新開発したフラットプレーンクランク採用のV8エンジン搭載で646psを凌駕
メルセデスAMGが開発を進めている新型「AMG GT ブラックシリーズ」の最新プロトタイプが、ニュルブルクリンク周辺で捉えられた。

すでにニュルブルクリンク北コースで高速テストを行なう姿は確認されていたが、今回の車両はディテールがより鮮明だ。そこから見えてきたのは、通常のAMG GTとはまるで別物といえるほど徹底した空力性能へのこだわりである。
「ブラックシリーズ」は、AMGの高性能モデルの中でもサーキット性能を極限まで高めた特別なシリーズだ。先代AMG GT ブラックシリーズは2020年に登場し、当時ニュルブルクリンクで市販車最速記録を樹立した。新型も、その名にふさわしい過激なマシンとなりそうだ。

今回もっとも目を引くのが、左右フロントフェンダー上部に設けられた可動式と思われるフラップである。走行状況に応じてホイールハウス内の高圧な空気を排出し、不要な場面では閉じて空気抵抗を抑えるアクティブエアロの可能性がある。
ボディサイドにも大きなベントを配置し、さらにリアにはスワンネック式ステーで支持された巨大なウイングを装着。このウイングにも可変機構が確認でき、F1のDRSを思わせる仕組みでダウンフォースと最高速性能を両立させるとみられる。

その下には巨大なリアディフューザーを装備し、リアタイヤには21インチのミシュラン「Pilot Sport Cup 2 R」を履く。まさにサーキットでタイムを削るための装備が満載だ。
新開発フラットプレーンV8を搭載か?
注目はエンジンにも集まる。新型ブラックシリーズには、AMGが新たに開発したフラットプレーンクランク採用のV8エンジンが搭載される可能性が浮上している。
同エンジンは限定モデル「CLE 646 Spezialanfertigung」で初公開され、最高出力646psを発生する。ただし、新型ブラックシリーズではさらに大幅なパワーアップが予想される。
なにしろ先代AMG GT ブラックシリーズでも最高出力730psを発生していた。新型がそれを下回るとは考えにくく、空力性能だけでなくエンジン性能でも現行AMG GTシリーズの頂点に立つモデルとなる可能性が高い。
マスタングGTDへの“リベンジ”なるか
そして最大の焦点となるのが、ニュルブルクリンク北コースでのラップタイムである。先代AMG GT ブラックシリーズは2020年、20.832kmのコースで6分48秒047を記録し、当時の市販車最速タイムをマークした。
しかし、その後さらに速いモデルが登場している。なかでも強烈なのがフォード「マスタングGTD」だ。プロトタイプは6分40秒83を記録。一方、市販仕様では6分52秒072をマークしている。
AMGにとってさらに高い壁となるのが、自社のハイパーカー「Mercedes-AMG ONE」である。2024年には6分29秒090という驚異的なタイムを記録しており、新型ブラックシリーズといえども、この領域へ到達するのは容易ではない。
とはいえ、今回のプロトタイプに投入された可変式と思われるフロントフェンダーフラップや巨大なリアウイングを見る限り、AMGがニュルでの速さを強く意識しているのは間違いない。
先代が打ち立てた6分48秒台をどこまで縮められるのか。新型AMG GT ブラックシリーズは、スペック以上にニュルで叩き出すタイムが気になる一台となりそうだ。












