Fine tuner POWER’S
NA8C ROADSTER

■最高出力 125ps 最大トルク16kg-m

■ハイコンプピストン/H断面コンロッド/強化ヘッドガスケット

■LINK G5(プラグイン)ECU

■オリジナルラムエアーシステム/サクションパイプ

■フジツボ エキマニ

■ワンオフチタンマフラー(Φ60)

■コーヨー TYPE-Zラジエーター

■16段オイルクーラー

■NB用6速ミッション

■エクセディ 強化クラッチ

■軽量フライホイール

■OS技研 スーパーロックL.S.D.

■4.1ファイナル

■クラックス 車高調キット(F&R:16kg/㎜)

■NBロードスター RS用スタビライザー

■フルピロブッシュ

■マツダスピード マウント

■POTENZA RE71RS 205/50R15

■ENKEI RPF1 15×8.0J

■RECARO RS-G

■CUSCO ハーネス

■フューエルメーター/燃費計

■ボルテックス GTウイング

■アンダーフロアフラット化

勝利のカギは効率化 電動化でロス削減も徹底

ファインチューナー パワースは、マツダファン・エンデュランス(マツ耐)で『勝てる参戦車両』を数多く手掛けてきた実力派チューナーだ。中でも圧倒的な存在感を放つのが、『NA・NBチューンドクラス』に長年参戦している2台のNAロードスター。

2025年もその強さは健在で、1台が開幕戦の菅生で優勝、もう1台(今回の撮影車)は第2戦のもてぎで総合優勝を飾った。その秘訣とは? パワースの西森一貴代表がいちばんに挙げるのが、徹底した効率化だ。

エンジンは後期モデルのBP-VE型を使用。排気量はそのままに、効率化によってパワーと燃費を両立させている。吸気はオリジナルのラムエアシステムで充填効率を高め、ピストンは高圧縮タイプに交換。カムは燃費悪化を避け、純正仕様を活かしたセッティングとしている

パワー以上に燃費の比重が高いマツ耐だからエンジンはハイコンプ化で熱効率を高める。発生したパワーをフリクションを抑えた駆動系でロスなく伝達。さらに接地性を高めたサスペンションで確実に路面へ伝え、トラクションとして使いきる。

エンジンの仕様からパーツ選択、足まわりのセッティングに至るまで、そのこだわりは「燃料を1ccたりとも無駄にしない」という強い意志で貫かれている。

エンジンから動力を得る補機類は、ほぼすべてを電動化して負荷を軽減。写真は左からACコンプレッサー、ウォーターポンプ、パワーステアリング。とくにウォーターポンプはキャビテーションを抑制し、冷却効率の向上にも貢献する。なお、エアコンはマツ耐では必須の装備だ

効率化の追求はいまも進行中。エアコンやウォーターポンプ、パワステなどの電動化も新たに投入されたメニューのひとつだ。エンジンから余計な負荷を取り除くことで燃費を稼ぎ、パワーロスを確実に減らす。

フラットボトム化は、ドラッグを生まない極めて効率的な空力チューニング。ただし、通風が制限されるため、導入時にはミッションやデフの冷却に注意が必要

また、西森代表が「予想以上の効果」と話すのがフラットボトム化だ。「それだけで岡山国際サーキットのストレートスピードが5km/hアップ。「フロア下の整流による空力効果はGTウイング並み」と、その恩恵の高さを示す。

さらに勝つための必須条件としているのが、ドライバーに合わせ込むセッティング。常勝の2台のNAロードスターも、チューニングの方向性は同じながら、操作性がそれぞれ微妙に異なる。

「耐久レースで重要なのは、コンスタントな速さ。ドライバーが乗りづらさを感じるようでは、絶対に勝てません」と西森代表。

耐久レースに求められるのは、タイヤ性能を最後まで保てる足まわり。このNAのサスは、メカニカルグリップをしっかりと引き出す方向性。フルピロ化によるスムーズな動きと、伸び側のストローク確保によって確実な接地性を実現している

つくり込んだNAロードスターだが、それでも西森代表は「マツ耐で勝つにはドライバーの力が80%、クルマの要素が20%」と語る。

「耐久レースはタフなクルマが必須ですが、燃料やタイヤのマネジメントでドライバーがそれを活かしきれないと決して上位に残れない。それだけに、ドライバーとチューナーが二人三脚で全体の力を出していく。それを楽しむことが何よりも重要です」とのこと。

ポジションは低め 広い視野を確保

マツ耐は市販車に近い状態の内装に保つレギュレーションだ。ドライビングポジションの最適化は内装カスタムの重要項目。シートは低めにセットされるが、他車の動向を把握しやすいドライビングポジションが得られるように配慮している。

制動特性はドライバーの好みに合わせる

ブレーキはローターのみ容量アップ。フロントはNBのRS用、リアはNB後期用を装着して、効きの変化を抑えている。パッドはドライバーの好みに応じて選択。2台のNAも、1台はコントロール性重視、もう1台は初期制動重視と、味つけは異なる。

タイヤの特性を活かすセッティングが重要

装着タイヤはPOTENZA RE-71RS。剛性が高く、キャンバーを大きくつけずとも性能を引き出せる点が選択理由。接地面をつねに広く保てるため、グリップを有効に活かせる。足まわりのアライメントも、タイヤ特性を踏まえて最適化。

カスタマーの意向を尊重するスタンス

ファインチューナー パワース 西森一貴 代表

パワースはカスタマーにチューナーの考えを『お仕着せ』しない。マツ耐車両の製作においても同様で、「助言はしますが、基本的にはお客様の考えを尊重します」と西森代表。車両メイクも戦略も、つねにカスタマーとともに個別につくり上げていく姿勢だ。


■ファインチューナー パワース 

香川県高松市一宮町1598-14 TEL087-885-3012 

https://www.powers-tune.com/