内部を深く知るからチューニングも成立

コルトスピードエンジニア 小沢優一さん
「ZC33Sは走って面白い、素晴らしいクルマ。しばらく、こういう車種は登場しないと思います。楽しんで走ると、いつかはエンジンホーバーホールの時期を迎えます。多くの方は一生に一度のこと。来たる日に、我々は満足いただけるメニューを用意します」

コルトスピードの技術開発室には、細部までバラされたK14Cが置かれる。ZC33S定番のECUチューンも、ここから生まれた。K14Cはボアφ73×ストローク81.9㎜で、動弁系にラッシュアジャスターなども用いているから「高回転が苦手?」というのは先入観という。

最も内部を知らなければ、ノーマルでは6000rpm付近のレブリミットさえ、厳密には数値の引き上げにも手を出しにくい。ズバリ、バルブ周辺に1点、高回転域が重くなる理由が隠れる。

同調して、ECUのマップも制御用の最高回転軸は相応なもの。つまり、コルトスピードのECUチューニングはタービン交換も含め、140㎰/5500rpmを尊重し、ハードとソフトを相関させている。

レブの数値もだ。過給圧の制御にあっては、競技車でいえばリストリクター付きターボエンジンのごとく、細かく回転ごとにブーストをセッティグしている。ZC33Sは登場から8年目。愛車とのつき合い方では、エンジン内部の健全度をチェックすべき大事な時期に差し掛かってきた。

そして、気になるのは、写真の手に持つ秘密のブツである。オーバーホール時に、定評あるK14Cのタフさを純正以上に伸ばす。同社が開発を進めるシリンダーブロックの強化策だ。行き過ぎでなく、コルトスピードが目指す、K14C完成系の一端である。

手法は特許取得済みシリンダーブロック補強加工

K14Cは軽量なオールアルミ製でシリンダーブロックがオープンデッキ。シリンダー壁の周囲は空洞で、水路になる。この種のブロックは長く乗っていると構造面や熱膨張などの関係から、また、ハイパワーでは高い燃焼圧力を受け、徐々にシリンダーブロック上部が開いたり、変形したりし出すことも。ヘッドガスケットの密着も薄れる。なかなか避けられない症状で、エンジン性能も落ち始める。

たとえばホンダのK20型や三菱の4B型もこの構造。チューニングの世界では、オープンデッキに補強用プレートなどを組み込む強化法が知られる。
写真は4B用の補強プレート。アルミ素材からち密につくり出すコルトスピード製だ。圧入し、シリンダー壁の位置も保つ強度アップとともに冷却を促す独自の仕組みがある。多くのアルミエンジンに効果をもたらす点で特許を得た(特許番号第7518587号)

ランエボの4B11型ではすでにメニューとして提供

補強プレートを組み込んだ、アルミシリンダーブロックのオープンデッキ補強例。すでにコルトスピードではエボⅩに載る4B11エンジンで補強プレートの追加を確立し、オーバーホールやコンプリートエンジンのメニューとして、カスタマーに提供を始めた。車両の使い方や距離を走ると、やはりシリンダーやライナー側上部の変形症状が現れる。恰好の機会に、長く乗れる対策を講じる。500㎰超での使用実績もある。

4B11型はノーマル段階でシリンダーブロックとシリンダー壁との間に剛性・補強用に、ブリッジが数箇所設けられている。コルトスピードの補強プレートが圧入されたシリンダーブロックでは、全周が埋まる。加工には相当の精度と管理も要し、シリンダー上部も正確に平面が出される
同時に行うシリンダーのボーリングやホーニング。エンジンヘッドに代わるダミーヘッドをブロック上面に組み付け、シリンダー内の真円度を保って精密に彫る。それもエンジン性能を高める要素。
補強プレートには水穴が多く開き、穴同士をつなぐ溝もあり、それが注目点(下はヘッドガスケット)。つねに冷却水が回って燃焼圧の高いシリンダー上部の冷却を促し、ヘッドにも効率的に水が回る。気泡の溜まりも防ぐ。

求められ始めたときの準備オイルパンバッフルプレート

この先のエンジン製作の一環として準備する。サーキットをはじめ、激しい使用環境にも応えるK14Cの完成に、オイルパンのバッフルプレートもコルトスピードならではの視点からアイディアが練られる。ともかくK14Cのコンディション維持には、良質なエンジンオイルの使用を推奨する。同社はモティーズだ。

エンジンヘッドとエキマニは一体でレスポンスに効く

K14Cはいまどきの設計で、エキマニが存在しない。エンジンヘッドと一体で成型され、タービンのエキゾーストハウジングは、ヘッドに開いた□の排気孔に直接とどまる。燃焼室から流れる排気ガスのエネルギーは最短距離でタービンハウジングに入り、そしてタービンホイールにあてる。純正TD025Lタービンは効率がよく、そういう部分の相乗からもK14Cの好レスポンスがつくられているという。

直噴式のK14Cは燃料を燃焼室内へ直に噴射する。日常での車両の走らせ方、走行時間や始動、停止のタイミングでも内部に汚れが大小生じる。オーバーホール以前のメンテナンスも同社では検討中。
いでに、バラシたK14Cの吸気バルブの1本だ。直噴式ゆえに、たまたま吹き返したガスが堆積し、適度な熱をあびて炭化したと推測する。今後も起こり得るし、バルブの変形さえ招きかねない。やはりオーバーホールの必要性も視野に入ってくる。

手軽で効果も見た目もそそられる定番人気パーツ

フレッシュエアを最高率で導入ハイフローインテーク

レイアウトを最適化し、エアクリーナーボックスの構造と容量やエアフロメーターの計測精度も考慮。よくできた純正の吸気パッケージに、車両前面からより新鮮な空気を取り入れて送り込める。吸気経路の入口を最高率にするハイフローインテークだ。吸気温度が安定し、エンジンフィールを良好に保てる。3万8500円

ご機嫌なシフトフィールGTシフター&GTSSシフト

6MT車のシフトノブは操作位置がちょっと低い。GTシフターはレーシーなシフトノブとレバーで構成。純正と交換すると位置が上がり、左手をハンドルから近いノブにさっと移し、シフトができる。リバースの選択はレバー式。GTSSシフトは、クイックシフト。併用がオススメ。各3万6300円、2万900円


■コルトスピード 

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