パイロットでは80個の使用済みGM BEVバッテリーを回収し、そこから得たブラックマス(使用済みのリチウムイオン電池などを破砕・選別する過程で得られる黒色の粉状の混合物)を処理して、12トン超の正極活物質を製造。ニッケル、コバルト、マンガンについては、100%リサイクル材を使っている。その正極活物質を使ってUltium Cellsがセルを製造し、Factory ZEROとSpring Hillでモジュール/パック化。最終的にLYRIQ、LYRIQ-V、VISTIQ、ESCALADE IQ/IQL、Silverado EV Trail Boss、Sierra EV AT4などの新車に搭載したとGMは説明している。

最大の注目点はブラックマスを回収したことではなく、その含有物から「新しい正極材として品質を戻した」ということ。GM によれば、現在のリサイクル技術ではニッケル、コバルト、マンガンは最大95%、リチウムは最大80%まで回収できるし、今後はさらに回収率を高められる可能性があるとしているが、今回の目玉は言ってみれば量(=回収率)ではなく、質(=バージン材を使ったセルと同等の性能を実現できること)であること。

ニッケル/コバルト/マンガンなどを回収し精製することで正極活物質として再製造するわけだが、GMが「リサイクル材を使ったセルがバージン材を使ったセルと同等の性能を示すことを確認してから車両への使用に進んだ」とアナウンスしているとおり、車載セルに戻せる品質まで再精製する工程を実現できた。電池材料を回収することと、その材料を再び車載セルに使える品質へ戻すことは別問題であり、大きくフェーズが進んだと言えるだろう。