シート仕様や外装意匠は多彩 各エンジンの動力性能も十分

「多人数乗車することはあるけど、頻度は少ないので、あまり大きなミニバンは必要ない」というユーザーに最適なのがフリード。初代のキャッチコピーである〝This isサイコーにちょうどいい〞が、すべてを表している。ステップワゴンより約50㎝短いボディでありながら、2列目ベンチシートの7人乗りと、キャプテンシートの6人乗りという2種類の3列シート車を用意。さらにグレード限定で、2列シートの5人乗りも用意されている。

エクステリア

コンパクトな5ナンバーサイズのボディで、車両感覚をつかみやすそうに思えるが、運転席から眺めるとノーズ位置が把握しやすいとは言えない。狭い駐車場などを日常的に利用するならば、オプション設定される「マルチビューカメラシステム」の活用を検討したい。リヤゲートは手動で操作するタイプだが軽快に操作でき、ストレスは感じないだろう。
最廉価グレードである「AIR」の足元はスチールホイール+キャップとなるが、他のグレードはそれぞれ専用デザインのアルミホイールが標準装備される。最小回転半径は5.2m。

グレードは「エアー」と「クロスター」の2種類があり、「エアー」はカジュアルなファミリーカーテイスト、「クロスター」はSUVテイストを特徴とする。「クロスター」は無塗装のフェンダーアーチモールを追加しているため、全幅が1.7mを僅かに超えて3ナンバー登録となるが、基本ボディは「エアー」と変わらないため、取り回し性も悪くならない。ただしタイヤサイズや135㎜の低地上高も変わらず、悪路走破性が高いわけではないことにも留意しておきたい。

乗降性

「エアー」は3列シート専用車。2列目キャプテンシート仕様なら、座席間を通って3列目に乗り込めるから、チャイルドシートが二脚必要なファミリーにはピッタリだ。2列目シートは折り畳めず前にスライドするだけなので、ラゲッジスペースはあまり広げられないが、座席間を使えば大人用自転車も1台は積める。もうひとつの選択肢である2列目ベンチシート仕様は、背もたれを前に倒してから座面ごと引き起こす〝タンブル格納〞できるため、ラゲッジスペースを広く使える。大人用自転車も対角線を使えば、よほど大きなものでない限り積載可能だ。

インストルメントパネル

とても開放感がある視界で、気持ち良くドライブできる。撮影車両のナビは9インチだが、11.4 インチの大画面タイプも用意される。7インチの液晶メーターは全車に標準装備。

もっと大きなラゲッジスペースが必要な人には、「クロスター」の2列シート車が最適。2列目は座面を前に引き起こしてから、開いたスペースに背もたれを倒し混む〝ダブルフォールディング〞方式なので、ラゲッジ床面の前後長は最大約1.9mまで拡大できる。これなら大柄な大人2名が車中泊できるし、大人用自転車も楽々積める。しかも5人乗りはラゲッジフロアが地面から335㎜と低く設計されている。自転車の積み下ろしが楽なだけでなく、ラゲッジボードを使用した車中泊泊時には、床下収納としても活用できる。

居住性

パワーユニットは1.5ℓのガソリンエンジンと、ハイブリッドのe:HEVが用意されている。前者はポート噴射式で、取り立てて高出力ではないが、フル乗車の登坂でなければ動力性能は十分だ。低速トルクはあるし、街乗りでは過敏感がなく扱いやすい。操縦性能は車重の軽さを活かした軽快な味付けだ。後者もエンジン排気量は1.5ℓだが、タイヤを駆動するのは最大トルク253 Nmの電気モーター。力強さが際立つだけでなく、応答性も非常に良い。操縦性能はエンジン車よりマイルド方向だが、低速から高速まで統一感がある。ブレーキは回生協調式なので、フットブレーキで減速しても回生量は減らない。

うれしい装備

3列目シートの跳ね上げ位置を低く、固定位置を手前にレイアウトすることで、非力なユーザーでも格納操作がしやすい工夫がされている。気軽に格納や展開ができるため、シートアレンジを積極的に活用したくなる。
2列目キャプテンシートの間を通り抜けて3列目の乗降をしやすいのはチャームポイント。ウォークスルーしやすいシート形状にしていることがポイントだ。
月間販売台数   6833台(25年5月~10月平均値)
現行型発表    24年6月(一部改良 25年3月)
WLTCモード燃費  25.6㎞/ℓ※「e:HEV AIR」のFF車

ラゲッジルーム

このように、サイコーにちょうどいいフリードは、選択肢もとても豊富。あなたにとって〝サイコーにちょうどいい〞一台が、きっと見つかるはずだ。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.173「2026年 ミニバンのすべて」の再構成です。

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