CL63/CL65 (C216)
当時激戦区となった高級クーペ市場へ

2006年、メルセデス・ベンツはW221型「Sクラス」の2ドアクーペ版にあたるC216型「CLクラス」を発表する。その基本コンポーネンツはSクラスと同一だが、ホイールベースを2955mmへと短縮。にもかかわらず、全長5065mm、全幅1872mm、全高1417mmとボディサイズ自体は4ドアとほとんど変わらない立派なものとなっている。
ゴードン・ワグナー、ピーター・ファイファーらによってデザインされたボディは先代C215型CLクラスのCピラー処理などを受け継いだ、Bピラーレスデザインを採用。「ベントレー コンチネンタルGT」「アストンマーティン DB9」といったイギリス勢の台頭著しい高級クーペ市場に打って出ることになった。
そのAMGバージョンはSクラスと同様、デビュー直後の2006年から「CL63 AMG」と「CL65 AMG」の2種類をラインナップしている。まずCL63 AMGは「E63 AMG」「S63 AMG」と同じ6.2リッターV8DOHC M156型ユニットを搭載。最高出力525PS、最大トルク630NmというスペックもS63と同じで、トランスミッションも7Gトロニックが搭載された。
ボディには大型エアインテーク付きフロントバンパー、クロームリング付き円形フォグランプ、AMGサイドスカート、AMGリヤエプロンなど専用のエアロパーツを装着。タイヤサイズはフロント255/40ZR19、リヤ275/40ZR19でAMG製5スポーク19インチ軽量アロイホイールを装着している。
S63/S65同様にABCを装備

続いて「CL65 AMG」にも「S65 AMG」同様のオールアルミ製6.0リッターV12DOHCツインターボをベースとしたM275AMGユニットを搭載。ターボの過給圧を1.52barへと高めることで最高出力612PS、最大トルク1000Nmというスペックも同様である。もちろんトランスミッションは大トルクに対応したスピードシフト5速トルコンATが奢られている。
CL63と同様のエアロパーツで武装されたボディには、フロント390mm、リヤ376mm径のクロスドリル加工されたベンチレーテッドディスクブレーキをはじめ、フロント255/35ZR20、リヤ275/35ZR20サイズのタイヤ、鍛造20インチAMGツインスポークホイール(フロント8.5インチ、リヤ9.5インチ)、専用AMGスプリングストラット、改良されたESPスタビリティコントロール、ASRトラクションコントロールなどを備えているほか、S63/S65同様、CL63/CL65ともにハイドロニューマチックボディコントロール(ABC)が装備されている。
また2006年には専用のボディペイント、AMG2バーフロントグリル、大型アンダーバンパーエアインテーク、2トーンナッパーレザーシートなどAMGパフォーマンススタジオのスペシャリストが手がけたAMG40周年記念車を世界限定40台で販売している。
AMGパフォーマンスパッケージは最高出力571PSに

2010年モデルでマイナーチェンジが敢行され、様々な運転支援システム、安全装備を充実させた後期型へと進化。それにあわせてCL63 AMGには、S63 AMGと同じ新しいM157型5.5リッターV8DOHCツインターボを搭載。最高出力は544PS、最大トルクは800Nmへと大幅にアップした一方で、燃費やCO2排出量は、前期型よりも大きく改善された。加えてトランスミッションも容量の大きなスピードシフトMCT 7速セミATに代わっている。
さらにオプションとして用意されるAMGパフォーマンスパッケージは、ターボブーストを1.0barから1.3barへアップすることで最高出力571PS、最大トルク900Nmを発生する5.5リッターV8ツインターボ、フロント235/35R20、リヤ275/35R20サイズのタイヤ、AMGダブルスポーク鍛造ホイール、AMGエクステリアカーボンパッケージなどを装着していた。
CL65 AMGは6.0リッターV12DOHCツインターボを搭載

一方のCL65 AMGは、最高出力を630PSにアップした6.0リッターV12DOHCツインターボM275AMGユニットを搭載。回生ブレーキや改良されたピストンリング、オイルポンプ、触媒コンバーターなどの装着により、燃費の向上およびCO2排出量の削減を達成している。ちなみにCL65 AMGにもAMGパフォーマンスパッケージが用意されているが、エンジンスペックなどに変更はなく、AMGダブルスポーク鍛造ホイール、AMGエクステリアカーボンパッケージなどのコスメチューンにとどめられている。

