SLK55(R171)
「マクラーレンSLR」風となったボディ

「ユーノス ロードスター」キラーのひとつとして1996年に登場した電動メタルルーフ「バリオルーフ」を持つコンパクトな2シーター「メルセデス・ベンツ SLK」は世界で30万台を販売するスマッシュヒットを飾った。その一方で、市場には多くのライバルが出現。そこでメルセデス・ベンツは2004年に2代目となるR171型へのフルモデルチェンジを敢行する。
R171ではR170と比べて、ホイールベースを30mm延長。全長が72mm、全幅が65mm拡大されたうえ、高強度鋼の使用量が40%増加したことで、捻り剛性が46%、静的曲げ強度も19%増加している。「マクラーレンSLR」風となったボディワークはアルミとプラスティックで構成され、車両重量は1540kg(SLK55 AMG)。Cd値は0.32で、オープントップ時のエアフロー、ドラッグの低減も十分に考慮されたデザインが採用された。またSLKの特徴であるバリオルーフもアップデートされ、開閉時間は先代に比べて3秒速い22秒となっている。
「E55」などと同じ大排気量V8を搭載

デビュー当初からSLKのフラッグシップとして用意された「SLK55 AMG」には、「C55」や「E55」などと同じ5.4リッターV8 DOHCのM113E55ユニットを搭載。その最大出力は360PS、最大トルクは510Nmで、7速ATのAMGスピードシフト7Gトロニックを介して0-100km/h加速4.9秒、最高速度250km/hというパフォーマンスを誇った。
そのほかの改良点としては、スリット入りの大径ベンチレーテッド・ディスクとフロントに6ピストンキャリパー、リヤに4ピストンキャリパーを装着。サスペンションはスプリング、ショックアブソーバー、スタビライザーを強化したうえで車高をローダウン。タイヤサイズはフロント225/40ZR18、リヤ245/35ZR18で、18インチのAMG専用ホイールが装着されている。
またエンジンにはオイルクーラーが追加されているほか、4本出しの専用マフラーを装着。ボディもフロントに大きなインテークの備わる専用のエアロキットで武装されている。
日本には正規輸入されなかったブラックシリーズ

そして2006年には、SLK55 AMGの特別仕様として、AMGに設立されたスペシャリティーカー専用の工房である「パフォーマンススタジオ」で入念に組み立てられた世界限定120台の「SLK 55 AMG ブラックシリーズ」が登場した。これは2004年のF1イギリスGPから採用されたSLK55 AMGセーフティカーでのチューニングや現場での経験、改良を反映させたもので、エンジンに関しては、排気量は同じながら最高出力が400PS、最大トルクが520Nmへと向上。
ボディには、よりエアインテークが大きくなった新デザインのフロントバンパー、CFRP製サイドエアアウトレット、ワイドフロントフェンダー、非格納式のCFRPハードトップなどが装着された。それにあわせてタイヤもフロント235/35ZR19、リヤ265/30ZR19のピレリPゼロ・ネロに変更され、19インチのAMG特製軽量アロイホイールが組み合わされている。
そのほか専用のKW製コイルオーバー・サスペンション、AMGスポーツバケットシート、カーボンファイバー製ドアトリムなどを装着。これらの改良により、車重もSLK55 AMGより45kgも軽い1495kgとなり、パフォーマンスも0-100km/h加速4.5秒、最高速度280km/hへと向上した。
残念ながらSLK 55 AMGブラックシリーズは日本には正規輸入されなかったが、その代わりF1セーフィティーカーでの変更点を反映したパフォーマンスパッケージが受注生産という形で行われた。
2008年にマイナーチェンジを敢行

さらに2008年のマイナーチェンジでは、フロントバンパーなどボディの意匠の変更や、装備の充実を実施。SLK55 AMGでは、ブレーキが強化されたほか、AMGスピードシフト7Gトロニックの変速スピードが10%速くなるよう、改良が施され、2011年まで生産されている。

