MotoGP第16戦日本GPが10月9日から11日にかけて、栃木県のモビリティリゾートもてぎで行われた。

MotoGPクラスにフル参戦する唯一の日本人ライダーである小椋藍(アプリリア)は、スプリントレースを5位、決勝レースを6位で終えた。

金曜日午後のプラクティス、小椋は15番手で終えてQ2ダイレクト進出を逃した。

このセッション序盤、メインストレートを走っていた小椋のマシンから白煙が上がった。小椋は1コーナーのイン側でマシンを止め、これによってセッションは一時中断となった。といっても、もう1台のマシンも同じフィーリングで走ることができるため、このトラブルが大きく影響したというわけではなかった。

プラクティスでトップ10に入ることができれば、その時点でQ2進出が決まる。土曜日に行われる予選はQ1とQ2に分かれており、Q2はプラクティスのトップ10とQ1のトップ2を合わせた12名のライダーがポールポジションを争う予選だ。

このため、ライダーはまずプラクティスでトップ10に入ることを目指す。プラクティスの終盤は、予選さながらのタイムアタックとなるのだ。

小椋にとって、Q2ダイレクト進出を逃したことは痛手だった。

土曜日のQ1はトップタイムで、Q2に進出を果たす。しかし、Q2ではいつも通りの予選というわけにはいかなかった。午前中のフリープラクティス2(FP2)で転倒を喫し、走行可能なマシンが1台しかなかったからだ。このため、15分間の予選のうち、序盤はピットで待機。残り時間が9分になってからコースインをしてタイムアタックに入った。

小椋はQ2で11番手。スプリントレース、決勝レースともに4列目11番手からのスタートとなった。

「いつもはユーズドタイヤ(すでに使用されたタイヤ)でコースインして、感じをつかんで(ピットインをして)新しいタイヤに変えてアタックするのですが、ユーズドタイヤでの1回目のアタックで転んでもバカバカしい。それで1回のアタックにしました。今日に関しては、自分で(流れを)悪くしちゃいましたね」

スプリントレースでは、1周目の3コーナーで3名のライダーが転倒を喫したこともあり、5番手に浮上した。そのまま5位でゴールしている。

日曜日の決勝レース、小椋はやはり11番手からスタートした。前を走るマルク・マルケス(ドゥカティ)、ホルヘ・マルティン(アプリリア)、マルコ・ベツェッキ(アプリリア)、エネア・バスティアニーニ(KTM)のペースは速く、小椋はラウル・フェルナンデス(アプリリア)、ペドロ・アコスタ(KTM)と5番手争いを展開。6位でチェッカーを受けた。

通常、小椋はレース後半に強い。タイヤが垂れてラップタイムが落ちてくるころ、小椋はレース序盤からタイヤをマネジメントすることでタイムの落ち幅を抑え、追い上げることができる。例えば、優勝を飾ったオランダGPも、トップに立ったのは全26周の19周目だった。

ただ、今回のレースはいつものようにはいかなかった。小椋のレースペースも落ちなかったが、上位を走るライダーたちのラップタイムもまた、ほとんど落ちなかったのである。トップ4のライダーとの差は開く一方だった。

「(最終的に)15秒も離れましたからね。(上位のライダーが)見えなくなったのでびっくりしました。よくこんなに速く走れるな、と思って」と、小椋はレース後に語っている。

今季の小椋の活躍に、多くのファンがもてぎに詰めかけた。週末の観客動員数は、121,997人。小椋のゼッケンナンバーの「79」のグッズを身に着けたファンはとても多かった。

小椋としても、その期待をわかっていただろう。レース後の囲み取材で、チェッカーのあとのクールダウンラップでファンの姿を見たときの胸中を、こう吐露していた。

「ダメなリザルトで終わったときは、(ファンが)アクションを起こしてくれればくれるほど、くるものがありますから……」

「残念です」と、小椋は言い切った。母国グランプリでの6位という結果に甘んじない姿勢は、いつもと変わらずそこにあった。