ハーレーを参考にスプリンガーフォークを自作!

ティアドロップ型の燃料タンクをフレーム上部にマウントし、ローシートと組み合わせてアメリカンらしいシルエットを構築。細身の車体と長いフロント周りのバランスも個性的だ。

堂々と前方へ伸びたフロント周りは、このマシン最大のアイキャッチ。ベースとなったリトルカブの面影を一気に薄め、アメリカンらしいロー&ロングなプロポーションを生み出している。驚くべきは、このスプリンガーフォークをワンオフで作り上げていることだ。

製作にあたって参考にしたのはハーレーの写真。そこから構造を読み取り、スチール製パイプを使ってカブの車格とのバランスを考えながら製作したという。ステムにはCD50用を流用し、フォークスプリングを組み合わせて実用レベルまで仕上げた。単に長いフォークを取り付けただけではなく、リトルカブを本格的なアメリカンへ変身させるため、フロント周りそのものを作り直しているのだ。

車体色は鮮やかなイエローを中心にホワイトを組み合わせ、重厚になりがちなロングフォーク仕様を軽快に演出。細身のスポークホイールとの組み合わせも相まって、爽やかなCAL.スタイルへとまとめられている。

フレームを200mm延長! タンク位置まで大胆に変更

ロー&ロングなフォルムを決定づけているのはフロントフォークだけではない。フレームそのものを200mm延長するという大掛かりな加工も施されている。さらにフレーム上部へサブフレームを追加し、そこへティアドロップ型の燃料タンクをマウント。カブ本来の車体構成から大きく変更することで、アメリカンらしいスタイルを作り上げた。

燃料タンクを移設したことで不要となった純正タンク部分はカットし、電装品の収納スペースとして活用。シートも低く構えるローシートへ変更され、長いフロント周りからリヤまで流れるようなシルエットを形成している。こうした大加工を施しながら、全体がゴチャついて見えないのもポイントだ。

操作系にも遊び心が光る。リンクやロッドをワンオフしてジョッキーシフト化し、シフトノブにはフィアット500のオプション品を使用。オレンジのノブがイエロー×ホワイトの車体にアクセントを加えている。細部まで既成概念にとらわれない発想が貫かれているのだ。

ゲームウォッチをメーターケースに!? アイデア満載の細部にも注目

エンジン周りでひときわ目を引くのが、吸気側に取り付けられた電動ターボ。2022年の取材時点ではセッティング中で、満足できる走りには至っておらず、今後は電磁ポンプなどを用いて燃料系を改善する予定としていた。見た目だけで終わらず、独自のメカニズムに挑戦しているところにも、この車両らしさが表れている。

さらにユニークなのがメーター周り。懐かしいゲームウォッチのボディをケースとして利用し、デイトナ製デジタルメーターを移植している。しかも左右に残されたボタン部分は、ウインカーインジケーターとして機能させるという凝りようだ。既存の部品を単純に取り付けるのではなく、本来とはまったく異なる用途のアイテムまでカスタムパーツへ変えてしまう発想が面白い。

スプリンガーフォークからフレーム、燃料タンク、ジョッキーシフト、メーター周りまで、見れば見るほどワンオフ加工のオンパレード。それでいて仕上がった姿は意外なほど爽やかで、重々しい改造車には見えない。大胆な工作と軽快なスタイリングを両立させた、まさに自由な発想から生まれたリトルカブだ。

ディテールチェック

電動ターボを装着。2022年の取材時点ではセッティング中で、今後は電磁ポンプなどを使って燃料系を改善する予定としていた。

撮影したのはこのEVENT!

「奈良カブミーティングVol.11」
■日時:2021年11月14日(日)
■開催地:唐子・鑓遺跡史跡公園(奈良県)

こちらの車両は日本一参加者が集うカブイベント「奈良カブミーティング」で撮影されたもの。詳細はこちらのSNS(奈良カブ)をチェック!


【モトチャンプ】