SL55
SL65
ひとまわり大きくなったボディ

大成功を収めたR129型「SL」。その後継となるR230型の開発は1996年からスタートした。デザインの策定にあたり、メルセデス・ベンツではデザイン部門の責任者であるピーター・ファイファーのもと、CAVEと呼ばれるスーパーコンピュータを用いて最終的なスタイリングが決定された。
Cd値0.29を記録する曲面を多用したR230型の特徴のひとつが、「SLK」に続いて採用された電動メタルルーフの「バリオルーフ」で、15秒という開閉時間は当時の世界新記録とされた。
ひとまわり大きくなったボディはホイールベースを45mm延長。サスペンションはフロントを4リンクと呼ぶダブルウイッシュボーン、リヤをマルチリンクとし、「CL」や「Sクラス」に採用されていたABC(アクティブ・ボディ・コントロール)と呼ばれるアクティブサスペンションシステムを搭載。さらに4輪独立ブレーキシステムのセンソトロニックSBC(ブレーキバイワイヤー)と、ESPが装備されているのも特徴といえる。
5.0リッターV8 SOHCスーパーチャージャーを搭載

2002年には満を持して「SL55 AMG」が登場。エンジンは「SL500」の5.0リッターV8 SOHCをベースにストロークを延長することで排気量を5.5リッターに拡大してスーパーチャージャーとインタークーラーを装着したM113K型ユニットを搭載。その最大出力はSL500に比べて194PSアップの500PS、最大トルクも240Nmアップの700Nmを発生した。また電子制御式5速AT、5Gトロニックには、ステアリングコラム脇のセレクターでマニュアル操作が可能なAMGステアリングシフトが装備されていた。
サスペンション形式は変わらないが、ABCが専用にセットアップされたうえで、大パワーに対応するためにリヤアクスルを強化。あわせて大径ブレーキディスクと大型ブレーキキャリパーをするなど制動力の強化も図られていた。
もちろんボディにも専用デザインのフロントスポイラー、サイドスカート、リヤスカート、を装着。ホイールも専用デザインのマルチスポークアルミホイールが奢られた。
一方インテリアにも専用デザインの本革スポーツシート、本革スポーツステアリングを装着。さらにセンターコンソールやドアに、アルミニウムパネルが貼られているのも特徴であった。
F1セーフティカーとしても活躍

SL55は、他のAMGモデルの慣例に倣い、2001年から2002年シーズンのF1セーフティカーとしても使用。2003年にはそこでのノウハウを投入し、F1セーフティカーをモチーフにした専用エアロパッケージ、専用デザインの軽量アルミホイール、大径ブレーキシステム、強化サスペンションとエキゾーストシステムを装備した「SL55 F1エディション」も限定販売されている。
そして2004年には、「SL600」の5.5リッターV12SOHCツインターボをベースに排気量を6.0リッターへと拡大し、最高出力612PS、最大トルク1000Nmを発生するM275AMGユニットを搭載した「SL65 AMG」を発表。専用デザインのフロントスポイラー、19インチアルミホイールを装着するほか、大パワーにあわせてシャシー、サスペンションも強化されている。
さらに19インチホイールなどSL65と同じエクステリアを備え、大型のオイルクーラー、強化サスペンションなど中身にも改良を加えたパフォーマンスパッケージをSL55に追加。これらの改良にもF1セーフティカーでの経験がフィードバックされていた。
その後R230型SLは、2006年にエクステリアやエンジンのマイナーチェンジを実施。その際、SL55 AMG、SL55 AMGパフォーマンスパッケージの5.5リッターV8スーパーチャージャーの最高出力が、17PS上乗せされた517PSとなっている。

