自家発電で計量機を動かす住民拠点SS

大規模な災害が起きると停電によって多くのガソリンスタンドが営業を続けられなくなり、地域の燃料供給が滞る事態が起こりうる。
こうした状況が過去の災害でも繰り返し確認されてきたことから、停電時でも燃料供給を維持できる体制づくりが求められてきた。

そこで知っておきたいのが、経済産業省資源エネルギー庁が全国で指定を進める「住民拠点サービスステーション(住民拠点SS)」というしくみである。
住民拠点SSとは自家発電設備を備えたガソリンスタンドのことであり、地域で大規模な停電が発生した場合であっても非常用電源によって計量機を作動させ、給油を継続できるという特徴を持つ。
一般車両はもちろん、消防や自治体の緊急車両への燃料供給にも対応できる点が大きな役割だ。

経済産業省資源エネルギー庁によれば、2026年3月31日時点で全国約3万箇所のガソリンスタンドのうち、1万4215箇所が住民拠点SSに指定されているという。
実際に過去の災害でもその効果は確認されており、2018年7月の西日本豪雨では愛媛県西予市で自家発電設備による給油が継続されたほか、同年9月の北海道胆振東部地震では北海道札幌市で最長300〜400メートルにおよぶ車列ができるほど利用が集中した。
また、2019年9月に発生した台風第15号でも、千葉県鴨川市で自家発電設備を配電盤に接続して運用された事例が報告されている。
事前確認と満タン給油を!災害に備えて今できる行動とは?

では、いざというときに住民拠点SSをどう活用すればよいのだろうか。
まず知っておきたいのが、住民拠点SSは全国の主要幹線道路沿いや避難所周辺を中心に指定が進められているという点だ。
そのため、店頭に掲示されている識別ステッカーのほか、経済産業省資源エネルギー庁が公開している全国リストを活用し、自宅や職場、通勤経路の近くにどの住民拠点SSがあるかを事前に把握しておくことが望ましい。
ただし、住民拠点SSであっても設備の損壊やSS自体の停電以外の事由により給油ができない場合がある点には注意が必要だ。

くわえて、災害発生直後は住民拠点SSに利用が集中し、混雑や在庫の上限といった問題が生じることも想定されるため、災害が起きてから給油に向かうのではなく、日頃からの備えが重要になる。
具体的には、燃料メーターが半分になった時点で満タン給油をおこなう「満タン&灯油プラス1缶運動」を意識することが推奨されており、この運動を習慣づけておけば災害発生時に燃料を求めて長時間並ぶ事態を避けやすくなるだろう。
停電時でも燃料供給を支える住民拠点SSの場所を事前に確認し、日頃からの満タン給油を習慣づけることで、災害時にも落ち着いて行動できるよう備えておこう。
