450馬力を受け止める懐の深さ!

ストリートで光る高バランスFL5

数多くのブランドやアイテムを扱い、豊富な経験を生かしたパーツチョイスに定評のある“A PITオートバックス東雲”。市販パーツを組み合わせるだけでなく、必要に応じてオリジナルパーツも開発することで、保安基準に適合する範囲内で完成度の高いデモカーを作り上げている。

使われているパーツは基本的に一般ユーザーが購入できるものばかりで、デモカーで得られたノウハウを愛車にフィードバックできることも大きな魅力だ。

FL5のデモカーはこれまで、オリジナルECUのデルタボックスを使ったブーストアップで約400psを発揮する仕様だったが、さらなる速さを求めてHKSのGT4845スポーツタービンキットを投入。現在はブースト1.7キロ時に約450ps、最大トルク54kgmを発揮する。

吸気系には、ノーマルエンジンでも約10psのパワーアップが見込めるブリッツのカーボンインテークシステムを採用し、キャタライザーとマフラーはHKS製で統一。チタンの焼き色が美しいリーガマックススポーツは、排気音こそジェントルだが、バルブレスのストレート構造によって抜けが良く、タービン交換仕様にも対応できる排気効率を確保している。

タービン交換によって低回転域のトルクが痩せるという話はよく聞くが、実際にA PITオートバックス東雲が行ったテストでも、低回転からの立ち上がりでは純正タービンに分があるという。

しかし、約4000rpmを境にトルクは明確に増大し、そこからフラットな特性を維持するため、ひとたび走り出してしまえば扱いやすさはむしろ向上。街中の極低速域よりも、ワインディングやサーキットなど、積極的にエンジンを回して楽しむ領域で、もう一段上の速さが欲しいというユーザーに適した特性に仕上げられている。

そして、この450psのパワーを安心して引き出すために重視されているのがサスペンションだ。装着するのはHKSハイパーマックスをベースに、レーシングドライバーの木下みつひろ選手が監修したゲートスペック。専用のダンパーセッティングにF:10kg/mm、R:8kg/mmのスプリングを組み合わせ、しなやかな動きと高い接地性を両立する。

さらに、前後メンバーの締結力を高めるA PITオリジナルのメンバーボルトも投入。4輪の接地感を重視したセットアップによって、ストリートでの乗りやすさを確保しながら、ハイグリップタイヤを履いてのサーキット走行までこなせる懐の深さを持たせている。

ブレーキはローターとキャリパーをあえて純正のままとし、パッドのみ木下選手が開発したG-maxへ交換。絶対的な制動力だけを求めるのではなく、踏力に応じて制動力がリニアに立ち上がる特性とすることで、ブレーキング時の速度や姿勢をコントロールしやすくしている。

足元には6061T6アルミ合金を採用したTWSのRS339を装着し、タイヤはポテンザRE-71RSの265/35R18を4輪にセット。シャシー側のセットアップとハイグリップタイヤを組み合わせることで、450psをしっかりと路面へ伝える。

エクステリアはHKSのフロントスポイラーとクレイブのスワンネックGTウイングを組み合わせ、最小限のパーツで最大限の効果を狙った構成だ。

インテリアには、運転席側にフルバケットタイプのレカロRSS、助手席側にリクライニング可能なSR-Cを採用し、素材やカラーリングも統一する。さらにステアリングもA PITオリジナルのDシェイプデザイン+カーボン仕様へと交換され、機能性だけでなくコクピット全体の質感も高められている。

実際にターンパイク箱根でステアリングを握った山田英二選手も、しっとりと動きながら高い接地性を発揮する足まわりを高く評価。路面がうねる場面でもラインを外しにくく、さらにパワーを上乗せしても受け止められそうな懐の深さを感じたという。エンジンも極低速域こそマイルドながら、4000rpm以上をキープすればフラットなトルクによって自然にパワーを引き出せる特性だ。

筑波スーパーバトルなどのタイムアタックにも参加して限界領域でのテストを重ねているが、このFL5の本分はあくまでストリート。単純な最高出力やサーキットでのタイムだけを追い求めるのではなく、誰が乗っても扱いやすく、安心して速さを楽しめることを軸に作り込まれている。

約450psという十分なパワーを持ちながら、エンジン、サスペンション、ブレーキ、タイヤのどこかひとつだけを突出させない。そのトータルバランスの高さこそ、幅広いパーツを知り尽くしたA PITオートバックス東雲ならではのFL5チューニングといえるだろう。

●取材協力:A PIT AUTOBACS SHINONOME 東京都江東区東雲2-7-20 TEL:03-3528-0357

「これぞ合法ストリート最速級!」ブーストアップ340馬力仕様のGRヤリスを峠で試す

A PITオートバックス東雲が木下みつひろ氏監修のもと開発したオリジナル車高調『ハイパーマックスGATE SPEC』。その実力を確かめるべく榛名の峠インプレッションへ持ち込まれたのは、340ps仕様のGRヤリスDATだ。ストリートでの扱いやすさとスポーツ走行性能を両立させた足回りは、荒れた路面が続くワインディングでどのような走りを見せるのか。筑波1分2秒台の実力を持つ一台の完成度に迫る。

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