TOTEM GT SPORT PROTOTIPO

ザ・クエイル、ヴィラ・デステ、そしてグッドウッドへ

アメリカ、イタリアを経て、イギリスの自動車ファンの前で迫力ある走りを披露。
アメリカ、イタリアを経て、イギリスの自動車ファンの前で迫力ある走りを披露。

初めて「トーテム GT スポーツ プロトティーポ」が公の場に姿を現したのは、2025年に米国カリフォルニア州モントレーで開催された「The Quail, A Motorsports Gathering (ザ・クエイル・モータースポーツ・ギャザリング)」だった。モントレー・カーウィークを代表するイベントのひとつで、希少なクラシックカーから最新のスーパーカー、ハイパーカーなどが集うことで知られている。

続いて今年5月、イタリア・コモ湖畔で開催される「Concorso d’Eleganza Villa d’Este(コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステ)」に登場。1929年に始まったこのイベントは、世界でも屈指の歴史と権威を誇るコンクール・デレガンスのひとつに数えられる。

そして3つ目の舞台となったのが、今年7月に英国で開催されたグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードだ。歴史的なレーシングカーから最新のスーパーカーまで、さまざまな時代のクルマが一堂に集うイベントである。その多くが実際に会場内に設けられたヒルクライムコースを走行することも、グッドウッドならではの魅力だ。

ザ・クエイル、ヴィラ・デステ、グッドウッド。それぞれ性格の異なる世界的な自動車イベントにGT スポーツ プロトティーポを持ち込んだことは、トーテムというまだ若いブランドにとって、その存在を広く印象づける機会にもなったはずだ。

ヒルクライムにも出走

フェスティバル オブ スピードの名物、ヒルクライムにも登場。
フェスティバル オブ スピードの名物、ヒルクライムにも登場。

GT スポーツ プロトティーポは、「アルファロメオ ジュリア」をベースにしたレストモッド「Totem GT」シリーズのなかでも、もっともエクストリームなモデルに位置づけられる。製作されるのは、わずか10台。カーボンファイバーを駆使した最新技術とクルマを操る感覚を重視した「アナログなドライビングプレジャー」を融合。さらに空力とメカニズムの両面にも手が加えられ、より走りにフォーカスしたモデルに仕立てられている。

ただし、単に性能を追求しただけではない。根底にあるのは、トーテムが掲げる「現代のイタリアン・グランツーリスモ」という考え方だ。クラシックカーの美意識やドライビングフィールをそのまま再現するのではなく、現代の技術や素材を用いて、新しいクルマとして提示する。GT スポーツ プロトティーポは、トーテムのクルマづくりをパフォーマンスに振った形で表現したモデルといえるだろう。

グッドウッドでは、GT スポーツ プロトティーポが「New Classics」エリアに展示されただけでなく、フェスティバル・オブ・スピードを象徴するヒルクライムにも出走した。このイベントの大きな特徴は、歴史的な名車や希少なスポーツカーを眺めるだけでなく、実際に走る姿を間近で見られることにある。GT スポーツ プロトティーポにとっても、走行する姿を多くの自動車ファンに披露する絶好の機会となった。

“3つの王冠”が示すトーテムの現在地

ザ・クエイルからヴィラ・デステ、そしてグッドウッドへ。GT スポーツ プロトティーポが登場してきた3つのイベントは、いずれも世界の自動車愛好家から高い注目を集める舞台だが、その性格はそれぞれ異なる。希少なクラシックカーと最新のハイエンドモデルが集うザ・クエイル、歴史とエレガンスを重んじるヴィラ・デステ、そして新旧のマシンが実際に走り、その音や速さも楽しめるグッドウッド。トーテム自身がこの3つを「three crowns」(3つの王冠)と呼ぶのは象徴的な表現だが、異なる価値観を持つ3つのイベントに同じ1台を送り込んだことは興味深い。

クラシックとモダン、エレガンスとパフォーマンス。その両方を志向するこのモデルだからこそ、性格の異なる3つの舞台にも自然に溶け込むのだろう。トーテムという若きイタリアン・ブランドが目指す方向性を示すうえでも、この「3つの王冠」はひとつの象徴といえそうだ。

トーテム・アウトモビリ GT スーパー シャシーNo.12「イペリア」のエクステリア。

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イタリアのマルコーンを拠点に、アルファロメオのレストモッドを製造するトーテム・アウトモビリ(Totem Automobili)は、ジュリアをベースに製造した「GT スーパー」のシャシーNo.12「イペリア(IPERIA)」を公開した。