カーデザイン トヨタが知財功労賞を受賞 ハンマーヘッドやスピンドルを守り抜く「知財ミックス」戦略とは【写真・9枚目】 向かって左から須賀厚一氏(レクサスデザイン部長)、サイモン ハンフリーズ氏(チーフブランディングオフィサー)、園田達也氏(MSデザイン部長)、郷武志氏(Toyota Compact Car Companyデザイン部長)。 G型自動織機こと、無停止杼換式豊田自動織機(G型)。高速運転中に杼(シャトル)を交換することが可能となり、生産性を劇的に向上。1929年にプラット社(イギリス)に特許を譲渡した。 須賀厚一氏(レクサスデザイン部長)。2022年からは、GRのデザインも担当する。 トヨタのコンパクトカー系のデザインを統括する郷武志氏(Toyota Compact Car Companyデザイン部長)。 センチュリーのデザインを統括する園田達也氏(MSデザイン部長)。 組子細工がモチーフのフロントグリルは、奥に七宝文様を配置する二重構造になっている。 ジャパンモビリティショー2025でお披露目されたカローラ コンセプト。DRLの両端はバンパー左右端と連続性を持たせることにより、車両のワイド感を強調している。 RAV4はSUVとしての頑丈さや力強さを演出するため、フロント部分に厚みを持たせている。 プリウスは先進的なイメージを強調するため、ランプを薄く鋭い形状にデザイン。 トヨタは知財功労賞の受賞に伴い、メディア向けの取材会を実施した。ここはトヨタのデザイン本館内に設けられたデザイン検討場。豊田章男会長をはじめとする首脳陣が出席し、実車を眼の前にしながらデザインを含めた製品の承認を行なう場としても使われる。 CT200hのスピンドル型グリルの採用を経て、2012年登場のGSで上下一体のスピンドルグリルが初お目見えした。 「スピンドル」のモチーフはグリルまわりだけでなく、ボディにも取り入れられるようになった。 LF-ZCのスピンドルボディはグリルレスとしながらドアサイド、リヤバンパーへと断面を連続させるデザインにトライ。 レクサスLSクーペコンセプト。こちらもグリルレスだが、中央部の面構成と両端部のシグネチャーランプの両方でスピンドルを表現。 LSコンセプトもシグネチャーランプでスピンドルを表現。スピンドルはその時々の技術的要請、車両パッケージング、そして表現したい風格に応じてアップデートされる。 左の先代クラウンはグリル中心に表情をつくるという一般的なセオリー。一方、現行型クラウンはボディとヘッドライトの動き(アッパー部)でアイデンティティを形成し、ロワー部はクルマの方向性・コンセプトに応じて自由に設計する「ハンマーヘッド」の考え方に基づいている。 こちらがハンマーヘッドデザインの嚆矢となったコンセプトカーで、2019年、「EVの普及を目指して」と題した説明会で披露された。EV化でグリルの存在感が薄れるとブランド識別が難しくなるため、細く横連なりするランプ、ラジエーター開口部、ミリ波レーダーを一体の“一文字”として束ね、視覚的秩序と機能統合の両立を目指した。 シュモクザメの胴体(ボディ)と、そこから生える角というハンマーヘッドのモチーフを踏襲しながら、クルマごとに表現は最適化されている。 意匠に加えて特許・商標を併せて押さえる知財ミックス戦略により、多面的なブランド保護を実施している。 まずは車両全体の外形に関する意匠を取得するのが重要で、これが第一段階となる。 それだけでは模倣を防ぐことが難しいという課題があったため、第二段階としてスピンドルやハンマーヘッドといった部分意匠を"群”として取得することも行なっている。 ツートンカラーの塗り分けがもたらす「スポーティな視覚効果」や、リヤランプの形状によって「スライドドアの開口部を広く確保できる」といった価値は特許権で保護。また、ハンマーヘッドやスピンドルグリルの「形状」そのものを商標登録。 ジャパンモビリティショー2025に出展され大きな話題を呼んだセンチュリー(クーペ)。 この画像の記事を読む