片側60mmワイドを自然に魅せる造形美
手仕事だからこそ描けるナチュラルフォルム!
ワンオフのカスタムボディ製作に強みを持つ、愛知県豊川市のボディショップ『A.BASE(エーベース)』。代表の伊藤あしるさんは、個人の趣味の延長でありながら、ショップのデモカーにもなる個性的な車両製作を積極的に行っている。その最新作が、RZ34のワイドボディ仕様だ。

「RZ34が発表された時から、往年のロングノーズ・ショートデッキのスタイリングがドンピシャで好きで、久々に創作意欲が掻き立てられました。ノーマルはサイドに抑揚がないことだけが惜しいと思っていて、自分だったらこういうスタイルにしたい! という明確なビジョンが湧いてきたんです。もはや、それを個人的に具現化することだけを目的に、気付けば中古車を購入していました(笑)」。
伊藤さんの脳裏に描かれたRZ34のコンセプトを言葉で表現すると、「ナチュラルワイドボディ」。RZ34本来のシルエットを尊重しながらワイド化する理想形を、伊藤さんは発泡ウレタンを使った型にFRPを貼り合わせるワンオフの手法で形作っていった。
「エアサスでローダウンすることを前提に、まず足回りのシステムを組んでから作業に着手しました。今回は割とはっきり頭の中に絵が浮かんでいたので、削りながら決めていくというより、頭の中のイメージを再現していく感じ。ポルシェのようなふっくらとした自然なラインを意識していたんですが、我ながらうまく作れたのではないかと満足しています」。

Gノーズを彷彿とさせるフロントバンパーは、ボンネットのラインから自然と前に出されたような長さと角度で造形。純正より約100mm前方に張り出しており、リップの下端が内巻きになっているのも、純正風の形状を意識した結果だ。ミリ波レーダーの前に備わるカバーと超音波センサーは、ノーマルから移植してある。

まるで最初からそうだったかのように、自然なラインを描くワイドフェンダーを創出。面が歪んでいると映り込みも歪むため、敬遠されがちなブラックのボディカラーにも敢えてチャレンジした。研いではサフェーサーを吹き、また研いで、という工程をひたすら繰り返し、納得のいく仕上がりを実現している。

フロントフェンダーは純正比で約15mmのアーチ上げと45mmワイド、リヤフェンダーは30mmのアーチ上げと60mmワイドを実現。全下げ状態を基準にすれば、リヤはもう少しアーチを上げてもいいが、走行車高にした際に隙間が開きすぎるため、バランスを取った。刀をモチーフにしたルーフフィニッシャーとエンブレム類はブラックアウトされている。

サイドステップは、純正形状のままワイド化したようなイメージで造形。エアサスで車高を落とすことを前提としながらも、着地させたくはないということで、ボディ下端の高さはあくまでノーマル同等をキープしている。マフラーは柿本改のクラスKRを備える。

ワークマイスターS1のサイズは、フロントが10.5Jマイナス21×19、リヤが11.0Jマイナス46×19。アーチ上げを施したフェンダーは、形状が真円に近づくよう念入りに造形した。

ボリュームを増したリヤフェンダーに対して、何もないと物足りない印象になるリヤハッチにはダックテールを製作。跳ね上げすぎない程よい大きさを意識したが、逆反りの面をキレイに出すのは、全体の中でも一番苦労したという。

ボディカラーは元から純正のブラックだったのだが、歪みが分かりやすいため、鈑金塗装の観点から言えばできれば避けたいところ。それでも伊藤さんは「敢えてチャレンジしてみたかった」と果敢に挑み、完成後の初お披露目となったスタンスネーション大阪では、むしろ同業者や塗料屋さんなどの玄人筋からお褒めの言葉が多く寄せられ、達成感を味わったそうだ。
「やったことがある人でないとわからない苦労があるので、そこは嬉しかったですね(笑)」。今のところ自分のためのワンオフと割り切っているため販売する予定はないが、もし要望があり、時間にも余裕があれば、型を取って販売することも検討するとのこと。「市販化熱望!」という方は、ぜひA.BASEにご一報いただきたい。
⚫︎取材協力:A.BASE 愛知県豊川市赤坂町松本264 TEL:0533-88-6900

