連載

【歴史を飾ったライバル対決】

宿敵ブルーバードから首位を奪取した2代目コロナ

510型「ブルーバード」vs.RT80型「トヨペットコロナ」

第一世代BC対決は、ブルーバードが圧勝

小型大衆車に革新をもたらした“BC戦争”勃発!ダルマのトヨタ「トヨペットコロナ(C)」 vs. 青い鳥の日産「ブルーバード(B)」【歴史を飾ったライバル対決005】

小型大衆車に革新をもたらした“BC戦争”勃発!ダルマのトヨタ「トヨペットコロナ(C)」 vs. 青い鳥の日産「ブルーバード(B)」【歴史を飾ったライバル対決005】

自動車の長い歴史の中で、ライバル車の存在が技術革新を加速させ、競争が技術の飛躍的な進化を実現してきた。本稿では、そんなライバル車を取り上げて紹介する。 第5回は、日本大衆車史の原点となる2台の小型乗用車で、その後も長くライバル関係を続けながら大衆車市場をけん引した、1957年誕生のトヨタ「トヨペットコロナ」 vs. 1959年誕生の日産自動車「ブルーバード」である。 TEXT:竹村 純(Jun TAKEMURA)/PHOTO:トヨタ博物館、日産ヘリテージコレクション

BC戦争と呼ばれた熾烈な対決は、1957年7月の初代「トヨペットコロナ(T10型)」と1959年8月の初代「ダットサン・ブルーバード(310型)」で幕を開けたが、初代対決は英国オースチン社と技術提携などで技術を磨いていた日産のブルーバードが圧勝した。コロナは、1960年4月に急遽改良した2代目「トヨペットコロナ(RT20型)」にモデルチェンジしたが、それでもブルーバード有利の状況は変わらなかった。

第二世代BC対決は、コロナがトップを奪取

コロナが雪辱、第二世代のBC戦争!尻下がりテールラインの2代目「ブルーバード」 vs. アローラインの3代目「コロナ」【歴史を飾ったライバル対決008】

コロナが雪辱、第二世代のBC戦争!尻下がりテールラインの2代目「ブルーバード」 vs. アローラインの3代目「コロナ」【歴史を飾ったライバル対決008】

自動車の長い歴史の中で、ライバル車の存在が技術革新を加速させ、競争が技術の飛躍的な進化を実現してきた。本稿では、そんなライバル車を取り上げて紹介する。 小型大衆車をけん引したトヨタ「トヨペットコロナ(T10型)と日産自動車「ダットサン・ブルーバード(310型)」の初代対決は、より最新技術を採用したブルーバードが圧倒。コロナは、次の第二世代で巻き返しを図った。第8回は、1963年9月にデビューした2代目「ブルーバード(410型)」 vs. 1964年9月にデビューした3代目「トヨペットコロナ(RT40型)」のBC第二世代対決である。 TEXT:竹村 純(Jun TAKEMURA)/PHOTO:三栄・トヨタ 新型コロナのすべて、日産 新型ブルーバードのすべて、60年代国産車のすべて

そしてBC戦争は第二世代の対決へと舞台を移した。まず、好調だったブルーバードが1963年9月にモデルチェンジして2代目「ブルーバード(410型)」に。その1年後の1964年9月にコロナは3代目「トヨペットコロナ(RT40型)」にモデルチェンジし、先代の反省を踏まえて巻き返しを図った。

3代目コロナは、初代と2代目の反省を踏まえて耐久信頼性を高め、スタイリングはボディ側面を一直線に流れる“アローライン”と傾斜した“クリーンカット”のフロントノーズが特徴の近代的なデザインに変更。一方の2代目ブルーバードは、クラス初のフルモノコックボディの採用で軽量と高剛性を両立。デザインについては、イタリアの著名なデザイン会社カロッツェリア・ピニンファリーナが手掛けた欧州風デザインをアピールした。

第二世代対決も、引き続きブルーバードの圧勝になるかと思われたが、予想外にもピニンファリーナの“尻下がりテール”と呼ばれたリアデザインが不評だったこともあり、販売は期待通り伸びず、1965年についに小型車トップの座をコロナに明け渡すことになったのだ。

そしてBS戦争の舞台は、第三世代へと移り、ブルーバードの逆襲が始まった。

先進技術を結集して大ヒットした3代目(510型)ブルーバード

3代目510型「ブルーバード」

1967年8月にトップ奪回を目指して登場した510型ブルーバードは、プラットフォームやエンジンなどが一新された。

3代目510型「ブルーバード 4ドア 1300デラックス」の透視図

高性能時代にふさわしいスーパーソニックラインと呼ばれるシャープなフォルムに、新開発の最高出力72ps/最大トルク10.5kgmを発揮する1.3L 直4 SOHC(後に1.4Lに換装)、92ps/13.2kgmの1.6L 直4 SOHCエンジンを搭載。ブルーバードは当時としては先進の4輪独立サスペンションなどを採用した、日産の技術を結集した革新モデルだった。

3代目510型「ブルーバード」に搭載された1.6Lツインキャブエンジン
3代目510型「ブルーバード」に搭載された1.3Lシングルキャブエンジン

特に、最高出力100ps/最大トルク13.5kgmを発揮した1.6L 直4 SOHC(SUツインキャブ仕様)エンジンを搭載したスポーツグレード「ブルーバード1600SSS」は、その俊敏な走りによって多くの若者を魅了。翌1968年には、さらにスポーティなクーペも追加されて510型ブルーバードの人気は爆発、コロナ3代目(RT40型)コロナからいとも簡単に首位の座を奪回したのだ。

3代目510型「ブルーバード」の系譜

車両価格は、52.0万~64.0万円、1600SSSは75.5万円。当時の大卒初任給は3.0万円程度(現在は約23万円)だったので、単純計算では現在の価値で約399万~491万円、1600SSSは約579万円に相当する。

510型「ブルーバード」ファミリー

またブルーバード1600SSSは、一見すると普通のセダンでありながら優れた走りで国内外のレースを席巻。1970年には、当時人気の高かったサファリラリーの総合優勝を飾り、日産とブルーバードの名を世界に知らしめ、「ラリーの日産」の名声を獲得した。

ダットサンブルーバード 1600SSS 1970年 第18回東アフリカ・サファリラリー総合優勝車
1971年サファリラリーで激走する「ブルーバード1600SSS」

豪華さを強調したファミリー志向で対抗した4代目(RT80型)コロナ

1970年2月にデビューした4代目(RT80型)「トヨペットコロナ」

1964年9月に登場した3代目「コロナ(RT40型)」でブルーバードから首位を奪取したが、上記の通り1967年8月の510型ブルーバードの登場によって、再び首位の座を奪回されてしまった。そこで、人気絶頂だった510型ブルーバードに対抗して1970年2月に登場したのが、4代目コロナ(RT80型)だった。

4代目(RT80型)「トヨペットコロナ」
4代目(RT80型)「トヨペットコロナ」

4代目コロナは、ボディをひとまわり大きくして、当初はセダンだけだったが、半年後にクーペを追加。スタイリングについて、当時一般的だったスチール製に代えて樹脂製の彫りの深いデザインのフロントグリル、サンダーウエーブと称したシャープなボディラインなどにより豪華さを強調。またインテリアについても余裕のある室内空間や内装材の質感アップが図られ、上質なファミリーカーをアピールした。

4代目(RT80型)「トヨペットコロナ」の透視図

機構面は基本的には3代目から継承し、パワートレインは従来からの77ps/11.0kgmの1.5L 直4 OHV、85ps/12.5kgmの1.6L 直4 SOHC、100ps/13.6kgmの同(ツインキャブ仕様)エンジンの3種と、3速/4速MTおよび2速/3速AT、国産車初の電子制御3速ATの組み合わせ。

4代目(RT80型)「トヨペットコロナ」

その後、1.5L→1.6L、1.6L→1.7Lエンジンに換装、さらに1971年3月にはハードトップに1.9Lエンジンを追加し、1972年8月に“ハードトップ1900”は2.0Lエンジンに換装され、EFIを装着した“2000SL・EFI”や“2000SR”も設定しパワーアップされた。

車両価格は、52.2万~74.7万円に設定。4代目コロナは、人気大衆車として堅調な販売を続けたが、510型ブルーバード人気の勢いに圧倒され、また1968年9月に上級モデル「コロナ・マークII」が登場したことで、やや影の薄い存在となってしまった。

4代目(RT80型)「トヨペットコロナ」
4代目(RT80型)「トヨペットコロナ」のフロントシート

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コロナに奪われた小型乗用車トップの座の奪回に成功した3代目「ブルーバード(510型)」は、当時の大衆車としては異例の先進技術を投入した革新的なクルマだった。美しいデザイン、革新的な技術、優れた走り、世界ラリーの成功による国際的な名声と、歴代ブルーバードの最高傑作だった。

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