スーパーGT直系の3ローターNAユニットを搭載!
扱いやすいマシン特性を武器に、NA最速を奪取
苛烈な進化を続ける筑波タイムアタックシーンに、RE雨宮が送り込んだ刺客「マツキヨ MINIGT NA-7 by雨宮」。このマシンは参戦初年度にして、NAクラス最速となる54秒329を記録。その実力を鮮烈に印象づけた。

ステアリングを握ったのは、スーパーGTやスーパー耐久で活躍する坂口夏月選手。プライベートでもFD3Sを愛する生粋のロータリーフリークだ。
「RE雨宮のGTマシンに憧れてFD3Sを買ったくらいなので、このクルマに乗せてもらえるのは本当に光栄です。初ドライブは約3週間前でしたが、第一印象から完成度の高さに驚きました。サスペンションなど細部を煮詰めるだけで、最速タイムが狙える状態でしたね」。

心臓部は、かつてスーパーGTで実戦投入されていた20Bベースの3ローターNAユニットだ。ローターハウジングに直接吸気ポートを設けるペリフェラルポート仕様とされ、自然吸気ながら最高出力は約430psを発生する。制御はフルコンのLINKで行い、細かなセットアップは“雨さん”の孫が担当。レーシングエンジンらしい緻密なマネージメントが施されている。


吸気はK&N製ワンオフインテークボックス、排気はパワークラフト製ワンオフマフラーを採用。筑波の音量規制に対応するため、エンド部には大型サイレンサーを追加している。

特筆すべきは、そのフィーリングだ。
「普通のNAマシンの感覚でコーナー途中からアクセルを踏み足すと、簡単にリヤが流れます。それくらい低回転からトルクがある。レスポンスも鋭いけれど唐突ではなく、踏み込み量を丁寧にコントロールすれば、とてつもなく速いコーナリングが可能です」。
パワーだけでなく、“扱いやすさ”を兼ね備えている点こそが、このマシン最大の武器と言える。


足まわりはエンドレス製品で統一。ブレーキはフロントにS4F(4ポット)、リヤにS2(2ポット)を装着し、車高調もジールファンクションをベースに減衰力を見直したRE雨宮スペシャル仕様となる。
スプリングレートは前後とも22kg/mmと高レートだが、テストを重ねる中でフロントダンパーをやや柔らかめに変更。さらにストラットタワーバーをあえて撤去し、フロントの“粘り”を引き出す方向へと煮詰められている。

ホイールはエンケイ・レーシングGTC02(10J+45)に、アドバンA050(295/30-18)GSコンパウンドを組み合わせる。強大なNAパワーを確実に路面へ伝えるための選択だ。


室内は徹底的に軽量化され、車重は1050kgまでシェイプアップ。燃料タンクは助手席側後方へ移設され、重量バランスにも細心の配慮がなされている。トランスミッションは90年代GTマシン由来のヒューランド製6速シーケンシャル。まさに本物のレーシングコンポーネントだ。


エクステリアはRE雨宮D1ワイドボディキットをベースに、専用カナードやGTウイングを追加。過激すぎず、それでいて確実に効くエアロパッケージで、筑波アタックに最適化されている。

まだ暫定仕様ながら、2026年2月13日のAttack筑波前日走でNA最速タイムをマーク。スーパーGT直系の3ローターNAユニットは、すでにその片鱗を見せつけた。
だが、本当のポテンシャルが解き放たれるのはこれからだ。筑波のタイムボードは、さらに塗り替えられることになるだろう。
●取材協力:RE雨宮 千葉県富里市七栄439-10 TEL:0476-90-0007
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