「ダッチリーチ」は死角をなくす画期的な技術!

クルマのドア
不意に現れる後方からの自転車などとの衝突を避けるための行動として「ダッチリーチ」が注目されている。

車から降りる際、後方の安全をしっかり確認してからドアを開けているだろうか。

後方の確認を怠ったまま不意にドアを開けてしまうと、直後から接近してきた自転車やバイクと衝突し、重大な事故を引き起こすおそれがある。

そんななか、ドア開閉時の接触事故を防ぐ新たな予防策として、オランダ発祥の「ダッチリーチ」という安全行動に注目が集まっている。

クルマの扉
ドアから遠い方の手で開けることで自然と後方が確認しやすいというメリットがある。

ダッチリーチとは、車から降りる際にドアから遠い方の手、つまり右ハンドルの運転席であれば左手、助手席であれば右手を使ってドアノブを引き、ドアを開けるというシンプルな動作のことだ。

通常、ドアに近い方の手で開けようとすると体は前を向いたままになりやすく、どうしてもサイドミラーだけの確認に頼りがちになってしまうが、あえて遠い側の手でドアを開けようとすることで自然と上半身が斜め後ろへと回転し、首だけではなく体全体を使って後方をしっかりと振り返る姿勢を作ることができる。

これにより、車のピラーの死角になりやすい斜め後方から接近してくる自転車やバイクなどを、目視で確実に確認できる画期的な技術として各国で推奨されているというわけだ。

クルマに乗る親子
小さな行動の変化によって、潜む危険を回避することができる。

とくに自転車大国として知られるオランダでは、子どもの頃からこの降車方法が家庭で教えられており、自動車教習所の試験項目にも取り入れられているほど一般的なマナーとして定着している。

わずかな動作の工夫ではあるが、これを実践するだけで不用意なドアの開放を防ぎ、開いたドアと自転車が激突する交通事故を効果的に減らすことができるだろう。

誰にでもすぐに始められる有効な安全行動であるため、日々の運転にぜひとも取り入れていきたい技術であるといえそうだ。

運転者の責任は重大!ドア開閉時の安全確認と法律上の義務

自転車事故
ドアの開閉時に衝突事故を起こしてしまうと運転者に責任が問われてしまう。

また、道路交通法第71条における「運転者の遵守事項」第4号の3でもドア開閉時の安全確認が義務付けられており、確認を怠って接触事故を起こすと安全運転義務違反などの罰則対象となるため注意が必要だ。

同法では、車両の運転者は安全を確認しないでドアを開けたり、同乗者がドアを開けきったりしないようにする義務があると明確に定められている。

つまり、運転手自身の確認不足はもちろんのこと、助手席や後部座席に乗っている人が不用意にドアを開けてしまった結果として交通事故が発生した場合でも、ドライバーの監督責任が問われることになるというわけだ。

自転車やバイクが走行しているタイミングで急に車のドアを開けてしまうと、相手は避ける間もなくドアの角に激突し、最悪の場合は車道側へと弾き飛ばされて後続車に轢かれるといった取り返しのつかない重大な人身事故へと発展するおそれもある。

サイドミラー
無用なトラブルを避けるために目視して確認することを心がけよう。

なお、万が一こうしたドア開閉事故を引き起こしてしまうと、、安全不確認ドア開放等違反として普通車の場合は反則金6000円と違反点数1点が科されるだけでなく、相手を負傷させれば重い民事上の損害賠償責任が発生しかねない。

このような事故を防ぐためには、ドライバー自身がドアを開ける前にサイドミラーと目視で安全を確認するのはもちろんのこと、車内にいる全員が後方の状況に気を配る環境を作ることが大切だ。

ドライバーのみならず同乗する家族全員でダッチリーチを習慣化し、降車時の確認を徹底して自転車などを巻き込む重大な事故を未然に防ぐ意識を持つことが求められる。