エクステリア:タフ&アジャイル(力強くダイナミックに、俊敏で軽快に)
新型キックスのデザインコンセプトは、「タフ&アジャイル」。そのデザイン開発は、デザイナー自身が「本当に欲しいSUV」を追求するという原点から始まった。厚木のデザインセンターを中心に、アメリカ・カリフォルニア、ヨーロッパ、中国の各スタジオが参加している。

エクステリアは、遠くからでも一目でキックスと認識できるアイコニックな造形を目指した。多数の提案の中から採用されたのは、アメリカのスタジオが提案した、アメリカンフットボール選手のヘルメットから着想を得たエクステリアだ。シンプルな球状のかたちこそ最も機能的に強い、という発想に基づき、余計な折れを排したひとつの塊としての強さを表現している。

フロントマスクは、黒いグリルをボディで両端から挟み込む構成とした。ワイドに広げたグリルの両端には特徴的なデイタイムライトを配し、先進性を強調している。


先代のフロントマスクは、Vモーショングリルと横長のLEDヘッドランプを組み合わせていた。シャープな表情が印象的だが、SUVらしい存在感という点では新型に軍配が上がるだろう。

新型はスタンスの表現も特徴的だ。四隅に張り出した大径タイヤとボリューム感のあるフェンダーが踏ん張り感を生み、下まわりを大胆にブラックアウトすることで、力強さと軽快さを演出した。
サイドビューを先代と見比べると、新型は水平基調が強まっているのがわかる。また、新型は小さなリヤクォーターウインドウを設けた6ライトとなっており、太いCピラーを備えていた先代の4ライト構成とは一線を画す。新型はガラスエリアが後方まで途切れず続くことで、キャビン全体がより軽やかで開放的な印象を与えている。


リヤは、「ロの字」で囲った黒いグラフィックの両端にテールライトを配置し、フロントとリンクする3本スリットの先進的なグラフィックを採用。ロの字の中には、パスファインダーなど日産の他のSUVと共通する、プロテクト感のあるボディ同色の台形デザインを取り入れている。


一方で、新型キックスのボディには強いキャラクターラインがほとんど存在しない。ドアパネルなどの大きな面は、パンと張った単純な凸面で構成され、面と面が滑らかにつながることで、車体に映り込む景色が途切れなく流れる「景色の通り」を追求している。線で飾るのではなく、面そのもので強さを表現するという考え方だ。
ただし、このシンプルさは製造上の難しさも伴う。面構成が単純であるほど、鉄板のわずかな歪みや粗が目立ってしまうからだ。そこでデザイナーは何度も工場へ足を運び、試作品をミリ単位で確認。フェンダーやドアなど、異なるプレス機から生まれる部品を並べた際の面のつながりを完璧にするべく、生産部門とともに繰り返し調整を行なったという。
強い折れ線があれば隠せてしまうようなプレス面の乱れも、この滑らかな面構成では逃げ場がない。それだけに、部品と部品の合わせ目まで含めた面の連続性には、通常以上の精度が要求された。
ディテールにも遊び心が盛り込まれている。「X」および「X+」グレードでは、下まわりの樹脂部分に、スニーカーのソールから着想を得た「ディンプルパターン」を施した。スニーカーの躍動感に由来するキックスという車名にふさわしい遊び心が与えられている。
ボディカラーは、2トーンを含む9種類。日本向けの新色「レゾナンスブルー」は、アクティブさと先進性を両立させた、透明感のあるライトブルーとして開発された。

なお、これまでの受注における人気カラーのベスト5は、1位がピュアホワイトパールのモノトーン(全体の22%)、2位がスーパーブラック(18%)、3位がピュアホワイトパール/スーパーブラックの2トーン(17%)、4位がダークメタルグレー/スーパーブラックの2トーン(14%)、5位がレゾナンスブルー/スーパーブラックの2トーン(7%)とのことだ。
インテリア:「守られている安心感」と「心地良い開放感」の両立
インテリアのテーマは、「守られている安心感」と「心地良い開放感」の両立である。相反するふたつの感覚を共存させることで、これまでにない居心地の良さを生み出すのが狙いだ。
インストルメントパネルは横方向に広げつつ、コンソールが前方へ突き刺さるような構成を採用。大黒柱のような力強さと安心感を演出したという。

インストルメントパネル上部からドアアッパーにかけては、つなぎ目のないラッピングを施し、乗員を優しく包み込む「守り」を表現。一方、12.3インチのセンターモニター手前に設けられた「テーブルトップ」にはファブリックラッピングを採用し、空間に抜けと柔らかさを与えている。また、このテーブルトップは、タッチ操作時のフィンガーレストとしても機能するよう設計されている。

ファブリックは糸の選定から織りの組織、彩度、艶に至るまで、100種類以上の候補から検討。自身の部屋に置いても違和感のないクオリティを追求したという。

センターモニターは、運転席前のメーターディスプレイと一体化した「モノリスディスプレイ」となっている。ただし、センターモニターの部分だけはやや内側に傾けられている。これは助手席からの視認性とドライバーの操作性を両立するためで、さまざまな角度を検証した結果、6.6度に設定されたという。

「G」および「X+」グレードは、レザーと上質なファブリックの組み合わせに、ゴールドのアクセントとグラデーションを施したパーフォレーションを加え、上質感を演出している。ゴールドのアクセントはインパネの両サイドにもあしらわれているが、これも室内にプレミアム感をもたせるために開発された新色だ。

「X」グレードのシートは、ファブリックにシルバー加飾を施し、エンボス加工によるグラフィックをあしらっている。

お気に入りのスニーカーを履いて、新しい一歩を踏み出す。新型キックスのデザインからは、そんなワクワク感が伝わってくる。








