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MCLAREN GT

マクラーレン GTとは

マクラーレンらしい走行性能と長距離移動に必要な要素を兼ね備えたグランドツアラーがマクラーレン GT。
マクラーレンらしい走行性能と長距離移動に必要な要素を兼ね備えたグランドツアラーがマクラーレン GT。

「マクラーレン GT」は、英国のマクラーレン・オートモーティブが2019年に発表したグランドツアラーである。マクラーレンの量産ロードカーは、カーボンファイバー製シャーシ、ミッドシップエンジン、2人乗りという構成を基本とし、軽さや運動性能を重視してきたが、GTはマクラーレンらしい走行性能を維持しながら、長距離移動に必要な乗り心地、静粛性、荷室や日常での扱いやすさも重視したモデルである。

ミッドに4.0リッターV8ツインターボエンジンを搭載し、専用のカーボンファイバー製モノコック「MonoCell II-T」を採用。車両重量を1530kg(DIN)に抑えつつ、キャビン後方に荷室を確保した。日本では2019年6月に披露され、同年10月以降に納車が始まった。2023年12月には後継モデルの「マクラーレン GTS」が発表された。

マクラーレン GTの外観・内装

マクラーレン GTの外観は、空力性能を意識した流麗な造形が特徴である。内装はドライバー中心の設計を基本としながら、素材選びやシート形状、静粛性など、長距離移動での快適性にも配慮されている。

外観:低く伸びやかなGT専用シルエット

外観はフロントノーズを水平に横切る「ハンマーヘッドライン」が特徴である。このラインが視線を車体の左右へと導くことで、マクラーレン GTのワイドな車幅と低く構えたスタンスを視覚的に強調している。そのほか、リヤの荷室まで伸びるティアドロップ形状のキャビン、ガラスを用いたCピラーとリヤクォーターウインドウ、車体と一体化した固定式リヤウイングも特徴として挙げられる。

全長は約4.7mで、当時のマクラーレンのスポーツシリーズおよびスーパーシリーズより長い。前後のオーバーハングも従来のマクラーレン車より長く取られており、グランドツアラーに特徴的な長くエレガントな外形を形成している。

その造形は見た目の優雅さだけを目的としたものではなく、機能的なデザインである。エアロダイナミクスを重視した形状は、高速走行時の安定性や冷却性能の向上にもつながっている。上方へ開く「ディヘドラルドア」は視覚的な特徴であるだけでなく、サイドシルを低くえぐった構造によって乗降性にも配慮されている。

内装:長距離移動の快適性を高めた2シーター

内装は運転席からの前方視界や操作系の配置を重視し、マクラーレンらしくドライバー中心にレイアウトされている。長距離走行時の快適性とスポーツ走行における身体保持を両立するよう設計されたシートには、電動調整機構やヒーターも備える。

ソフトグレインレザーや、表面に細かな凹凸模様を刻むローレット加工を施したアルミニウムなど、質感と軽量性を両立する素材が採用された。また、セミアニリンレザーやアルカンターラのほか、柔らかな手触りのカシミア製トリムもオプションとして用意された。

マクラーレン GTのサイズ

マクラーレン GTのサイズは、一般的な乗用車と比べて幅が広く全高は低い。その一方で、前後2カ所に荷室を備え、2人での旅行にも対応できる積載性を確保している。

ボディサイズ:幅2m超のワイドボディ

マクラーレン GTのボディサイズは、全長4683mm、車幅2045mm(ドアミラー格納時)、全高1213mm(リフト時1234mm)、ホイールベース2675mmとなる。全幅が2mを超えるため、日本の一般的な機械式駐車場には収まらない場合がある。最低地上高は通常約110mm、リフト時は約130mmで、フロントのアプローチアングルは通常10度、リフト時13度とされており、出入口の段差や傾斜にも注意する必要がある。

室内スペース:前後合計570Lの荷室容量

乗車定員は2人で後席は設けられていない。キャビン後方のガラス製テールゲート下に420L、フロントに150Lの収納スペースを備え、荷室容量は合計570Lに達する。後部荷室にゴルフバッグ、または185cmのスキー板2組とブーツを収納できる。

リヤの荷室はエンジンの上に位置するが、エンジン搭載位置を低く設計するとともに排気系の配置を工夫することで収納空間を確保した。遮熱・遮音材の使用で、パワートレインからの熱や騒音が荷室に伝わりにくいよう配慮されている。

マクラーレン GTの走行性能・燃費性能

マクラーレン GTは620PSを発生するV8ツインターボエンジンと軽量な車体により、スーパーカーにふさわしい走行性能を実現している。

走行性能:0-100km/h加速3.2秒

4.0リッターV8ツインターボ「M840TE」エンジンは、最高出力456kW (620PS) 、最大トルク630Nmを発生。7速SSG(シームレス シフト ギヤボックス)を介して後輪を駆動し、0-100km/h加速は3.2秒、0-200km/h加速は9.0秒、最高速度は326km/hに達する。

アルミニウム製ダブルウイッシュボーン式サスペンションには「プロアクティブダンピングコントロール」を採用。センサーから得た情報をもとに路面や車両の動きを分析し、ダンパーの特性をリアルタイムで調整する。コンフォート、スポーツ、トラックの各モードが用意され、コンフォートでは乗員の快適性を重視し、トラックでは車体の動きをより厳密に制御する設定となる。

燃費性能:WLTP複合で約8.4km/L

欧州WLTP複合モードの燃料消費量は11.9L/100km(約8.4km/L)となっている。マクラーレン GTはハイブリッドシステムを搭載しておらず、電動アシストによる出力の補完や燃費改善は行っていない。エンジンのみで後輪を駆動する純粋な内燃機関モデルであり、燃費よりも軽量性や応答性、動力性能を重視している。

マクラーレン GTの購入価格・維持費

日本での発売時、マクラーレン GTの価格は約2600万円に設定された。
日本での発売時、マクラーレン GTの価格は約2600万円に設定された。

マクラーレン GTの購入価格は、装着されたオプションによって大きく変わる。維持費では税金のほか、保険、燃料、点検・整備、タイヤやブレーキなどの費用も考慮する必要がある。

購入価格:日本での発売時価格は2645万円

日本で2019年に発表された際の車両価格は2645万円(税込)に設定されていた。実際の販売価格は、ボディカラーや内装の仕様、オプションによって異なる。MSO(マクラーレン スペシャル オペレーションズ)による特別なカラーや素材が選択された車両はさらに高価となる。GTは後継のGTSへ移行しているため、現在は中古車から選ぶことになる。

維持費:税金に加えて消耗品費用も要確認

マクラーレン GTはフロント225/35R20、リヤ295/30R21と前後でサイズが異なる大径タイヤを履く。さらに高性能ブレーキなどの交換費用も高額になる可能性がある。購入前には、個体ごとの整備履歴、タイヤやブレーキの状態、今後必要となる作業について、正規ディーラーや専門知識を持つ販売店に確認することが重要である。以下はグランドツアラーらしく、年間5000km走行を想定した概算である。整備を依頼する店舗、保険条件、燃料価格、タイヤの交換時期などによって、実際の費用は大きく異なる。

区分項目年間費用(円)備考
税金・保険自動車税6万5500排気量3994cc
重量税1万64002年分3万2800円
自賠責88252年分1万7650円
任意保険車両保険に加入するか等の条件によって大きく異なる
メンテナンスオイル20万
タイヤ10万4年で交換と想定
消耗品随時ブレーキパッドやフルード等の交換・整備費用
日常費用燃料10万年間5000km走行の場合
駐車場条件によって異なる
合計約50万〜注)税金・自賠責保険料以外はすべて概算

マクラーレン GTのモデル解説

マクラーレン GTは基本的に単一モデルで展開されたが、内外装や装備はオプションなどによって異なる。ここでは主な特徴と後継車との関係を整理する。

マクラーレン GT

2019年に登場したマクラーレン GTは、カーボンファイバー製モノコック「MonoCell II-T」(Tは「ツーリング」を意味する)と4.0リッター V8ツインターボエンジンを組み合わせた、2シーターのミッドシップGTである。最高出力456kW (620PS)、最大トルク630Nmを発生し、0-100km/h加速3.2秒、最高速度326km/hというスーパーカーとしての性能をもつ。同時に、前後合計570Lの荷室、GT専用シート、長距離走行を考慮したサスペンション設定などを採用し、快適性や利便性を高いレベルでバランスさせている。内装にはソフトレザーやアルミニウムなどの軽量かつ上質な素材が採用された。MSOによるボディカラーやカーボンパーツなど、幅広い選択肢も用意された。

2023年12月に発表された後継車GTSは、GTのモノコックやエンジン、570Lの荷室などを継承しながら、最高出力を467kW(635PS)へ高めるとともに車両重量を1530kgから1520kgへ軽量化。0-200km/h加速が9.0秒から8.9秒に短縮されている。前後のデザインや内装仕様も更新され、車両リフトの作動時間も短縮されている。

発表2019年
全長/全幅/全高/ホイールベース4683/2045/1213 (リフト時1234)/2675mm
パワートレイン4.0リッターV8ツインターボ
総排気量3994cc
最高出力456kW (620PS) /7500rpm
最大トルク630Nm /5500~6500rpm
駆動方式7速SSG(シームレス シフト ギヤボックス)、RWD
車両重量1530kg(DIN)
0→100km/h加速3.2秒
最高速度326km/h

マクラーレン GTの新車・中古車価格

マクラーレン GTはすでに新車販売を終えており、現在の購入対象は主に中古車である。価格は車両の状態やオプションによって大きく異なる。特にMSO仕様や希少なオプションを備えた車両、走行距離の少ない車両では高値になる場合がある。また、価格だけでなく保証や整備履歴も比較する必要がある。

 新車価格中古車価格
マクラーレン GT2645万円~約1500万~3300万円

マクラーレン GTについて多い質問

以下では、マクラーレン GTについて多い質問・疑問に回答する。

マクラーレン GTのライバルは?

マクラーレン GTのライバルとしては「フェラーリ ローマ」「アストンマーティン DB11」「ベントレー コンチネンタルGT」「ポルシェ 911ターボ」などが比較対象に挙げられる。いずれも高い走行性能と長距離移動への適性を備えるが、その方向性は異なる。

DB11やコンチネンタル GTは、フロントにエンジンを搭載した2+2シーターまたは4シーターで、後席を備え、内装の豪華さや快適性を重視したモデルである。ローマや911ターボも小型の後席を持ち、日常での使いやすさに配慮している。

これに対してマクラーレン GTは、2人乗りのミッドシップレイアウトとカーボンファイバー製モノコックを採用し、車両重量を1530kgに抑えている。後席はないものの、前後合計570Lの荷室を確保しており、軽量性とスーパーカーらしい操縦性を維持しながら、長距離移動への対応力を高めている点が特徴である。

マクラーレン GTとGTSの違いは?

GTSは、2023年12月にGTの後継として発表されたモデルである。GTの主要コンポーネントなどを継承しながら、エンジンの最高出力を高めるとともに車両重量を軽減した。そのほか、フロントバンパーやリヤフェンダーのエアインテーク、内装の仕様などを変更している。

マクラーレン GTは日常使いできる?

マクラーレン GTは、乗り心地、荷室、前方視界など、日常使用や長距離移動も考慮して設計されている。メーカーのマクラーレンも、街中から郊外へドライブに出かける用途を想定した多用途性や、週末旅行に対応する荷室容量を訴求している。ただし、その実用性はあくまで2人乗りのミッドシップ・スーパーカーとして評価すべきものである。2mを超える車幅や低い最低地上高を考えると、狭い道路、駐車場、急な段差などでは注意が必要となる。

マクラーレン GTの購入方法

マクラーレン GTは後継のGTSへ移行しているため、現在は中古車を探すのが基本である。正規ディーラーの認定中古車「McLaren Qualified」では、メーカー基準に沿った車両検査、純正部品の使用、保証などが用意されている。一般の中古車販売店で購入する場合も、正規ディーラーでの点検・整備履歴、保証の有無、タイヤやブレーキの残量、車両リフトや電装品の作動、オプション内容等を確認したい。購入後の整備を依頼できる拠点と、点検や消耗品交換にかかる費用の見通しについても、契約前に整理しておくことが重要である。

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