今回の共同試験契約は、単なる「全固体電池の共同開発」ではなく、メルセデス・ベンツがGen4全固体電池セルへの優先アクセス権を持ち、電気・熱・安全性について本格的な試験を行う段階に入ったことがポイントである。ProLogiumによれば、メルセデス・ベンツの施設および外部試験機関で評価し、将来車両への適用可能性を判断するとしている。
ProLogiumのGen4 Superfluidized Inorganic Lithium Ceramic Battery(Gen4 SILCB)は、不燃性の無機電解質とセラミックセパレーターを採用し、高エネルギー密度、高出力、急速充電、低温性能などを狙った全固体電池。
重要なのは、これら性能に加えてGen4 SILCBが量産性とコスト競争力を同時に狙いにきていることだ。同社は台湾のTaoke GigafactoryでGWh規模の製造プロセスの検証を完了し、Cサンプル生産やデモカーを進めているとも説明。さらにフランス・ダンケルク工場については将来的に最大44GWhの生産能力を計画している。
ProLogiumの創業者兼CEOであるヴィンセント・ヤン氏は次のように述べている。「メルセデス・ベンツとの協業は、10年近くにわたり、初期のセル開発と検証から、将来の車両用途に向けた最新のGen4技術のテストへと発展してきました。次世代バッテリーにとって真の価値は、長年のイノベーションを拡張可能な製造と商業的に実現可能な製品へと転換することにあります。メルセデス・ベンツによる欧州事業拡大への早期投資と支援、そしてフランス政府と欧州連合の強力な支援により、当社は欧州での大規模生産に向けて前進し、グローバル市場に対応できる製造拠点を構築しています」
「メルセデス・ベンツは、技術的リーダーシップとイノベーションを通じて、電動モビリティの未来を形作ることに尽力しています。プロロジウム社との長年にわたるパートナーシップは、次世代バッテリー技術の発展のために、いかに最高の専門知識を結集させているかを示す好例です。プロロジウム社の先駆的な全固体電池アプローチと、メルセデス・ベンツの高度なバッテリー開発、テスト、統合能力を組み合わせることで、将来の電気自動車向け先進バッテリー技術の探求において、私たちは次のステップへと進んでいます」
——メルセデス・ベンツ・グループAG取締役会メンバー、開発・調達担当最高技術責任者:ヨルグ・ブルツァー氏——
