連載

西川淳の自動車1Weekダイアリー

快挙である

國江仙嗣さんとグループCカー「童夢85C-Lトヨタ」
國江仙嗣(前列右)さんとグループCカー「童夢85C-Lトヨタ」

直前で断念せざるを得なかった、今夏のモントレー・カーウィーク。そんな時に限って、特大の朗報が現地よりもたらされた。カーウィークのハイライト、ペブルビーチのコンクール・デレガンスにおいて、初めて設けられた日本車クラスのクラスウィナーに、我らが國江仙嗣さん(ワールドヘリテージ財団)の所有するグループCカー「童夢85C-Lトヨタ」が選ばれたというのだ。75回の歴史を誇るコンクール、これまで日本車クラスはおろか、日本車がかの18番ホールに選考対象車として持ち込まれたこともなかったはず。かろうじて昨年、「マクラーレン ホンダF1」がクラスウィナー候補としてランウェイを通ったが、感慨深いものの、ピュアに日本車とは言えない。レーシングカー対象とはいえ今年初めて日本車のクラスができて、しかも、かつて日本人(林みのる氏)がデザインし、日本製(トヨタ)のエンジンを積み、日本のチーム(童夢とトムス)がル・マンに持ち込んだ由緒ある和製レースカーを、日本のいち個人(國江さん)が自ら熱望し、ペブルビーチに持ち込んだ。ラグナセカも走った。このマシンは國江さんのディレクションでレーシングコンディションにまで復元されており、過去にはル・マン・クラシックで優勝(関谷正徳さん、中嶋一貴さんのコンビ)も経験している。東南アジアで朽ちかけていた車体が見事に蘇っていたのだった。クルマにとっても、そして関係した全ての方々にとっても、なんとも幸せなことに、歴史的なクラス優勝になった。林さん、國江さん、あらためまして、おめでとうございます!

2026年9月第1週

2026年8月29日(土)曇り

マツダのクラシックが並ぶ素敵なガレージハウス
マツダのクラシックが並ぶ素敵なガレージハウス

都内を早朝に出発。相棒は今年ブランド85周年を迎えたジープの「ラングラー」だ。SUVなどと呼ぶことが失礼なくらい硬派で生粋のオフローダーである。走り出した瞬間からタイヤのゴツゴツを感じ、室内はうわんうわん煩く、ステアリングのセンターもあやふやだ。高速道路が延々と続くロングドライブにはさぞかし不向きかと思いきや、意外にも楽しく走れた。「アルファード」を見下ろす感覚が、ヒエラルキーフリーで痛快だ。午後早々に紀の川市に到着。気のおけないクルマ仲間とマツダのクラシックが並ぶ素敵なガレージハウスでバーベキューを楽しみ、13時頃から19時頃までクルマ話で盛り上がった。和歌山泊。

2026年8月30日(日)晴れ

ブランド85周年を迎えたジープの「ラングラー」
ブランド85周年を迎えたジープの「ラングラー」

もう一件、和歌山の友人を訪ねる予定が急用にてキャンセル。せっかくなのでまだ訪れたことのなかったお社(丹生酒殿神社)へお参りに。偶然立ち寄った宝来山神社も素晴らしかった。この辺りは地名を見るだけでもワクワクする。これからも訪ねる機会が増えそう。そのまま河内長野を北上し京都へ。

2026年8月31日(月)晴れ

新型「日産エルグランド」
新型「日産エルグランド」

早朝、ラングラーで東京へ向け出発。途中、御殿場にて日産の新型「エルグランド」試乗会に参加。運転することが億劫にならないミニバンって初めてかも。狭い峠まで走ってしまった! 終了後、都心へ。ジープを返却したその足で羽田空港。伊丹便に飛び乗って自宅へ。

2026年9月1日(火)晴れ

地方の里の助さんと。
地方の里の助さんと。

午前中は原稿執筆と、午後からの講演会準備。縁あって京都中央ロータリークラブさんの卓話を引き受けた。テーマは「イタリアの名門にみるラグジュアリービジネスの真髄」。クルマ好きがけっこういらっしゃったので心強かった。夕方、この週で仕舞いとなる上七軒演舞場のビアガーデンへ。10年ぶりに地方(じかた)の里の助さん(大ファン)と2ショット。夜行バスで東京へ。車中泊、堪える。

2026年9月2日(水)曇り

「レクサス RZ350」で「ポルシェ 911」を試乗しに箱根へ。
「レクサス RZ350」で「ポルシェ 911」を試乗しに箱根へ。

朝6時に八重洲に着いた。眠れたような、眠れなかったような。還暦にはもう長距離バス移動は辛いか。独立3列シートで、広さ的には飛行機のプレエコくらいはあったから、いけると思ったけどな〜。ひょっとするともう二度と乗らない、って思うと、それはそれでまたちょっと寂しい。夜行の移動はいつだってワクワクするから。7時に某編集部スタッフから「レクサス RZ350」を受け取り、某誌のロケ現場(台場)へ。「マツダ CX-5」をネタにランチを兼ねた鼎談ののち、箱根へ走る。午後から『GENROQ』(2026年11月号)の取材で「ポルシェ 911」の一気乗り。6種類の911で箱根ターンパイクを7往復した。同じモデルでターンパイク連続7往復は人生初だ。終了後、RZで都内へ走り、返却。電車で羽田へ。ラウンジでシャワー。深夜JAL便(またしても夜行だ!)でロンドンへ。機内泊、連続は辛いナァ。

2026年9月3日(木)曇り

「レンジローバーロング」。左ハンドル。
「レンジローバーロング」。左ハンドル。

6時にヒースロー着陸。7時に「レンジローバー」のお迎え。JLRの本社があるゲイドンへ。着替えて秘密のプレゼンテーションに出席。「ジャガー タイプ01」の市販バージョンに触れる。詳細は10月初旬、ニューヨークにて発表だ。1日中、プロダクトやパワートレイン、シャシー、デザインなどの話を聞く。なかでも日本人デザイナー井上慧介さんの話が興味深かった。彼の担当はエクステリアカラー。日産やロータスで経験を積まれている。ホテルへの送迎はなんと左ハンドルの「レンジローバーロング」だった。夜はバーミンガムで最も人気のステーキレストラン「パストゥーレ」でTボーンステーキ。焼き加減も絶妙で、旨い。バーミンガム泊。

バーミンガムのステーキレストラン「パストゥーレ」にて。
バーミンガムのステーキレストラン「パストゥーレ」にて。

2026年9月4日(金)機中

BA便でアイアンメイデンのドキュメンタリーを観て泣く。
BA便でアイアンメイデンのドキュメンタリーを観て泣く。

バーミンガムを朝5時に出て、7時にヒースロー空港着。つまり滞在時間はちょうど24時間。これでも滞在時間ベースでは最短ではない、のだから、我ながら因果な仕事ではある。せっかく行ったのにもったいない、とよく言われるけれど、こっちの気分はまるで逆。できるだけ早く日本へ帰りたいのだ。昔はそんなことなかった。せっかくだから、と数日居残っては別の取材を入れたり、観光を楽しんだりしたものだった。それだけ歳をとったということだろうか。帰りはBA便だったが、機内ビデオでアイアンメイデンのドキュメンタリーを観て泣く。原稿も睡眠も捗らず、機中泊。

2026 8/29〜2026 9/4

走行距離 約1400km 試乗車数 10台

2025 11/1〜2026 9/4累計

走行距離 約4万9700km 試乗車台数 202台

目黒通りのコレツィオーネにて。

「政冷経熱」たとえトランプがアンポンタンでも関係ない世界で【西川淳の自動車1WeekダイアリーVol.42】

スーパーカー界の重鎮、モータージャーナリスト西川淳。この連載は、昨年還暦を迎えた氏が、日々どんなクルマに乗って、何を感じたのか徒然なるままに語るものである。果たして今週はどこで何をして過ごしたのか?

連載 西川淳の自動車1Weekダイアリー

「レクサス RZ350」で「ポルシェ 911」を試乗しに箱根へ。
by ゲンロクWeb
業界人コラム 55分前

箱根で『GENROQ』の「ポルシェ 911」6台痛快取材【西川淳の自動車1WeekダイアリーVol.43】

目黒通りのコレツィオーネにて。
by ゲンロクWeb
業界人コラム 2026.09.05

「政冷経熱」たとえトランプがアンポンタンでも関係ない世界で【西川淳の自動車1WeekダイアリーVol.42】

BMW 330e
by ゲンロクWeb
業界人コラム 2026.08.22

エンジン車の“アシが延びる”感覚でクルマ好き再認識【西川淳の自動車1WeekダイアリーVol.40】