夜間の基本はハイビーム!道路交通法で定められたライトのルール

夜間のドライブで対向車に眩しい思いをさせたくないとロービーム(すれ違い用前照灯)のまま走り続けるドライバーも少なくないかもしれない。
しかし、道路交通法第52条において夜間の基本はハイビーム(走行用前照灯)と定められており、交通量の少ない道路などでは常にハイビームで走行することが原則とされているのだ。
ハイビームは前方100メートル先まで照らすことができるため、ロービームの40メートルと比べて歩行者や自転車、路上に落ちている障害物をはるかに早く発見することが可能となる。
また、歩行者との接触事故を未然に防ぐためにも、周囲に車両がいない状況ではハイビームを積極的に活用して早期に視界を確保することが強く求められているというわけだ。

一方で、同法では対向車や前走車がいる場合には例外としてロービームに切り替える減光等義務も定められていることを忘れてはいけない。
これは他の車両とすれ違う際や、他の車両の直後を進行する際にハイビームのまま走行すると相手のドライバーの目を強く眩ませてしまい、一時的に前方視界を奪う危険性が高まるためだ。

そのため、対向車の有無にかかわらず常にロービームで走り続けることも、逆にずっとハイビームのまま周囲を幻惑させることも、どちらも重大な交通事故の原因となりかねない。
夜間の視界をしっかり確保しつつ周囲の交通にも配慮するためには、目の前の交通状況に応じてこまめにライトを切り替えることがドライバーに課せられた重要な義務であるといえるだろう。
切り替えの正解は?他車への配慮と安全確保のバランス

とはいえ、具体的にどのくらい近づいたら下げるべきかという明確な距離については法律上に具体的な数値の記載はない。
そのため、歩行者の早期発見と他車への眩しさ防止のバランスに悩むケースが多々あるのが実情である。
JAFが2013年に実施したユーザーテストによれば、対向車がロービームのまま接近してくる状況において自車もロービームのままだと、道路横断中の歩行者の発見が遅れることが確認された。
さらに、双方がハイビームのまますれ違うと、強い光によって相手の視界を奪ってしまうばかりか、光が交差する中央付近にいる歩行者が完全に見えなくなる蒸発現象(グレア現象)も起こりやすくなる。

このような交通事故の危険を防ぐためには、直線道路において対向車のヘッドライトが見えたタイミングや、前走車のテールランプがはっきりと確認できた段階で速やかにロービームへ切り替えるのが安全な目安とされている。
くわえて、カーブの連続する山道などではカーブの先から突然対向車が現れることも少なくないため、カーブの手前で一時的にロービームに落として配慮し、通過後に安全を確認したうえで再びハイビームに戻すといった柔軟な操作がドライバーには求められるだろう。
このように、夜間のライト切り替えは安全に直結する重要な操作であるため、近年普及している自動で配光を調節するアダプティブハイビームなどの先進機能を賢く活用し、常に最適な視界を確保することが大切である。
