連載

今日は何の日?

■7年ぶりに登場した2代目シルビア

1975年9月3日に発表された日産2代目「シルビア」

1975年(昭和50)年9月3日、日産自動車はスペシャリティカー「シルビア」の2代目を同年10月1日から発売すると発表した。2代目シルビアは、1950年排ガス規制に適合するとともに、人気のトヨタ「セリカ」に対抗するスタイリッシュなスペシャリティカーとしてデビューした。

美しいスタイリングを持つ高級クーペの初代シルビア(CSP311型)

1965年4月にデビューした日産初代CSP311型「シルビア」。クリスプカットと呼ばれた流麗なボディが評判に

1965年4月に登場した初代シルビアは、日産が放った初の高級クーペであり、最大の魅力は“走る宝石”の異名を持ったその美しいスタイリングだった。基本デザインは「BMW507、503」などのデザインで名を馳せていたドイツ人デザイナーのゲルツに依頼した。

1965年4月にデビューした日産初代CSP311型「シルビア」。クリスプカットと呼ばれた流麗なボディが評判に
1965年4月にデビューした日産初代CSP311型「シルビア」。クリスプカットと呼ばれた流麗なボディが評判に

ボディ形状は、ロングノーズ・ショートデッキの2ドアノッチバッククーペで乗員2人という割り切った設計を貫いた。最先端の流体力学を取り入れ、鋭角的に削ぎ落したクリスプカットと称するボディラインは、当時の国産車にはない流麗な美しさを醸し出し、インテリアもソフトな発砲レザーを用いるなどして高級感が演出された。

1975年9月3日に発表された日産2代目「シルビア」のサイドビュー

またインテリアは、リクライニング式バケットシートやウッドステアリングが採用され、スポーティかつラグジュアリーなパーソナルカー仕立てだった。

日産初代CSP311型「シルビア」のコクピット

パワートレーンは、最高出力90ps/最大トルク13.5kgmを発揮する1.6L 直4 OHVエンジンと、ポルシェタイプのサーボシンクロ付4速ATの組み合わせ。駆動方式はFRで、最高速速度160km/h、0-400m加速17.9秒という優れた走りも持ち合わせていた。

1965年12月にパトカーとしても採用された日産初代「シルビア」

しかし、課題はボディの製造工程だった。その美しいボディを成形するためにハンドメイドの部分が多く、そのために価格は120万円、フラッグシップ「セドリック」の115万円よりも高額で、結果として販売数はわずか554台だった。ちなみに、当時の大卒初任給は2.3万円程度(現在は23万円)だったので、単純計算では現在の価値で約1200万円に相当する。

セリカの対抗馬としてスペシャリティカーに変貌した2代目シルビア(S10型)

1975年9月3日に発表された日産2代目「シルビア」

シルビアの名前は一旦途絶えたが、初代の生産終了から7年経った1975年9月のこの日に発表され、翌10月からシルビアが復活して2代目へと進化した。1970年12月に国産車初のスペシャリティカーとして大ヒットしていたトヨタ「セリカ」に対抗する形で、スペシャリティカーの要素を強めた。

日産2代目S10型「シルビア」のリアビュー

直線的なフォルムのクーペスタイルの初代に対して、曲線を多用した躍動感のあるアメ車風フォルムの2ドアピラーレスハードトップとなった。スタイリングは大きく変わったが、コスト低減のため新規部品の採用は抑えられ、プラットフォームや足回りなどは「サニー」のものが流用された。

日産2代目S10型「シルビア」のコクピット

パワートレーンは、「ブルーバードU」に搭載された105ps/15.0kgmの1.8L 直4 SOHCエンジンと、4速/5速MTおよび3速AT(ニッサンマチック)の組み合わせ、駆動方式はFRだった。

日産2代目S10型「シルビア」のフロントキャビン

車両価格は104.5万~111.0万円、現在の価値では約286万~297万円に相当する。1973年に登場した「セリカLB 2000GT」の112万円とほぼ同等だった。

2代目シルビアは、元祖スペシャルティカーのセリカに対抗するために登場したが、外観の大胆な変貌の割にはメカニズムに先進性が感じられずセリカの勢いを脅かすことなく、僅か3年半で1979年3月に3代目(S110型)にモデルチェンジした。

大ヒットモデル5代目(S13型)までの3代目と4代目シルビア

1979年3月にデビューした日産3代目S110型「シルビア」。角目4灯ライトで人気を獲得
日産3代目S110型「シルビア」のコクピット
日産3代目S110型「シルビア」のフロントシート

1979年3月にモデルチェンジした3代目(S110型)は、“白い稲妻”をキャッチコピーに、従来からの2ドアハードトップに加え、3ドアハッチバックもラインナップされた。当時流行っていた角目4灯の直線基調のウェッジシェイプを採用して人気スポーツモデルになった。

1983年に登場した日産4代目S12型「シルビア」。リトラクタブルヘッドライトの個性的なスタイリング
日産4代目S12型「シルビア」に搭載された2種エンジン

1983年5月にモデルチェンジした4代目(S12型)は、角目4灯からリトラクタブルヘッドライトに変更。1982年11月にデビューしてデートカーの先駆けとなって大ヒットしたホンダの2代目「プレリュード」に圧倒され、販売は苦しんだ。

1988年5月にデビューした日産5代目S13型「シルビア」
日産5代目S13型「シルビア」に搭載されたエンジン

そして、1988年5月に歴代シルビアで最も人気を獲得した5代目(S13)が登場。リトラクタブルヘッドライトを止めて曲線を取り入れたワイド&ローの流麗なスタイリングに変更。FFが主流になりつつあった中、走りを極めたFRスポーツとして、またその美しいシルエットからプレリュードと並ぶデートカーの代表モデルとして大ヒットした。

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1993年10月にデビューした日産6代目S14型「シルビア」。3ナンバーボディとなって落ち着いた雰囲気になった
1993年10月にデビューした日産6代目S14型「シルビア」に搭載されたエンジン
1993年10月にデビューした日産6代目S14型「シルビア」に搭載されたエンジン
1999年1月にデビューした日産7代目S15型「シルビア」。シルビアの最終世代となった
1999年1月にデビューした日産7代目S15型「シルビア」。シルビアの最終世代となった
日産7代目S15型「シルビア」のコクピット
日産7代目S15型「シルビア」に搭載されたエンジン
日産7代目S15型「シルビア」に搭載されたエンジン

続いた6代目(S14型:1993年6月~)は、3ナンバー化やデザインが不評で人気は今ひとつ、最終モデル7代目(S15型:1999年1月~)は5ナンバーに戻してスポーティさをアピールして高い評価を得て人気を回復した。以上のように、シルビアは初代を除くと、ヒットモデルが1代おきに登場し、奇数代シルビアが人気だった。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

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