燃費効率と静粛性を見事両立 大人4名乗車でも余裕の室内

フィットは、国産コンパクトカーの中心的な存在だ。2001年に発売された初代モデルは、外観が当時のシビックを連想させるデザインでカッコイイ。全高は1525㎜と少し高めで、室内もボディサイズの割に広かった。後席を格納すると大容量の荷室になり、価格も求めやすく、02年には国内の最多販売車種になった。
エクステリア




現行フィットは20年に発売された4代目で、販売ランキング順位は初代に比べて下がったが、実用性は高く今でもお買い得だ。売れ筋グレードの「HOME」は、全長4m以下の5ナンバー車で、FFの全高は立体駐車場を使える高さ。最小回転半径は4.9mに収まり、視界も優れているから、混雑した街中や駐車場でも扱いやすい。現行型の室内も、全長が4m以下の立体駐車場入庫可能な車種では最も広い。身長170㎝の大人4名が乗車したとき、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシふたつ半に達する。前後方向の余裕はZR-VなどのミドルサイズSUVと同等だ。内装も上質で、助手席の前側にはソフトパッドが装着される(「BASIC」を除く)。
乗降性


荷室も広い。燃料タンクは前席の下に搭載され、後席を格納すると、床の低いボックス状の荷室に変更できる。フィット(FF)の多くは全高が立体駐車場を使える1540㎜ながら、自転車も積載できる。さらに後席の座面を持ち上げると、縦長の空間になり、後席のドアから背の高い荷物も積める。この機能は初代から採用され、広い室内と併せてフィットの大切な特徴だ。ホンダが生み出した数々の走りの技術と同じく独創的な発想に基づく。
インストルメントパネル

フィットのパワートレインは、1.5ℓ直列4気筒の自然吸気エンジンとハイブリッドのe:HEVだ。売れ筋はe:HEVで、エンジンは主に発電を行ない、駆動はモーターが受け持つ。モーターは反応が機敏だから、登り坂に差し掛かってアクセルペダルを踏み増したときなど、駆動力が即座に増して運転しやすい。システム最高出力は123PSだが、運転感覚は1.8ℓ自然吸気エンジンに相当する。高速道路の巡航などでは、エンジンがホイールを直接駆動して、燃費効率を向上させる制御も行なう。4気筒だからエンジンノイズは3気筒のライバル車よりも小さく抑えられて快適だ。
居住性


で、ポジションを合わせやすい。後席はフラットフロアかつ足元スペースが広いうえ、シートサイズにも余裕が感じられる。クッション性も十分に確保されており、コンパクトクラスと思えない快適な空間となっている。
ステアリング操作に対する車両の反応は、いまの日本車では鈍めだ。ステアリングを回し始めたときから正確に反応するタイプではない。その代わり設計の古い日本車から乗り替える場合は、むしろ運転感覚が馴染みやすいだろう。峠道をスポーティに走ると、旋回軌跡を拡大させやすい傾向も見られるが、下りカーブでも後輪の接地性は高い。運転の難しい状態に陥りにくく、初心者も含めて幅広いユーザーに適する。なお自然吸気エンジン車は、e:HEVに比べて動力性能と静粛性が見劣りするが、車両重量は100㎏ほど軽い。e:HEVの走りが鈍く感じられたときは、自然吸気エンジン車も試すと良い。
うれしい装備






月間販売台数 4096台(25年11月~26年4月平均値)
現行型発表 20年2月(一部改良 25年7月)
WLTCモード燃費 30.2㎞/ℓ※「e:HEV BASIC」のFF車

ラゲッジルーム


以上のようにフィットの走りは全般的に大人しいが、乗り心地は快適で、路上の細かなデコボコも伝えにくい。室内も広いため、街中や高速道路を4名で乗車して快適に移動できる。


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