約165台の歴代ランドクルーザーが嬬恋に集結!

2026年8月1日、ランドクルーザーは75周年を迎えた。その節目をファンとともに祝う「LAND CRUISER 75th ANNIVERSARY DAY」が、群馬県の無印良品カンパーニャ嬬恋キャンプ場で8月1日から2日まで開催された。現地には宿泊キャンプ約200人・約130台、デイキャンプ約70人・約35台、合わせて約270人、約165台のランドクルーザーが集結。歴代モデルの展示から開発者によるトークショー、オフロード体験まで、75年にわたる「ランクル」の歴史と現在を体感できるイベントとなった。

会場では、ランドクルザーオーナーがキャンプをするだけではなく、歴代ランドクルーザーの展示、オフロード走行、トークセッション、焚き火を囲んで語り合う「TAKIBI TALK」など様々なコンテンツが用意された。
そもそも今回のイベントは、ランドクルーザー誕生75周年を祝うだけのものではない。「ファンと未来のブランドを共創」というテーマを体現するとともに、今後1年間にわたるランクル75周年施策のキックオフとして位置づけられたイベントだ。

75年間変わらなかった「どこへでも行き、帰ってこられる」という思想

トークショーで開発陣が繰り返し語ったのが、ランドクルーザーが守り続けてきたものだ。
1951年のBJから現在まで、ランドクルーザーの姿は大きく変わった。しかし、「行きたい時にどこへでも行けて、ちゃんと笑顔で帰ってくる」という思想は変わらないという。そのために信頼性、耐久性、悪路走破性を追求してきた。
その開発で重視されるのが「現地現物」だ。世界各地でユーザーの使い方を見るだけでなく、クルマがどのような環境で作られ、修理されているのかまで確認する。設備の整った工場がない地域もあるからこそ、壊れにくいだけでなく「何かあっても直せる」ことまで考える。それがランドクルーザーの開発思想だという。

なぜFJは「ランドクルーザー」を名乗れたのか?

一方、変わり続けてきたのがクルマの形だ。仕事を支える「70系=ヘビーデューティー」、快適な移動を担う「300系=ステーションワゴン」、日常生活に寄り添う「250系=ライトデューティー」と、ランドクルーザーは時代やユーザーのニーズに合わせて系列を広げてきた。
その最新モデルが「ランドクルーザーFJ」である。250などがグローバル市場のニーズに応えて大型化する一方、日本やASEANなどには、そのサイズを持て余すユーザーもいることは事実。そこで、よりコンパクトなランドクルーザーとしてFJが企画されたという。

興味深かったのは、過去に別のSUVへランドクルーザーの名称を付けようとして認められなかったという開発秘話だ。単に名前を付ければランドクルーザーになるわけではない。75年間積み重ねてきた思想と実績を備え、「何を支えるクルマなのか」まで作り込む必要がある。FJはそこを突き詰めたからこそ、ランドクルーザーを名乗ることになったという。
FJで悪路走行を同乗体験! 短いホイールベースにも一長一短

会場ではランクル70、250、300に加え、FJのオフロード同乗体験も行われた。パートタイム4WDを使い、深い凹凸でタイヤが浮くような場面も走破していく。
ドライバーの説明で印象的だったのが、短いホイールベースについてだ。凸部を越える際に腹を路面へ接触させにくい一方、横方向の安定性ではホイールベースの長い300などが有利になる場合もあるという。「短い=悪路で絶対的に有利」ではなく一長一短なのだ。


そして、こうした場所をプロだけが走れても意味がないという。一般ユーザーが運転しても目的地へたどり着き、無事に帰ってこられることがランドクルーザーの使命なのである。

ランクル70と250のフレームから見えた「変わらないための進化」
会場にはランクル70と250のフレームも展示され、担当者から直接解説を聞くことができた。
70系が1984年の登場以来受け継いできた伝統のラダーフレームは、単純にすべてを固めるのではなく、悪路から受ける力を適度に「いなす」という考え方が盛り込まれている。一方、250では300系と同じGA-Fプラットフォームを採用し、フレーム構造も大きく進化した。サイドレールやクロスメンバーの一部には、板厚や材質の異なる鋼板をレーザー溶接で接合してから成形する「非線形テーラードウェルドブランク(TWB)」を採用。従来のように補強材を重ねるのではなく、必要な場所に必要な強度を持たせることで、信頼性・耐久性を確保しながら軽量化を図っている。さらにフレーム剛性は従来のプラド150系比で50%向上している。


目指している信頼性や耐久性は変わらない。しかし、それを実現する方法は、材料や設計、生産技術の進歩とともに大きく変化している。70と250のフレームを実際に見比べると、「変わらないために変わり続ける」というランドクルーザーの75年が、車体の骨格からも見えてくる。

初代BJからFJ、そしてランドクルーザーでは入れない場所での移動を担う「相棒」として開発されたランドホッパーまで――。75年間同じクルマを作り続けてきたのではない。守るべき思想が変わらないからこそ、ランドクルーザーは時代に合わせて変わり続けてきた。 嬬恋に集まった約165台のランドクルーザーを眺めながら、その75年の意味を実感できるイベントだった。
