エアコンも残される標準ボディでタイム出し
2017年冬、レイルのZC33S筑波スーパーバトル初戦は、ライトチューニングでタイヤは052を選び(F:225/45R17、R:215/45R17)、1分5秒766のタイムが刻まれた。続けてECUにタービン交換、サスセッティング、空力の追加、そして、タイヤの銘柄変更も進め、着実に自己ベストを書き換えながら、スーパーバトルでのZC33S最速の座も手にしてきている。
タイムはインフィールドのセクター2を主体に稼いでいる。2022年にはタイヤにA08B(サイズは前出A052と同じ)を履き、柴田優作の運転でタイムは1分1秒008に到達。
2023年からはAttack筑波にも参戦し、やはり柴田優作の運転で初記録は1分00秒417と、分切りが薄っすら視野に入る。すでにレイルは、SタイヤのADVAN A050を投入し(F:255/40R17、R:225/40R17)、アタック筑波に臨んでいる。昨年は、一挙にタイムが1分を切る59秒53へ。いよいよ今年は58秒941と、59秒の壁さえ突破した。
レイルのZC33Sチューンと柴田優作のドライビングが融合した快進撃だ。一貫するのは、ボディの基本はノーマルを保つこと。エアコンも残している。サスペンションは自社のキットで、タイヤはADVANを使う。
58秒台入りにはレイルでZC33Sの製作を担当する渋谷幸二さんの執念の解析もある。ヒントはYoutubeのAttack筑波公式チャンネルにあった。「走行動画が1周つながっていて、普段はつかめないアングルからクルマの動きがわかります。昨年の動画を徹底的に見て、デジスパイスのデータとも検証しました」
Attack筑波の動画より。上が2024の最終コーナー。下が2025年。同じ走行地点でこれだけタイム差がついていた。2025年はクリップにつき、すでに立ち上がりを目指している。車両の姿勢も安定し、2024年のようにはリア内輪がほぼ浮かない。
デジスパイスのログデータから2025年の進化が読み取れる
1ヘアからダンロップコーナーへの切り返しでロールを減らしてセクター2を大幅にタイプアップ!


グラフの赤線が2025年。青線が2024年。ダンロップコーナーでは去年はアクセルOFFで車速が落ちるが、今年はハーフスロットルで高いボトムスピードを保つ。ダンロップ進入時の切り返しで横Gも1.5Gを超えるが、ロールが減少した分、今年は横Gも行き過ぎない。速度差は最大10km/h。セクター2が大きくタイム短縮した。最終コーナーもボトムが速い
高G域での切り返し姿勢が安定してドライバーにも安定感をもたらした
第1ヘアピンを脱出し、ダンロップコーナーにアプローチするまでの姿勢。ぜひアタック筑波のYouTubeチャンネルで2024年と2025年を見比べ、デジスパイスのログとも照合してほしい。柴田優作の運転とともに車両の進化が明解。
2024年
2025年
0.589秒更新はサスと空力の進化が大

その成果を渋谷さんが明かす。
「2024年から約0.6アップ。柴田さんも頑張ってくれた結果ですが、昨年に続いて、やはりタイムの稼ぎどころは高速コーナー。伸びたのは、セクター2のダンロップコーナーから80R。セクター3の最終コーナー。クルマができていないと当然、柴田さんも攻めきれない。
昨年までは動画からダンロップコーナーに入る手前、1ヘアを出て左に右にクルマを切り返しますが、わずかながらロールの影響があって、走行ラインも外へ膨らんでいた。それがダンロップや80Rでのロール、挙動にも関わっていました。
旋回にはロールは必要ですが、ZC33Sは全高もある。サスはロールを抑える方向にして、柴田さんからダウンフォースは効くほどよいといわれて空力も見直し、クルマが路面に吸い付いて進む他車のシビックタイプRもイメージし、速いFF車の走りを目指しました。
凄くダンロップ進入での姿勢が安定し、昨年は柴田さんがアクセルOFFで入ったところをハーフで走れた。最終コーナーもタイムは縮み、サスと空力の進化によるタイム短縮は、0.4秒と見ています。残り0.2秒はタービン交換のエンジン出力を、インジェクター交換で高めた分だと考えます」
後編に続く
(6月10日 19時10分配信予定)
■レイル TEL045-824-1835 http://laile.co.jp/







