「A」をモチーフにしたライティングシグネチャーは次期RDXから市販車に採用

ホンダが北米で展開するブランド「Acura(アキュラ)」は2026年8月13日(現地時間)、コンセプトカー「Acura NEXERA Vision(アキュラ・ネクセラ・ビジョン)」を公開した。ワールドプレミアは8月14日、米カリフォルニア州で開催されるMonterey Car Week(モントレー・カー・ウィーク)のイベント「The Quail, A Motorsports Gathering」。ブランド創立40周年の節目に、今後の市販モデルへ展開する新しいエクステリアおよびインテリアのデザイン言語を示すモデルと位置づけられている。

アキュラ・ネクセラ・ビジョン

デザインを手掛けたのは、ロサンゼルスのアキュラ・デザイン・カリフォルニアスタジオ。指揮を執ったのは、アキュラ・クリエイティブディレクター兼オートデザイン担当副社長の土田康剛氏だ。土田氏はマツダで「魁 CONCEPT」や2020年「ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤー」を受賞したMAZDA3のチーフデザイナーを務めた経歴を持つ。その後、北米マツダのデザイン部門シニアディレクターを経て、2024年にホンダへと仕事の場を移した。

アキュラ・ネクセラ・ビジョン

「アキュラの40周年を新たな挑戦への節目とし、アキュラ・ネクセラ・ビジョンを今後のアキュラのデザイン言語として位置づけています」と述べた土田氏。「この新たなデザインの方向性では、普遍的な美しさと先進技術を融合させることで、アキュラらしい美しさとパフォーマンスを新たな形で表現することを目指しました。今後のアキュラ ラインアップにおいても、このデザインの方向性を一貫して具現化し、進化させていきます」と続けた。

写真中央が土田康剛氏。

エクステリア

プロポーションは、ワイドで力強いスタンス、長いダッシュ・トゥ・アクスル(フロントタイヤの中心からダッシュボードまでの距離)、ワンモーションのキャビンによって構成される。ボディはメタリックの深みをもつマットカラー「Matte Titanium」を纏う。

アキュラ・ネクセラ・ビジョン

彫刻的な面構成に、エアロチャンネルを設けたフェイシアを組み合わせた。リヤデッキリッド上の気流を制御するアクティブリヤスポイラーを備え、アキュラによれば空力効率、高速安定性、制動性能の向上に寄与するという。ドアはふたつのヒンジをもつバタフライドアで、乗降時の所作そのものをブランドの性能表現に結びつける狙いがある。

アキュラ・ネクセラ・ビジョン
アキュラ・ネクセラ・ビジョン

足元を彩るのは22インチのセンターロックホイールで、アキュラ初採用のもの。立体的なディレクショナルデザインとマットアノダイズド仕上げに、鍛造カーボンファイバーのインサートを組み合わせる。鍛造カーボンはほかにもフェイシアのエアロチャンネル、リヤディフューザー、ロッカーパネル、インナードア構造などに用いられている。ブレーキはカーボンセラミックのブレンボ製だ。

アキュラ・ネクセラ・ビジョン

ライティングシグネチャー

見どころのひとつが、新しいライティングシグネチャーだ。灯体は消灯時にボディ面の内側へ隠れ、点灯したときにのみ浮かび上がる「ファントムライティング」を採用して、途切れのない面構成を保っている。極薄のヘッドライトとテールライトの造形は、ブランドの「A」マークから着想を得たものだ。

「新しいアキュラのスタイリング・アイデンティティを強めるため、アキュラの『A』マークから着想を得た独自のライティングシグネチャーを開発しました。新しい時代のアキュラを、ひと目でそれとわかるものにするためのデザイン要素です」と土田氏は説明する。「アキュラ・ネクセラ・ビジョンは次世代のアキュラ・デザインの進路を定めるもの。今後の製品全体にわたって、その方向性を明確に、一貫して、目的を持って進化させることを約束します」

インテリア

インテリアは、空間の広がりと、運転に集中できる密度感の両立を狙ったコクピットとしている。フロントシートはフロアに固定され、着座位置を大幅に下げている。ドライビングポジションの調整は、ペダルとステアリングホイール側を動かすことで対応する。

内装色はブラックとホワイトを基調に、グロスブラックの加飾と鍛造カーボン、コントラストの強いピンクのアクセントを組み合わせた。素材にはリサイクルアルミニウム、認証を受けたポストコンシューマー・リサイクルポリエステルを含むアルカンターラ、循環利用を前提とした本革素材「CircuLeather」を採用している。

「プレミアムなクオリティとパフォーマンスをどう定義するかにおいて、サステナビリティの役割は大きくなっています。アキュラは、環境面での目標を支援しつつ、顧客体験に新しい可能性をもたらす素材技術を取り入れています」と土田氏。「これらは製品に関わるカーボンフットプリントの削減に役立ち、クオリティに関する従来の考え方に挑戦する機会を生みます。プレミアムとは何かという新しい視点を刺激するのです」

アキュラ・ネクセラ・ビジョンが示したデザイン要素は、今後の市販モデルへ順次展開される。新しいライティングシグネチャーは、数年内の登場が予告されている第4世代RDXハイブリッドから採用される予定だ。