BENDA Napoleonbob 250
BENDAは2016年に誕生した中国のブランドで、今年から日本の輸入代理店を通し販売されている。
2026年3月の大阪・東京のモーターサイクルショーで展示されたNapoleonbob 250(ナポレオンボブ)は、その個性的なデザインが注目を集めており、輸入元によれば、初期輸入ロットはすでに売約済みということからも関心の高さが窺える。デザインの方向性としては名称にもなっている通り、クルーザー系のボバースタイルに分類されるが、全体の印象はその枠を超えた個性の強いものである。ボバースタイルとはアメリカンクルーザーバイクをベースにフェンダーなどを短く切り(英語の“Bob”切り詰めるとか散髪の意)、装備なども最小限にしたにカスタマイズで、現在はひとつのスタイルとなっている。

全身こだわりのデザイン
そんなボバースタイルのNapoleonbobだが250ccという排気量のため、構成する部品が大排気量車に比べ比較的コンパクトであることから、凝った機構でありながらボバーらしいまとまりのあるスタイルとなっている。そのなかで最も注目されるのはフロントフォーク(サスペンション)ではないだろうか。このモデルの強い個性のもととなっているが、形式としてはテレスコピックと呼ばれる一般的なものである。一見ガーターフォークという過去のバイクに使われていた型式のようなノスタルジックな印象を受けるユニークなものだが、ダンパーを別体としリンクを介して作動させている。このリンク部分が外観上の大きなインパクトを与える存在となっている。リヤサスペンションも複雑なリンクを持つツインショックで、ショックユニットをスイングアームが構成する三角形の中にうまく収めているところは、フロントサスペンションの形式と相まってこのバイクの見所でもある。
スイングアームとメインフレームは視覚的には連続して見えるよう意図したデザインで、ハードテール(リヤサスペンションがない)モデルのような印象を与えている。サイドビューを俯瞰してみると、フレームとスイングアームで形作る大きな三角形の中にエンジンをはじめとする主要なパーツが収まっていて、そこにタンクとシートが載っているという構成となっており、凝ったフロントフォークを組み合わせることで個性的なデザインを実現している。これを成し遂げたデザイナーやエンジニアのこだわりを感じることができる。本国ではこのNapoleonbobシリーズには500ccモデルも用意されており、同様のフロントサスペンションを装備している。


エンジン
エンジンは250cc水冷OHC V型2気筒を搭載しているが、空冷エンジンのフィンやOHVのプッシュロッドをイメージさせるメッキ仕上げのカバー、ゴールドに塗装されたヘッドカバー、エンジンの間に配置したエアークリーナーカバーなどによりVツインらしい存在感のあるエンジンユニットとなっている。エキゾーストパイプは前後シリンダーからそれぞれ出ているが、後のシリンダから右側に出されたエキゾーストパイプは前方に向かいクランクケースの周りに沿うようにして後方へつながるVツインエンジンらしい取り回しとなっている。前シリンダーのエキゾーストパイプは左側に出され、クランケース下のマフラーにつながっていく。連結されるマフラーは、スイングアームの手前で終わるショートタイプのものを採用していおり、マフラーエンドをテーパー状にすることで軽快な印象に一役買っている。エキゾーストパイプとマフラーは艶消しブラックの塗装となっているが、グレイメタリックのクランクケースカバーを取り巻くことで、エンジンをより際立たせている。

フレーム / タンク
フレームはエンジンの下方にも回り込むダブルクレイドル型だが、ボバースタイルらしく本来シートを支えるはずのリヤフレームはなく、シングルのシートはメインフレームに取り付けられている。一般的に車体後方に配置されていることが多いテールランプはシートに内蔵されているためシンプルなリヤビューを演出している。またメインフレームの後端は円錐形状になっており、カスタムバイクのような処理を施しているのもユニークなポイントである。

タンクは内蔵式で細いティアドロップ型のカバーとなっているが、鉄板タンクに見られるようなフランジ部分がないため、大型クルーザーモデル(例えばIndian Chief Vintage)のようなすっきりとした処理となっている。カラーバリエーションは3タイプが用意されているが、今回取材した車両は深みのあるグリーンの主体色にクローム仕上げの光沢ある立体エンブレムとロゴを配したホワイトのグラフィック(デカール)が施されている。縦長のサイドカバーは全体に丸みのある形状でノスタルジックさを強調するような造形となっていて、タンクと同様のカラーによる組み合わせだが、上部1/3程度がホワイトで下部がグリーンというツートーン塗り分けとなっている。シートのカラーは明るめのブラウンでグリーンのタンクとの組み合わせがとても映える配色である。
リヤフェンダーはBobらしく極短いものが装着されているが、タイヤがほとんど剥き出しであり、試乗時はあいにくの雨だったため、泥はねに対してはほとんど効果がないようだった。タイヤのカーブに合わせもう少し長いものにして実用性をあげても全体のスタイリングには影響しないのではないかと感じた。タイヤは前後とも18インチでスクランブラータイプのバイクに合いそうなブロックパターン(BENDAのサイトではチョコレートタイヤと表示)のものが標準装備されている。


ハンドルはバーパイプのハンドルではなく、スポーツバイクのような鍛造のセパレートハンドルを採用している。両端にバーエンドミラーを装着することで、すっきりとしたハンドル周りとなっており、車体全体を低くスポーティに見せる効果にも役立っている。
メーターはノスタルジックな外観に合わせて円筒形の一眼のものを採用しているが、表示部は液晶メーターとなっていてアナログなスピードメーターとタコメーターが映し出され、中央付近にはギヤポジションも表示される。またエンジン始動後は歯車が噛み合って動くアニメーションが表示され楽しい。
短い試乗では250ccながらVツインエンジンの鼓動感や歯切れの良い排気音を楽しみながら走ることのできるモデルであると感じた。ユニークなデザインで注目されるBENDA Napoleonbob 250だが、排気量を意識させない唯一無二のデザインで、今後どのような存在になっていくのか注目していきたい。
主要諸元
全長x全幅x全高(mm): 2333x838x1038 軸間(mm): 1545 シート高(mm): 750 車両重量(kg): 182
エンジン種類: 水冷4サイクルSOHC4バルブV型2気筒 総排気量(cc) : 249 タンク容量(L): 9.5
最高出力(kw[ps]/rpm): 19[26]/9000 最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm: 25[2.5]/5500
トランスミッション: 常時噛合6速リターン タイヤサイズ: 前130/80-18M/C66S 後169/70R18M/C74S

