Ariel Atom 4RR
スーパースポーツを凌駕する性能

1960年代に破綻した英国のバイクメーカー「アリエル」の名称を引き継ぎ、個性的な2輪/4輪モデルを展開するアリエル・モーターカンパニー。少量生産メーカーとして、ロードカー、トラックカー、モーターサイクル、さらにeバイクなどを開発・製造する。
アリエル・モーターカンパニーは、4輪モデル「アトム」25周年記念モデル「アトム 4RR」を発表した。アトム 4RRは、サーキット走行に最適化されたパフォーマンスを持ちながらも、公道走行が可能。エンジンとシャシーは全て受注生産となり、価格は20万8000ポンド(約4450万円)からとなる。
スーパースポーツを凌駕するサーキットパフォーマンスを目指して開発されたアトム 4RRは、ホンダ製2.0リッター直列4気筒ターボエンジンをベースに、ハンドビルドで開発されたモータースポーツ用パワーユニットを搭載。最高出力525PSを発揮し、0-100km/h加速は2.4秒、100mph(160km/h)にはわずか5.1秒で到達する。
アリエル・モーターカンパニーの創業者、サイモン・サンダースはアトム 4RRについて次のように説明を加えた。
「アトム 4RRは、これまでに私たちが手がけた中で最も研ぎ澄まされたモデルです。25年にわたるドライバーにフォーカスしたエンジニアリングのすべてを凝縮しました。史上最速かつ最強のアトムでありながら、軽量・ミニマリズム、そして『真剣に楽しむ』という理念は変わりません。クルマとドライバー、そしてサーキットや公道をこれまで以上にダイレクトにつなぐ存在です」
ホンダ製2.0リッター直4ターボベース

アトム 4RRのコアとなるのが、100時間以上をかけてハンドメイドで組み上げられた完全専用のパワーユニット。シビック タイプR用のホンダ製2.0リッター直列4気筒「K20C」ターボエンジンをベースに、ほぼすべての主要コンポーネントをモータースポーツ仕様へと刷新した。
その結果、最高出力525PS、最大トルク550Nmを発揮する唯一無二のコンペティションエンジンが完成。強大なトルク、鋭いレスポンス、そしてサーキットマシンに求められる精密さを兼ね備えている。マネージングディレクターのヘンリー・ジーベルト=サンダースは次のように語る。
「アトム 4RRのエンジンは妥協を排し、徹底的にパフォーマンスを追求した真のコンペテイション用パワーユニットです。525PSというスペックを実現しつつ、公道でも扱いやすく自信を持って走らせられる特性を備えています」
エンジン内部は大幅に強化されており、クローズドデッキスリーブ、専用鍛造ピストンとコンロッド、改良されたシリンダーヘッドやポート形状、専用カムシャフト、強化バルブスプリングなどを採用。すべての回転パーツは精密に重量合わせとバランス調整が施されている。
サーキット走行を重視し、レース仕様のオイル供給システムと高流量オイルポンプを採用し、高負荷やコーナリング時でも安定した潤滑レベルを確保。さらに強化ガスケットや専用スタッドボルトにより、極めて高い耐久性も実現した。大型ターボチャージャーは最大1.7バールの過給圧を発生し、高圧燃料システムとインジェクターにより、中速域から高回転域まで圧倒的なパフォーマンスを実現した。
さらに、新設計のカーボン製吸気システムとチタン製フルエキゾーストを搭載。駆動系にはクワイフ製6速シーケンシャルギヤボックス、モータースポーツ用ディファレンシャル、空圧式パドルシフトを組み合わせ、あらゆる状況で高いトラクションとパフォーマンスを発揮する。
レーシングカー級のシャシー

シャシーは、フルブロンズ溶接によるモータースポーツ最適化構造を採用し、従来のアトムから大幅に強度・剛性が向上した。これに加え、足まわりには、圧縮側と伸び側の両方で調整可能なツインチューブ式オーリンズ製ダンパー、削り出しアルミ製アップライト、エアロフォイル断面の調整式クローム・モリブデン製ウィッシュボーン&プッシュロッドを装備する。
サスペンションは、フルアジャスタブル機構により、オーナーは走行するサーキットや、もしくは自身のドライビングスタイルに合わせたセッティングが可能となっている。
ブレーキは、アトムのホイールに収まる最大サイズとなるAPレーシング製310mmの2ピースベンチレーテッドディスクを採用。サイズの異なる4ピストン・モータースポーツキャリパーと、レース仕様パッドが組み合わせられた。さらに、コクピットから調整可能なモータースポーツABSは、11段階の設定と「OFF」モードを備え、走行中でも切り替えが可能となっている。
進化したエアロダイナミクスと軽量構造

アトム 4RRは、エアロダイナミクスパッケージを新たに開発。不要な空気抵抗を増やすことなく、ダウンフォースを最適化した。これにより、コーナリングにおいて圧倒的な速さを発揮しつつ、高速域でも優れた安定性が確保された。
カーボンファイバー製サイドポッドは、アトム 4Rの設計をベースにしながら、エンジンやギヤボックスの冷却性能を強化するため再設計された。これにより、高出力化と長時間のサーキット走行にも対応することが可能になった。また、ボディパネル、マッドガード、エアロパーツにもカーボンファイバーを採用し、徹底した軽量化を実現している。
コクピットは、モータースポーツ由来のスクロール式「TFTディスプレイ」を搭載。ラップタイムやパフォーマンスターゲット、デルタタイムなどに加え、レース走行に必要な各種車両情報を表示する。ペダルボックスのダイレクトな操作感やシーケンシャルシフトの精密な動作、無駄を削ぎ落としたデザイン、軽量シートに至るまで、すべての要素がフィードバックの最大化とドライバーの集中力向上を目的に設計された。

