Mercedes-Benz GLC
GLCはメルセデスSUVの中核モデル

「メルセデス・ベンツ GLC」は、左ハンドルのみだった「GLKクラス」の後継モデルで、初代は2016年、2代目の現行型は2023年3月に発表された。初代はCクラス相当のSUVであることをアピールし、メルセデスSUVの販売を牽引してきた。SUVタイプのGLCに加え、クロスオーバーSUV(クーペSUV)の「GLCクーペ」も設定している。

48Vマイルドハイブリッドの2.0リッターディーゼルが主力

現行GLCは、2.0リッター直列4気筒ディーゼルとISG(Integrated Starter Generator)を搭載するマイルドハイブリッドと9速ATの組み合わせが主力だ。2023年11月には、2.0リッター直列4気筒ガソリンターボにモーターを組み合わせるプラグインハイブリッドの「GLC 350 e 4MATIC Sports Edition Star」を追加している。

2024年2月に「メルセデス AMG GLC 43 4MATIC(BSG搭載モデル)」、「メルセデス AMG GLC 63 S E PERFORMANCE」というスポーツモデルを追加。同年3月にはGLCクーペにもこの「43」と「63」のスポーツモデルを加えた。さらに2024年4月にGLCクーペにもプラグインハイブリッドを設定している。
新エントリーグレードの「Core」を2.0リッターディーゼルに追加

2025年3月には、新エントリーグレードの「GLC 220 d 4MATIC Core(ISG)」、「GLC 220 d 4MATIC Coupé Core(ISG)」をカタログに加えている。
パワートレインの主力は、2.0リッターディーゼル(ISG)でグレードは「220 d 4MATIC」となる。その場合、現在のラインナップでは、後から追加された新エントリーグレードの「Core(コア)」か「Sports」かで迷う方が最も多そうだ。

2026年3月30日付けのCoreは829万円、Sportsは920万円という値付けで、その価格差は91万円ある。Sportsには、52万6000円の「ドライバーズパッケージ」がオプション設定されていて、後述する足まわりの性能アップに寄与する。
先進安全装備は同一だが、足まわりに差がある

レーダーセーフティパッケージや360°カメラシステムからなる先進安全装備は両グレードともに同一だ。なお、GLCは全グレードに先進安全装備を標準化しているが、「AMG 43」と「AMG 63」は、アクティブボンネットのみ未設定となっている。
足まわりではCoreがコイルサスのAGILITY CONTROLサスペンションが標準で、Sportsのドライバーズパッケージには、エアサスのAIR MATICサスペンションを標準化する。Sportsのドライバーズパッケージ非装着車はCoreと同様のコイルサスになる。他にもSportsは「20インチAMGアルミホイール」なのに対し、Coreは18インチアルミを履く点が異なる。

さらにSportsのドライバーズパッケージは、後輪操舵システムのリヤアクスルステアリングが標準になる。最小回転半径が5.5mから5.1mと大幅に小さくなり、小回り性能が向上。約60km/hまではフロントタイヤと逆位相になり、明らかに小回りが利く。約60km/hを超えるとフロントタイヤと同方向の同位相になり、高速安定性の高まりを感じられる。

現行GLCは、全長4725×全幅1890×全高1640mmという堂々たるサイズで、とくに1.9mに迫る全幅は狭い道でのすれ違いには気を使う。しかし、「リヤアクスルステアリング」のあり、なしでは、とくに低速域での取り回しではその差を実感できるため、取り回し性も重視するならSportsのドライバーズパッケージをチョイスしたいところだ。
内外装の見た目と質感に差がある

CoreとSportsでは、内外装の見た目の違いも大きい。Sportsは、AMGラインエクステリアとAMGラインインテリアが標準になり、Coreはオプション扱いになる。
インテリアではSportsにスポーツシートを標準化し、Coreはコンフォートシートになる(スポーツシートはAMGラインパッケージに含まれる)。シート地はSportsが本革、Coreは合皮のレザーARTICOシートが標準。シートヒーターはCoreが前席のみ標準になるのに対して、Sportsでは後席左右席も標準化されている。なお、シートベンチレーションとステアリングヒーターはCoreは未設定で、SportsはAMGレザーエクスクルーシブとして用意されている。

そのほか、Coreはヘッドアップディスプレイ、アドバンスドサウンドシステム、Burmester3Dサラウンドシステムが未設定。Sportsに標準のスポーティエンジンサウンドもCoreはAMGラインパッケージとしてオプション設定している。
内装のクオリティも「アンスラサイトウッドトリムインテリア」や「本革巻スポーツステアリング(ナッパレザー)」になるSportsの方がより高く、Coreももちろん本革巻ステアリングにはなるが、「シルバーグレーダイヤモンドインテリアトリム」を装備する。
「Core」のボディカラー設定は3色のみ

ボディカラーではCoreが標準の「ポーラーホワイト(ソリッド)」、オプションの「オブシディアンブラック(メタリック)」、オプションの「ハイテックシルバー(メタリック)」の3色に限定されている。なおSportsは7色から選択可能だ。
パッケージオプション(オプション単体をのぞく)では、Coreは77万5000円のAMGラインパッケージのみ。Sportsは87万円の「AMGレザーエクスクルーシブパッケージ」、先述した52万6000円の「ドライバーズパッケージ」が用意されている。

取り回し性や内外装の豪華さなども重視するのならSportsを選ぶべきだが、同じ2.0リッターディーゼル(ISG)と4WDの組み合わせにもかかわらず、約90万円も安いCoreでも先進安全装備は同一だから魅力的に映る場合も多そうだ。

