CLS55 /CLS63(C219)
コンセプトカーそのままの姿で

21世紀に入り、ますます自社のラインナップの拡充を目指したメルセデス・ベンツは、2004年のパリ・ショーで「美しく魅惑的であることを追求した」とする新ジャンルの4シータークーペ「CLS」を発表する。そのルーツとなったのは2003年のフランクフルト・ショーで公開されたコンセプトカー「Vision CLS」で、生産型はほぼそのままの姿で市販されることとなった。
CLSのプラットフォームや基本のコンポーネンツはW211型Eクラスと共通で、2854mmのホイールベースも同一。しかしながら全長4913mm、全幅1873mm、全高1390mmとひと回り大きく、かつ低くなっている。またインテリアも本革とウッドを贅沢に使った豪華なもので、リヤシートもセンターコンソールで左右を分割した完全4シーター仕様となっていた。
メルセデス・ベンツは、まず2004年のパリ・ショーでAMGバージョンとなる「CLS55 AMG」を発表。エンジンは「E55 AMG」と同じ5.4リッターV8SOHCスーパーチャージャーM113E55型で、スペックも最高出力476PS/6100rpm、最大トルク700Nm/2650〜4500rpmと同じものだったが、クーペボディの空力特性の良さからか0-100km/h加速は4.2秒と、E55 AMGを0.1秒上回っていた。そこに組み合わされるトランスミッションもE55 AMGと同様、最新の7Gトロニックではなく、より容量が大きいスピードシフト5速ATがセレクトされた。
高級時計メーカーとのコラボレーションモデルも

そもそもCLSのサスペンション自体はEクラスよりも固められていたが、CLS55 AMGでは複数の走行モードを備え、さらに固められたエアマティックサスペンションを装備。ブレーキも「SL55 AMG」譲りの8ポットキャリパーを備えた360mm径の大型フロントディスクブレーキが奢られたほか、幅広の18インチアルミホイール、AMG専用のエアロパーツなどが装着された。
そして2006年、スイスの高級時計メーカーIWCシャフハウゼンとのコラボレーションモデルとして「CLS 55 AMG IWCエディション」が165台限定で発売される。これはCLS 55 AMG の外装をIWC「インヂュニア」のチタン素材を思わせる専用ボディカラーであるダークチタニウムグレーメタリックで塗装。さらにフロントグリルのフィン、フォグランプのリング、アルミホイールに専用のマットチタニウム・コーティングが施されているほか、インテリアもチタニウムカラーのナッパーレザーでコーディネート。加えてオーナーにはIWCのクロノグラフ「IWC INGENIEUR AUTOMATIC CLS 55」も付属することとなっていた。
名機6.2リッターV8 DOHCを初搭載

このCLS 55 AMG IWCエディションをもってCLS55 AMGの生産は終了となるが、それに代わるモデルとして「CLS 63 AMG」が2006年に登場する。その最大の特徴は、メルセデスAMGが初めて独自開発を行い、「E63」や「ML63」などに順次採用していった6.2リッターV8 DOHC M156 E63型ユニットを搭載したことであった。最高出力は514PS/6800rpm、最大トルクは630Nm/5200rpmとW211型E63 AMGと同値で、0-100km/h加速もE63 AMGと肩を並べる4.5秒を記録している。
そこに組み合わせるトランスミッションもAMGスピードシフトプラス7Gトロニックを採用。コンフォート、スポーツ、マニュアルと3つのモードを備えたこの7速ATは、スポーツモードの変速スピードがコンフォートモードより約30%、マニュアルモードより50%速くなっていた。
2008年にはCLS 63 AMGにマイナーチェンジが施され、フロントグリルのルーバーが4本から2本に変わったほか、新デザインの19インチ・トリプルスポークアルミホイールを採用。インテリアでも新しいデザインのホワイトメーター、フラットボトムデザインの3スポークステアリングなどを採用。さらにAMGスピードシフトプラス7Gトロニックには、シフトダウン時のブリッピング機能が追加された。

