
GRカートは215ccのエンジンを搭載するエンジンカート。愛知県の「蒲郡GR KART工房」で生産され、一部のGRガレージおよびカートコースで販売される。
その最大の特徴は、初心者の参戦障壁を取り払うシステムづくり。以下、そのポイントを3つに分けて解説する。
ポイント① カート本体のメンテナンス・運用ハードルを下げる
カート本体の特徴としてまず挙げられるのは、運用の容易化。

レンタルカートやコースサイドのガレージを除き、自動車での積載によってコースに運び込まれるレーシングカート。
従来はそのまま積載可能な車両(おおよそ3ナンバーサイズのバン)を用意する、積み込みのたびに分解し組み立てる、ルーフキャリアに搭載するなど、金銭的・技術的・心理的なハードルが高い方法が主流だった。
GR KARTは全幅を1160mmに抑えることで、分解なしに積載可能な車両の幅を拡げた。ちなみに、クルマの積載性の基準とされるゴルフバッグの高さは一般的に1300mm程度とされる。

また、キャブレターなどからの燃料漏出を防ぐ設計を採用。燃料や潤滑油を抜かずに縦置き保管が可能になった。スタンドなどを活用することで、自宅などでの保管スペースを削減できる。
ポイント② 誰でも乗れる設計と安全性

さらに、ビギナー向け車両として求められる汎用性の高さや安全性にも工夫が凝らされている。
家族で共有できるよう、ペダルのスライド調整機構とステアリングのチルト機構を採用。身長135cmから185cmまで、子供から大人まで、最適なドライビングポジションが得られるようになっている。
別売りのウエイトBOXを装着すれば最大15kgまでのウエイトハンデを課すことができ、イコールコンディション化も容易。

パワーユニットには自己充電式バッテリーを搭載。従来の別体バッテリーのように取り外しての充電を不要とした。

駆動系ではレーシングカートとして異例のベルトドライブを採用。一般的なチェーンドライブのように潤滑油の飛び散りがなく、オートテンショナー付きのため張り調整も不要。カスタマーのメンテナンス負担を緩和する。
安全面でもリアハブ抜けを防ぐストッパーピンや、乗降時に熱されたマフラーに触れることを防ぐカバー形状のシート上部、接触時に他車が自車のリアタイヤに乗り上げることを抑制するバンパー形状など、さまざまな配慮がなされている。
その③ 購入後のサポートに真価あり
そして、GR KARTの画期的な部分は車両本体にとどまらない。
新たにリリースされる専用アプリ『GR App』では、サーキット走行の座学が得られる。そのうえでカートコースやGR Garageでの実技講習を修了すると、『GR KART Driver Passport』を取得できる。

このドライバーパスポートは対応するコースのスポーツ走行用ライセンスとして使用可能で、コースごとのライセンス取得を省略する統一ライセンスとしての側面を持つ。GRカート本体と同時に、ライセンスでも新スタンダードを制定することにより、より円滑なサーキットデビューを実現。
また、用品やスペアパーツ類も専用のECサイトで販売を開始。

画像はECサイトで販売されているヘルメット・レーシングスーツ・グローブ・シューズ・工具セット。仮にそれらをすべて購入すると税込み送料込み13万円。
バリューなプライスで、工具セットを除いた場合、ネックガードとフェイスマスク(バラクラバ)を足しても10万円に届かないから驚きだ。
タイヤもスリック/レインのシンプルな構成ながら1本あたりの価格が3500円から6000円と極めてリーズナブルで、ホイールや駆動系の消耗品などもネット上で購入可能。
このように購入から走行までを包括的にサポートすることで、サーキットデビューひいてはモータースポーツの敷居を極限まで下げているのだ。

GR KARTの価格は税込み38万5000円。モータースポーツ普及の新たな旗手に注目したい。
| 主要諸元 | |
| 全長 (mm) | 1,820 |
| 全幅 (mm) | 1,160 |
| 全高 (mm) | 670 |
| ホイールベース (mm) | 1,045 |
| 乗車定員 (人) | 1 |
| 車両重量(kg) | 83 |
| 総排気量 (cc) | 215 |
| ※車両重量はエンジンオイルを含む |
■GAZOO Racing
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