ピカソの世界観を車内外に投影、価格は約997万円|カトーモーター・パブロ
日本国内のキャンピングカー保有台数は、2024年に16万5000台(日本RV協会調べ)に達した。だが欧米に比べると、まだ小規模だ。歴史が違うと言えばそれまでだが、国内のインフラの問題など様々な材料が、増加の足かせになっている部分がある。
ただし、キャンピングカー業界はますます意気盛んだ。毎年、各社から新しいモデルが登場するが、その創意工夫ぶりは唸るものが多い。限られた空間の中に、よくもこんなレイアウトを考えたものだと驚かされる。
加えて、最近のモデルに見られる傾向が「コラボ」だ。異業種とのコラボによって、キャンピングカーに新しい息吹を吹き込むモデルが増えてきた。ここで紹介するkatomotor(カトーモーター)の「パブロ」だ。勘のいい読者はお気づきだろうが、このバンコンはあの大画家・ピカソの世界観を全身に纏っている。

「Picasso Re Design」とのコラボで生まれた同モデルには、エクステリア、インテリアにピカソの作品やそれをイメージするデザインがインストールされている。インテリアは非常にシックで、天然木の木目を活かした部材をメインに、ヨーロッパ調のテクスチャーでコーディネイト。日本のキャンピングカーとは思えない雰囲気を醸し出しているのだ。

ベース車両はハイエース・ワゴンGLで、それにハイルーフチップトップルーフを装着。乗車定員は8人、就寝定員は3人となっている。室内空間はゆとりがあり、二段ベッドに引き出しベッド型ソファーを採用。これにこれにキッチンとマルチスペースを加えた構成だ。マルチスペースの床は撥水防汚仕様の床材が張られている。
装備は必要十分で、水回り、コンロ、冷蔵庫、電子レンジが標準装備。サブバッテリーは105Ahが1個で、写真にあるエアコンはオプションだ。車体右サイドの出窓も標準装備となる。

基本的な作りは、兄弟モデルの「チップトップ」とほぼ同じだが、シートカバーや冷蔵庫のドア、車内壁面などにピカソをモチーフとしたグラフィックがあしらわれており、アートと融合した空間で車中泊が楽しめるのが同モデルの特徴だ。
キャンピングカーで旅していると、車内に一輪挿しを置いたり、ちょっとした絵を飾りたくなるのだが、このモデルなら数々のグラフィックだけでも心を癒やしてくれそうだ。

ちなみに車名にピカソと付けず、あえてパブロとしたセンスが抜群だと個人的には思う。価格はチップトップよりも約100万円高の997万1300円〜。車内外のピカソのグラフィックに100万円を追加で払うかどうかというところだが、アート好きなら価値ありだと思う。ただし購入したら、すぐにボディコーティングを施したいところだ。

カトーモーター・パブロ
■車両本体価格:977万1300円
■ベース車両:トヨタ・ハイエース ワゴン GL
■乗車定員/就寝定員:8人/2人
■車体サイズ:全長×全幅×全高:4840mm×1880mm×2320mm
