往年の高級車で現行車レベルの快適性を実現!

ドア開閉時の音からして違う!?

気鋭チューナー“ダディモーターワークス”で製作されたこのRA35型リフトバック(LB)のコンセプトは、快適性をレクサスと同等レベルまで向上させるというハードルの高いものだ。

というのも、このクルマは依頼主が「父親へのプレゼント」として製作を依頼したもの。その父親が現在レクサスに乗っているため、セリカLBへと乗り替えた時に違和感なくドライブできることが条件だったのである。

まずエンジン周りは、安定した電子制御が必須。もちろん換装の現実性や扱いやすさも重要だ。そこで選ばれたのが、アルテッツァ用の3S-GEエンジンだった。出力の向上はそれほど重視せず、コンフォートなスペックを目指したわけだ。

EXマニはアルテッツァ用をそのまま使い、マフラーはノーマル風に仕上げられている。エンジンルームの各部や補機類はブラックアウト、ヘッドカバーもオレンジにペイントするなど、見た目の美しさにも拘りを見せる。

クーリング系は、アルテッツァ用の社外ラジエターと純正電動ファンをセット。NA仕様のため、これで各温度は問題なく安定する。

車高調はブリッツのAE86用で、車高は日常で不具合が出ないよう高めにセット。ホイールはボルクレーシングTE37V、タイヤには静寂性を重視してアドバンスポーツをチョイスする。ホイールサイズに合わせて軽く叩き出された前後フェンダーが、外観的なアクセントにもなっている。

ほぼノーマルに見えるインテリアだが、シートは純正風に張り替えられ、シートヒーターまで組み込まれている。

フロア、バルクヘッド、クォーター内部には海外製のダイナパッドという制振材をたっぷり張り込んでロードノイズを低減。ドアを締める際の反響音は完全に高級車レベルで、旧車でありながら最新セダン並みの快適な室内空間を構築しているのだ。

パワーステアリングはAE86用の油圧&ラックを完全移植し、ステアリングにはアルテッツァ純正を採用。もちろん、パドルスイッチも全て機能する。メーターは純正デザインだが、EL照明を導入しており新鮮な輝きを放つ。

ミッションはアルテッツァのATを移植し、センターコンソールはワンオフで再構築。快適性重視ということで、ナビやオーディオももちろん装備する。

その他、リモコンエンジンスターターや集中ロックなど、見えないギミックも現行車顔負けの充実度で仕上げられている。

4灯とも変更を加えられたHIDヘッドライトは、信頼性の高い国産タイプをチョイス。さらに、夜間走行時の快適性を求めて小型フォグランプも装備する。

チューニングカーという点で評価すれば、性能は物足りない。しかし、このセリカLBのコンセプトである快適性というモノサシで測るならばクオリティは超一級品。クラシックカーとは思えないその乗り味は、数々のレストモッドをこなしてきたダディーモーターワークスだからこそ成せる技なのだ。

●取材協力:ダディーモーターワークス 愛知県豊明市沓掛町神明13 TEL:0562-85-9911

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