バッテリーパスポートとは、原材料調達から製造、使用履歴、リサイクルに至るまでのライフサイクル情報をデジタル上で一元管理し、可視化するデジタル証明書のこと。つまり「記録」なのだが、Qnovoはそこに、車両の中で蓄積されている実際の電池の電気化学的な履歴を利用しようとしている。
Qnovoによれば、充電挙動、使用履歴、環境曝露、セル間ばらつきなど、車両に搭載されている間に蓄積したデータからその電池が今どういう状態なのかをBattery Genomeで解析し、加速劣化や潜在的な異常の兆候を抽出して、将来の劣化を予測するとしている。しかも同社は追加ハードウェアを必要としない既存のソフトウェアスタックとの連携を想定、既存のAdaptive Fast ChargingやHealth and Safety Diagnosticsとの組み合わせも想定しているという。
2027年2月18日からEUでEV用バッテリーなどに義務付けられるバッテリーパスポートを、電池の状態把握まで拡張しようとするものだ。
「バッテリーパスポートは透明性向上に向けた歓迎すべき一歩ですが、バッテリーに関する理解が深まらなければ、OEMは法的責任を負うことになります」と、QnovoのCEOであるナディム・マルフ氏は述べている。「バッテリーゲノムは豊富なデータが格納されている車両内で動作するため、バッテリーが何をしているのか、何をしていないのかをより確実に把握できます。これにより、OEMは現場で何が起こっているのかをより深く理解し、あらゆる評価に自信を持つことができます」
なおQnovoは、2026年10月13日から15日までデトロイトで開催される「ザ・バッテリー・ショー・ノースアメリカ」 のブース番号1005で、このアプリケーションのデモンストレーションを行う予定。
