
XSR125専用レッグバンパー開発の現在地、まずは2タイプを試作

ども、ガレージ146 のイシムです。今回の主役は、現在進行形で開発が進むXSR125専用レッグバンパーだ。製作を手がけるのは千葉県八街市のソニッククラフティ。車両を預けて約1か月、進捗の連絡は受けていたものの、実際に目の当たりにするとその完成度は想像以上だった。
レッグガードはすでに試作段階を超え、実用化を見据えたディテールに踏み込んでいた。PIAA製フォグランプが収まる設計に加え、バンパー上部への装着も想定。単なる防御パーツにとどまらず、“使える装備”として成立させようという意図が見えてくる。
さらに注目したいのが取り付け構造だ。エンジン側とラジエター側の2点支持とすることで、剛性と信頼性を両立。見た目の無骨さだけでなく、パイプを利用して何かを追加で装着するといった実際の使用シーンを想定した設計がなされている点に、市販化へ向けた本気度が表れている。
開発・販売を担当するソニッククラフティの木下さんは「まだカチッとし過ぎている。もう少しラフ感が欲しい」と語る。完成度を高めるだけでなく、行き当たりばったりがうまくいったような、“作り込み過ぎない余白”を残すことで、抜け感や軽快さを演出する——その絶妙なバランスを探っている段階なのだ。

レッグバンパーはオーバル形状のほかに、スクエア形状のタイプも試作した。実際に車体へ当てながらフィッティングを確認。シンプルな形状ほどこのさじ加減が仕上がりを左右する。

パイプベンダーで一本ずつ曲げ加工。スクランブラーらしいラフさとバランスはここで決まる。

既製品にはない、試作ならではの“作りながら微調整を加えていく”空気感が伝わる。

エンジン&ラジエター側の2点支持となるマウント部。見えにくいが、強度と信頼性を支える重要ポイント。
カスタムは一点で終わらない。連鎖的に広がるパーツ開発

今回の開発が面白いのは、レッグガード単体で完結していない点にある。現場ではすでにオーバル形状のパーツや化粧プレートなど、複数の試作が同時進行しており、アイデアが連鎖的に広がっている。
サイドバッグサポートやミニキャリアへの応用、さらにはフォグランプ用マウントなど、実用性と拡張性を兼ね備えたパーツ群が見え始めている。ひとつのカスタムが“次のカスタムを呼ぶ”状態になっているのだ。
ベース車であるXSR125のキャラクターも、この流れを後押ししている。クラシカルな外観を持ちながら構造は現代的で、自由度が高い。完成されたスタイルを崩さずに個性を加えていける懐の深さこそが、この車両の大きな魅力と言える。

オーバル形状の試作パーツ。サイドバッグサポートへの展開も見えてきた。

レッグバンパーのオーバル形状とリンクさせて、関連パーツを展開予定。

ヘッドライトガードも縦使いで製作したらさらに個性的になりそう。

>SPECIAL THANKS
SONIC CRAFTY ソニッククラフティ
千葉県八街市八街は97-117
営業時間:9時~17時 定休日:土日祝
カスタムマシンの製作から、近年はコンプリートマシンも好調(フュージョンベースのベスグライド/レブル250ベースのヒュッゲ)。
踏力倍増は本当か?ステップ交換で走りはどう変わる?

そしてもうひとつのトピックが、ステップ交換による変化だ。ノーマルステップはロード寄りのデザインで(YZF-R125やMT-125と共用)、目指している「スクランブラースタイル」とは路線が違う感じ。そこで林道でも踏ん張りの効くモトクロス系のステップを装着したいのだけれど、XSR125専用品が存在しない。そのため今回はクロスカブ110用のオフロードステップを流用して装着してみた。

[装着したパーツ]
●ZETA クロモリワイドフットペグ
8800円
クロスカブ110(JA10/JA46/JA60)用
排泥性に優れたデザインで、ステップ幅は50mm。素材は競技用自転車等にも採用されるクロモリ製を採用する。
当プロジェクトは、ノーマル状態からコツコツと手を入れていくスタイル。その中でもステップ交換は、比較的手軽でありながら変化が体感しやすい“優先度の高い一手”と言える。
見た目はシンプルな変更だが、その効果は想像以上に大きかった。ノーマルと比較してステップ幅が大きく広がることで、足裏で車体をホールドする感覚が格段に向上。実際に走らせてみると、踏力はまさに“倍増”と言っていいほどの違いを感じる。
特にダート走行ではその効果が顕著だ。踏ん張りが効きやすくなり、車体との一体感が明らかに変わる。泥濘でリヤが流れてヒヤッとする場面もあったが、それでも足元が安定していることでリカバリーしやすいのが印象的だった。
もちろん課題もある。装着にはワッシャーを追加して幅を調整する必要があり、完全なポン付けとはいかない。また形状の違いから、わずかにステップが下がる傾向も見られた。ただしこうした“微調整ありき”のフィッティングこそ、流用カスタムの醍醐味でもある。
ステップ面積はノーマル比で約2倍。見た目のワイルドさも相まって、足元の印象は一気にオフロード寄りへと変化する。手軽ながら効果の高いアップデートとして、優先度の高いカスタムのひとつと言っていいだろう。
なぜXSR125はカスタムが面白いのか

XSR125は専用品が少ないからこそ流用や工夫が生まれ、ひとつ手を入れるごとに新たな課題と発見が見えてくる。完成されたカスタムをなぞるのではなく、自分なりの正解を探していくプロセスそのものが楽しいのだ。
今回のレッグバンパー開発も、まさにその延長線上にある。完成度を高めるだけでなく、あえて“ラフさ”を残すことで広がる可能性。そこに気づけるかどうかで、カスタムの楽しみ方は大きく変わる。
スクランブラースタイルというひとつの方向性を軸にしながらも、その中身はまだ発展途上。だからこそ、このXSR125カスタムはまだまだ面白くなる余地を残している。
本企画では“スクランブラースタイル”をテーマに、ノーマル状態からコツコツとカスタムを進行中。外装カスタムから足周り、実走テストまで段階的に変化してきた過程も見どころだ。ここに至るまでの流れが気になる人は、過去記事もあわせてチェックしてほしい。
※この記事は月刊モトチャンプ2025年2月号を基に加筆修正をしています




