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今日は何の日?■高級感の深化を目指した2代目セルシオ
1994年(平成6)年10月12日、トヨタから究極の高級車を目指した「セルシオ」の2代目が登場した。初代セルシオは、米国で立ち上げたレクサスブランドのフラッグシップ「LS400」を日本名セルシオとして販売した高級車で日本でも大ヒット。2代目は初代の思想を継承した上でさらなるブラッシュアップが図られた。

クラウンを超える大型高級セダンを目指したセルシオ
1989年10月にデビューしたセルシオは、クラウンでは満足できなかったユーザーに、センチュリーとクラウンの中間に位置する高級セダンを提供するのが狙いだった。そのため、特に欧米の高級車に負けない質感や乗り心地、静粛性が重視された。

高級セダンらしい重厚なスタイリングと鏡面のような輝きを放つボディ、豪華なインテリア。パワートレインは、最高出力260ps/最大トルク36.0kgmを発揮する新開発の4.0L V8 DOHCエンジンと、最新仕様のETC-i制御4速ATの組み合わせ。

足回りは4輪ダブルウィッシュボーンで、標準モデルにはコイルスプリング式、上級モデルにはダンパーの減衰力を自動調整できるピエゾ式電子制御サスペンションを組み込み、さらにフラッグシップモデルには電子制御エアサスペンションを採用して、高級車らしい快適な乗り心地を実現した。

車両価格は、455万円~620万円に設定。これは、現在の価値で538万円~839万円に相当する。セルシオは、メルセデス・ベンツやBMWの高級車と競合できる初めての国産高級車として大きな注目を集めて、高級車としては異例の納車待ちが出るヒット。最も売れたのは、なんと620万円のフラッグシップ仕様だったが、それでもメルセデス・ベンツやBMWの高級車に比べればコスパに優れお買い得だった。
キープコンセプトながら高級感に磨きをかけた2代目セルシオ

1994年10月にモデルチェンジした2代目セルシオは、基本的には初代の“高級車の理想を追求”するということを継承し、すべての部分を深化させることを狙って開発された。

基本的なスタリングは、初代と同じ大型サイズの角型ヘッドランプと格調高いセンターグリルがリファインされ、世界トップクラスの空気抵抗Cd値0.28を達成。ボディサイズは、初代と同一のままホイールベースを延長して室内を拡大し、特に後席スペースの広さは初代よりも優れる訴求ポイントのひとつでもある。

パワートレインは、パワーアップ゚した最高出力265ps/最大トルク37.0kgmの4.0L V8 DOHCと4速ATの組み合わせ。エンジンも広範囲な改良を施し、ピストンやクランクシャフトの軽量化を図ってノイズや振動を抑制。また8.0km/L(10・15モード)はクラストップの燃費だった。

安全面では、衝突時の衝撃吸収ボディとし、ABSやTRCの制御性を向上。運転席と助手席にエアバックを標準装備。足回りは、4輪ダブルウィッシュボーン、ブレーキはアルミ製の対向4ポットキャリパーと16インチ大径ローターが組み合わされた。
1997年7月にはマイナーチェンジを実施。フロントグリルの独立、オートレベライザー付ディスチャージヘッドランプの採用、連続可変バルブタイミング機構(VVT-i)採用による出力向上(265→280ps)、4速ATから5速ATへの変更などで、動力性能と環境性能を向上させた。
車両価格は、510万円~654万円に設定。2代目セルシオの人気は先代の雰囲気が強すぎて人気は今ひとつだったが、マイナーチェンジ後は人気回復に成功した。
4代目セルシオは、日本でも海外名レクサスLSに統一
セルシオは、もともと米国で設立された高級車ブランドのレクサスの設立と同時に発売された「レクサスLS400」を、日本に投入したモデルである。

2代目と2000年8月に登場した3代目も同様にレクサスLSの日本仕様だが、日本でのレクサスブランド開業の翌2006年9月に、日本でセルシオ4代目改め「レクサスLS460」としてデビューした。

レクサス460は、レクサスのフラッグシップらしく大型化して、最高出力385ps/最大トルク51.0kgmを発揮する4.6L V8 DOHCエンジンを搭載。さらに、居住性を高めたロングホイールベース仕様やハイブリッド仕様を追加して進化を続け、現行の「レクサスLS500」も高級セダンのフラッグシップとして不動の地位に君臨している。
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セルシオが登場するまでの日本メーカーは、安くて品質に優れたクルマを作るのが得意だった。海外メーカーもそう思っていただろうから、セルシオが登場した時には驚き、危機感を持ったに違いない。2代目も、当初は初代と代り映えしないという評価だったが、マイナーチェンジが行なわれた後期型では初代が築いた威厳を取り戻すことに成功した。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。



