Audi Nuvolari

車名はタツィオ・ヌヴォラーリに由来

ハイブリッドスーパースポーツ「アウディ ヌヴォラーリ」のエクステリア。
「ヌヴォラーリ」は、イタリアの伝説的レーシングドライバー、タツィオ・ヌヴォラーリにちなんで命名された。

アウディが発表した新型スーパースポーツ「ヌヴォラーリ」には、F1参戦からインスパイアされた多くの新技術が採用されたという。高性能ハイブリッドパワートレイン、アクティブエアロダイナミクス、クアトロ・プレディクティブ・ライド、カーボンエクステリアを纏った新しい「アウディ・スペース・フレーム(ASF)」などによって、0-100km/h加速が2.6秒、0-200km/h加速は6.8秒というスペックを実現したと謳う。

ヌヴォラーリは、アウディの新デザイン哲学を導入した初の市販モデルだ。エクステリアは、引き締まったサーフェイス、精緻なライン、力強く一体感のある存在感を放つ。一方のインテリアはドライビング体験に重点を置き、洗練された空間を実現したと主張している。

車名はモータースポーツ史上最も偉大なドライバーのひとり、イタリア出身のタツィオ・ヌヴォラーリに由来する。発表された市販前プロトタイプは、国をまたいだ緊密な連携により、これまでにない短期間で開発された。 生産台数は499台限定となり、2027年前半からデリバリーが開始される予定だ。

アウディAGの取締役会会⻑を務めるゲルノート・デルナーは、ヌヴォラーリについて次のようにコメントした。

「アウディ ヌヴォラーリによって、私たちは技術の進歩をさらに加速させることに成功しました。テクノロジー、パフォーマンス、そしてチームワークに焦点を当てたときに何を実現できるのか、共に進歩を遂げる姿を示した存在なのです」

F1からフィードバックされたエアロダイナミクス

ハイブリッドスーパースポーツ「アウディ ヌヴォラーリ」のエクステリア。
ヌヴォラーリは、F1ドライバーが開発に加わった「アクティブエアロダイナミクス」が採用された。

前述の通りアウディの新たなデザイン哲学を採用した初の市販モデルとして、ヌヴォラーリはスーパースポーツに求められる高度なパフォーマンスに独自のデザインを融合。引き締まったサーフェイス、デザインへとシームレスに統合されたテクノロジー、インテリジェントなエアロダイナミクスがエクステリアの特徴となる。

ミッドシップレイアウトが全体のプロポーションを形づくり、一体感のあるボリューム、力強いスタンス、そして強い存在感をアピール。 今回、アウディの新しいシグネチャーカラーである「チタニウム」が採用された。このボディカラーは「アウディ コンセプトC」やアウディのF1マシンにも導入されており、カーボンファイバーと組み合わせることで精緻なラインを際立たせている。

ヌヴォラーリのアクティブエアロダイナミクスは、走行状況に応じてダウンフォース、空気抵抗、空力バランスを調整し、最大限の安定性と精密な車両コントロールを実現した。 フロントスプリッターからリヤディフューザーまで、すべてのコンポーネントが空力機能を持っており、開発段階においてアウディのF1ドライバーから的確なフィードバックを得て、エアロダイナミクスの微調整を行っている。

フロントエアインテークは、効果的なブレーキ冷却と内燃エンジンとハイブリッドシステムの効率的な熱管理を行う。「Sダクト」と命名された通気付きフロントセクションが、フロントアクスルのエアロダイナミクスを向上。追加のダウンフォースを生み出し、高速時のドラッグを減少、パワートレインの冷却を改善する。

アクティブエアロダイナミクスシステムの中心要素となるのが、展開式アダプティブリヤウイング。「クローズド」、ローダウンフォースの「LD」、ハイダウンフォースの「HD」という3つの設定が用意され、ダウンフォースと空気抵抗をコントロールする。「クローズド」ではリヤウイングを格納して空気抵抗を最小限に抑えることで効率を向上し、「LD」と「HD」では選択した走行モードに応じて異なるダウンフォースレベルが生成される。

ドライビングモードの「ダイナミックモード」「ダイナミックプラスモード」「トラックモード」では、リヤウイングが完全自動で作動。ストレートではトップスピードと安定性を最適化するため「LD」ポジションへと移行する。F1由来の「ドラッグ・リダクション・システム「DRS」は、専用のステアリングホイールボタンで手動操作することが可能で、ウイングをさらに下げて空気抵抗を低減し、最高速度を引き上げることができる。

ブレーキ時やコーナーではウイングが「HD」位置に移動してダウンフォースを最適化し、最大のパフォーマンスとコントロールを実現する。このハイダウンフォース設定では400kg以上のダウンフォースを生み出す。「Eハイブリッドモード」以外のドライビングモードでは、リヤウイング位置はステアリングホイールのロータリーコントロールから手動で操作することが可能だ。 



カーボンを纏った「アウディ・スペース・フレーム」

ハイブリッドスーパースポーツ「アウディ ヌヴォラーリ」のエクステリア。
ボディエレメントのほとんどに、軽量かつ高剛性のカーボンファイバー強化ポリマー「CFRP」製がチョイスされた。


車両のベースとなるアーキテクチャーは軽量構造と高いねじり剛性を一貫して追求した設計を導入。今回、アウディは実績のある「アウディ・スペース・フレーム(ASF)」技術と、カーボンファイバー製エクステリアを組み合わせており、これはアウディにとって初の試みとなる。

カーボンファイバー製エクステリアを纏ったASFは、軽量かつ高い構造強度を兼ね備えており、精密なハンドリングと制御されたハイパフォーマンスの基盤となる。ほぼすべてのエクステリアパーツは軽量かつ高い剛性レベルを誇るカーボンファイバー強化ポリマー(CFRP)製がチョイスされた。

カーボンファイバー製コンポーネントは、F1における専門知識を活かして開発。プリプレグ・オートクレーブ技術は、あらかじめ樹脂を含浸させたカーボンファイバーを成形し、高温・高圧で硬化処理することで、最小限の重量で最大限の構造性能を実現した。

カーボン製エレメントは高い経験値と細心の注意、そして職人技を必要とする、精密な手作業による積層プロセスで生産。この製造プロセスにより、ヌヴォラーリの複雑な造詣が可能になった。さらにCFRPを用いることで、複雑なドアパネル構造から、隠された「Sダクト」内のエアフローを導く垂直フレームに至るまで、機能性に合わせたパーツを製造することも可能になった。足元にはアウディの市販モデルとしては初となるセンターロック式鍛造ホイールも採用されている。



4基の駆動ユニットを備えた高性能ハイブリッド

ハイブリッドスーパースポーツ「アウディ ヌヴォラーリ」のエクステリア。
パワートレインは、4.0リッターV型8気筒ツインターボエンジンに、3基のモーターが組み合わせる。

ヌヴォラーリは、システム最高出力736kW(1001PS)を発揮する高性能ハイブリッドパワートレインを搭載。4.0リッターV型8気筒ツインターボエンジンは、単体で出力588kW(800PS)、110kWを発生する3基のアキシャルフラックスモーター(軸方向磁束モーター)と組み合わされた。バッテリーは総容量7.3kWhのリチウムイオンバッテリーが搭載される。

内燃エンジン(ICE)は最大トルク730Nm、フロントアクスルに搭載された2基の油冷式モーターは2150Nmのトルクを発揮。3基目のモーターはV8エンジンとトランスミッション間に配置される。この高性能ドライブトレインにより、0-100km/h加速が2.6秒、0-200km/h加速は6.8秒、最高速度は350km/hを超える。

「quattro」全輪駆動システムは、あらゆる状況下で高いトラクション、コントロール、ドライビングダイナミクスを提供する。新たに開発された「クアトロ・プレディクティブ・ライド(quattro predictive ride)」は、緻密な車両状態モデルに基づいて、現在の走行状態を把握。ステアリング角度、加速度、ヨーレート、グリップレベルなどの詳細なセンサーデータが、制御システムに継続的に入力される。

このシステムはコーナーでグリップを失う可能性を予測すると先行して対応。 ドライブユニットは、トルクを縦方向と横方向の両方に正確に配分し、ブレーキが的確に介入して車両を安定させ、スリップを低減する。さらにアクティブエアロダイナミクスは状況に応じてダウンフォースを調整する。

ドライバーは、ステアリングホイールのロータリーコントロールを使ってドライビングモードの操作が可能。パワートレイン、車両ダイナミクス、効率性の優先度が異なる4つのドライビングモードを選択することができる。

「Eハイブリッドモード」は、都市部など短距離での完全電動運転が可能。「バランスモード」は快適さ、効率性、性能を最適化する。「ダイナミックモード」はシステムの応答性がシャープに変更され、機敏さと精度を高める。「ダイナミックプラスモード」はパワートレインを感情に訴えるドライビング体験重視に調整する。

「トラックモード」では、ドライビングスタイルやグリップに合わせてトラクションコントロールを的確に調整。設定はウエット、ドライ、レース、トラクションコントロールオフ「TC OFF」まで幅広く用意された。

高い回生レベルを実現したブレーキシステム

ハイブリッドスーパースポーツ「アウディ ヌヴォラーリ」のエクステリア。
モータースポーツからフィードバックされたブレーキシステムは、物理的なブレーキシステムと高度な回生機能が組み合わせられた。

エネルギーマネージメントシステムも、モータースポーツからフィードバックされた。ブーストとエネルギー回生マネージメントはトルク配分と密接に関連。統合システムが動力供給とエネルギー回生の相互作用を継続的に管理し、走行状況やグリップレベル、ドライバーの意図に合わせて調整する。

ヌヴォラーリではコースト走行や回生ブレーキに関する適応戦略により、ほぼすべての走行段階でエネルギー回生が可能になった。フロントアクスルはブレーキの大部分が電動で減速し、リヤアクスルはコースト走行、部分負荷走行、トラクションコントロールなどでエネルギー回生が行われる。

純粋なモーターによる制動は、日常域だけでなくダイナミックな走行でも多くのブレーキ局面をカバー。この制御された減速によって車両を安定させながら、バッテリー充電を同時に行う。 回生機能による電力は特にローンチコントロール機能で使用され、蓄えられたエネルギーによって最大限の加速を実現する。

ブレーキシステムは油圧ブレーキと電動減速の精密な相互作用により、厳しい条件下での最大性能を追求。 モータースポーツに由来するブレーキ・バイ・ワイヤシステムは、回生ブレーキと油圧ブレーキの可変配分を可能にした。ブレーキペダルは実際のブレーキ力と機能的に切り離されており、一貫性のある正確なペダル感が確保された。

システムの中核にあるのは、新開発の「アウディ・セラミック・プロ ブレーキ・システム」。サーキットでの激しい走行の際にも、常に高い減速と精密なコントロールを実現できるよう設計された。フロントアクスルは10ピストン固定キャリパーに420mm×40mmのブレーキディスク、リヤは4ピストンキャリパーが410mm×32mmディスクと組み合わされた。

ロングファイバーカーボン構造のブレーキディスクもF1由来。構造の強度や一貫した摩擦特性を損なうことなく極端な熱荷重に耐えられるよう設計された。ブレーキディスク専用の内部冷却システムは、空気の流れを改善し、従来のカーボンセラミックシステムと比べて最大21%もの熱放散レベル向上を果たした。

ドライビングにフォーカスしたコクピット


ハイブリッドスーパースポーツ「アウディ ヌヴォラーリ」のコクピット。
ダークな色調で統一されたコクピットは、ドライビングに集中できるよう、重要な情報のみがドライバーに提供される。

ドライビング体験を重視したシンプルなコクピットは、すべての操作を重要機能に集約させ、ドライバーの視野の範囲に直接配置された。ドライバー中心のアプローチにより、関連情報が優先され、二次的なコンテンツは背景に置かれる。

デジタルディスプレイと物理的なコントロールは一貫したロジックのもと、自然な操作が可能になった。 ディプレイのカラーアクセントは、伝説的な「アウトウニオン タイプC」レーシングカーをオマージュ。1930年代の歴史的な速度記録車両のイメージがコクピットに導入された。

機能的なカラーコンビネーションは、インテリアコンセプト全体にも採用されており、室内空間を2つのゾーンに分割。フロントセクションはダークな色調で仕上げられ、集中力を保てるよう設計された。サーフェイス、マテリアル、アクセントはこのダークカラースキームで統一され、リヤセクションは軽やかなトーンのシャドウデューンがチョイスされている。

コントローラーやエアベンチレーション、セントラルディスプレイのフレームは、アルマイト処理されたアルミニウムを配置。シートベースと背もたれにカーボンファイバー構造が採用された軽量シートは、軽量化に貢献ながら、高い剛性と横方向サポートを提供する。

「アウディ ヌヴォラーリ」を動画でチェック!

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