最大トルク14.2kgmを発揮する1.6L 直4 SOHCにツインキャブレターを装着。高性能エンジンと825kgの軽量ボディ、優れた耐久信頼性をもつランサー1600GSRは、WRCに挑戦してすぐにその実力を見せつけた。

発売されたその年の10月、サザンクロスラリーで初参戦ながら1位から4位まで独占して総合優勝。その後1976年にかけてサザンクロスラリー4連覇、サファリラリー3連覇の偉業を成し遂げたのだ。

6代目ランサー・セディアまでのランサーの履歴

1981年にデビューした三菱2代目「ランサーEX1800GSRターボ」

ランサーは、1979年4月に初めてのモデルチェンジで2代目「ランサーEX」に移行。ランサーEXは、初代よりボディサイズを拡大、角型ライトとボクシーなスタイリングが特徴。続いて1988年には、“アクティブセダン”を謳った3代目ランサーがデビュー、スポーツセダンであることをアピールした。

1988年にデビューした三菱3代目「ランサー」
1991年にデビューした三菱4代目「ランサー」
三菱4代目「ランサー」がベースの1992年にデビューした初代「ランサーエボリューション」

1991年には、ベースをミラージュと共有化し、ランサーエボリューションのベースとなった4代目が登場し、1995年の5代目を経て、2000年に登場したのが6代目のセディアのサブネームが付いた「ランサー・セディア」である。

2000年に誕生した三菱「ランサー・セディア」
2000年に誕生した三菱「ランサー・セディア」

ランサー・セディアはミラージュセダンを統合して“新世代のコンパクトセダン“を謳い、直線基調の力強いフロントノーズとハイデッキ型のリアを持つ重量感のあるスタイリングを特徴とした。エンジンは、最高出力90ps/最大トルク13.6kgmを発揮する1.5L 直4 SOHC、100ps/14.0kgmの1.5L 直4 DOHC GDI(直噴ガソリン)、130ps/18.0kgmの1.8L 直4 DOHC GDIの3種ンジンと、4速AT(INVECS-III)の組み合わせ、また1.8Lモデル「Touring」には、マニュアルシフトが可能なスポーツモード6-CVTを搭載。駆動方式はFFのみだった。

ランサー・セディアにワゴンが追加

2000年にデビューした三菱「ランサー・セディアワゴン」

ランサー・セディアの発売から約半年後の2000年11月のこの日、“アクティブ・ツーリングワゴン”を謳った「ランサー・セディアワゴン」がデビューした。

2000年にデビューした三菱「ランサー・セディアワゴン」

セディアワゴンは、セダンのリアオーバーハングを55mm延長、全高を10mm高くし、ホイールベースはセダンと共通とし、ゆとりの室内と荷室空間を実現。荷室下には、35Lの大型ラゲッジフロアボックス、 左右に2Lのサイドボックスを設定し利便性も高められた。

2000年にデビューした三菱「ランサー・セディアワゴン」
2000年にデビューした三菱「ランサー・セディアワゴン」

スタイリングはオーソドックスだが、直線的なルーフラインと張りのある面構成で精悍かつ上質さを強調。インテリアは一体型のセンターパネルと水平基調のインパネや操作性を考慮したスイッチデザインなどで、落ち着いた雰囲気が演出された。

三菱「ランサー・セディアワゴン」に搭載される1.8L GDIエンジン

パワートレインは、130ps/18.0kgmの1.8L 直4 DOHC GDIとCVT(INVECS-III)の組み合わせ。トップグレードの“Touring“には、セダンと同じスポーツモード6-CVTが組み合わされた。駆動方式はFFとVCU式フルタイム4WDが設定された。

2000年にデビューした三菱「ランサー・セディアワゴン」

車両価格は、149.8万円~189.8万円(2WD車)/169.8万円~209.8万円(4WD車)に設定。ランサー・セディアワゴンはスタイリッシュな内外装や使いやすい荷室、コスパの高さなどが評価されて、発売から2週間で月販目標の1.5倍の受注を記録して好調に滑り出した。

2001年6月には、最高出力165ps/最大トルク22.4kgmを発揮する1.8L 直4 DOHCインタークーラーターボエンジンを搭載した「ラリアートエディション」を設定し商品力強化が図られた。しかし、一方で2000年を迎えた頃の三菱自動車は経営難に陥り、2000年3月にはダイムラークライスラー(DC)と提携し実質的に傘下に収まった。そんな不安定な社内事情もあって販売は徐々に落ち込み、2007年に生産を終えた。

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ランサー・セディアワゴンは、2003年にマイナーチェンジで車名が「ランサーワゴン」に変更されて、フロントマスクもデザイン部門のトップに就任したDCのオリビエ・ブーレイが手掛けた通称“ブーレイ顔“に変更された。ランサー・セディアワゴンは、少なからずDCの影響を受け、本来の真価を十分に発揮できずに終わったのだ。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

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