視野を妨げる装飾はNG? 道路交通法が定める乗車積載のルール

ダッシュボードにぬいぐるみを置くなど、車内を自分好みにカスタマイズする人は少なくない。また、夏場は日差しを避けるために車窓にサンシェードを設置する人もいるだろう。
しかし、フロントガラスや運転席および助手席の窓を遮るような装飾品の配置や、サンシェードを装着したままの走行は明確な交通違反と見なされかねない。
道路交通法第55条第2項では、車両の運転者は運転者の視野やハンドルの操作を妨げたり、バックミラーの効用を失わせたりするような乗車をさせ、または積載をして車両を運転してはならないと定められている。
つまり、運転席から外の状況を確認するための確実な視野を確保することは、ドライバーに課せられた最低限の義務として法的に規定されている。
ダッシュボードの上に大きなぬいぐるみを並べたり、運転席や助手席のサイドガラスにカーテンやサンシェードを取り付けたまま走行することは、前方や側方の安全確認を著しく妨げるため同法に抵触する行為とみなされる場合があるのだ。

とくに、フロントガラスやフロントサイドガラスは周辺状況を把握するために重要なため、法令により視界を遮る物品の設置が厳格に制限されている。
そのため、駐車中の日よけとしてサンシェードを使用すること自体は問題ないものの、出発前には必ず取り外し、視界を完全にクリアな状態に戻す必要があるだろう。
死角の増加による危険性と乗車積載方法違反のリスクとは

さらに、視界が遮られることによるリスクとして、前方や側方の死角が増加し、歩行者や自転車などの発見が大幅に遅れてしまうことが挙げられる。
車の周囲には構造上どうしても発生してしまう死角が元々存在しているが、ダッシュボード上のぬいぐるみや窓ガラスのサンシェードは、その死角をさらに広げる結果を招くおそれがある。

とくに交差点での右左折時や横断歩道の手前において、装飾品が視界を遮ることで歩行者や対向車の動きを見落とせば、重大な人身事故に直結する危険性が高くなる。
万が一、こうした視界不良の状態で走行して警察官に検挙された場合は乗車積載方法違反にと見なされ、普通車の場合は違反点数1点にくわえて反則金6000円が科されるおそれがあるため、決して軽視することはできない。
車内を快適で自分らしい空間にしたいという気持ちがあったとしても、最優先すべきはドライバーの確実な前方視界の確保と周囲に対する安全の配慮である。

そのため、お気に入りのぬいぐるみや小物を車内に置きたい場合は、運転席からの視界に入らない後部座席や、急ブレーキを踏んでも転がらないドアポケットなど、運転の妨げにならない安全な場所へ配置することが望ましい。
自分自身を守ることはもちろん、他者を巻き込む事故を未然に防ぐためにも、乗車前の視界確認を習慣づけ、ルールにもとづいた正しい環境で運転をおこなう必要があるだろう。