連載

ゲンロクWeb徹底解説シリーズ

MERCEDES-BENZ S CLASS

メルセデス・ベンツ Sクラスとは

メルセデス・ベンツの最上級モデルであるSクラスには、先進技術や快適装備がいち早く採用されている。
メルセデス・ベンツの最上級モデルであるSクラスには、先進技術や快適装備がいち早く採用されている。

「メルセデス・ベンツ Sクラス」は、同ブランドの乗用車ラインナップにおける最上級セダンであり、先進技術や快適装備をいち早く採用してきたフラグシップモデルである。W223型は2020年に発表され、日本市場にも導入された。エクステリアにはエレガントで伸びやかなシルエットを採用し、インテリアには大型有機ELディスプレイや最新世代のMBUXインフォテインメントシステムを装備する。

また、高度なADASや後輪操舵システム「リヤ・アクスルステアリング」、エアサスペンションなどを採用し、快適性と走行安定性を高次元で両立。ハイブリッドパワートレインによって環境性能と高級車としての静粛性を追求している。

既に大規模改良モデルも公開されており、新世代のインフォテインメントシステムや内外装デザインの刷新、運転支援機能の強化などが予定されている。日本市場への導入時期は現時点で正式発表されていない。

メルセデス・ベンツ Sクラスの外観・内装

メルセデス・ベンツ Sクラスの外観と内装は、ブランドのフラッグシップにふさわしい上質さと先進性を備えている。存在感のあるスタイリングと、快適性を重視した室内空間が特徴である。

外観:洗練された存在感あるデザイン

現行型メルセデス・ベンツ Sクラスは、伝統的なラグジュアリーセダンのプロポーションを継承しながら、空力性能を重視した滑らかなフォルムを採用している。大型のフロントグリルや流麗なボディラインにより、威厳と先進性を両立したデザインに仕上げられている。

デジタルライトや高精度LEDリヤコンビネーションランプなどが、夜間の視認性向上と高級感の演出にも一役かっている。長めのホイールベースによる伸びやかなサイドビューも、フラッグシップセダンとしての存在感を強く印象づける。AMGライン装着車ではスポーティな大径ホイールなどによって、よりダイナミックな印象を醸し出している。

内装:先進技術と快適性を融合

メルセデス・ベンツ Sクラスの内装は、高級素材と最新のデジタル技術を組み合わせたラグジュアリー空間となっている。センターには大型の有機EL「メディアディスプレイ」を配置し、MBUXによる直感的な操作が可能である。アンビエントライトや高品質レザー、ウッドトリムなどが上質感を高めている。

助手席側後席にはフットレスト付きエグゼクティブシートや「ふくらはぎリラクゼーション」機能などもオプション設定され、ショーファードリブンとしても高い快適性を実現している。加えて、後席専用ディスプレイや高性能オーディオシステムなども設定されており、移動時間を快適に過ごせる環境を構築。遮音性能の高い構造を採用して外部ノイズを低減し、静粛性の高い上質な移動空間を提供する。

メルセデス・ベンツ Sクラスのサイズ

メルセデス・ベンツ Sクラスのサイズは、フラッグシップセダンにふさわしいゆとりを備えている。ロングホイールベースによる広大な室内空間も大きな特徴である。

ボディサイズ:堂々とした大型セダン

現行型メルセデス・ベンツ Sクラスのボディサイズは、全長約5.2m、全幅約1.9mという大型セダンらしいスケール。伸びやかなホイールベースによって、優雅なスタイリングと高い居住性を両立している。一方で、リヤ・アクスルステアリングの採用により、狭い場所での取り回し性能にも配慮されている。大型セダンでありながら最小回転半径を5.4m(ロングホイールベース仕様は5.5m、AMG S 63は5.9m)に抑え、市街地でも扱いやすさを確保している。

堂々としたサイズ感に加え、空力性能や操縦安定性にも配慮されたパッケージングとなっており、高速巡航時にも優れた直進安定性を発揮する。さらに、ロングモデルではホイールベースを110mm延長することで後席空間を拡大し、ショーファーカーとしての快適性を向上させている。

室内スペース:後席にも広い空間

メルセデス・ベンツ Sクラスは、後席の快適性も重視した広い室内空間を特徴としている。特にロングモデルでは足元空間に余裕があり、ショーファーカーとしても高い評価を得ている。後席にはリクライニング機能やオットマン、シートヒーター、ベンチレーション機能などを備えた仕様も設定。静粛性にも優れ、高速走行時でも会話がしやすい快適なキャビン空間を実現している。

さらに後席エンターテインメントシステムや高品質オーディオ、アンビエントライトなども用意され、乗員が快適に移動できる環境を整備。トランク容量は500L超(VDA方式。AMG S 63は260L)と十分に確保されており、長距離旅行やビジネス利用にも対応できる実用性を備えている。

メルセデス・ベンツ Sクラスの走行性能・燃費性能

メルセデス・ベンツ Sクラスは、優れた走行性能と高い快適性を両立している。さらに電動化技術の導入により、燃費性能にも配慮されている。

走行性能:快適性と安定性を高次元で両立

メルセデス・ベンツ Sクラスには、3.0リッター直6ガソリンおよびディーゼルエンジンと4.0リッターV8ガソリンエンジンが用意される。それぞれに、メルセデスが「インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター(ISG)」と呼ぶ48Vマイルドハイブリッドシステムが組み合わせられる。リア・アクスルステアリングが高速域での安定性と市街地での取り回し性能を両立。長距離移動でも疲労を感じにくい快適な乗り心地を提供する。

「メルセデス AMG S 63 E パフォーマンス」は性能アップが図られたV8エンジンにプラグインハイブリッドシステムを統合し、システム合計で最高出力590kW(802PS)、最大トルク1430Nmを発生する。可変ダンパーとエアサスペンションを電子制御する「エアマティックサスペンション」に加え、四輪それぞれに48V電動油圧ユニットを装備する「Eアクティブボディコントロール」によって、快適性と安全性を高度なレベルに引き上げている。

燃費性能:電動化技術で効率向上

現行型メルセデス・ベンツ Sクラスでは、48Vマイルドハイブリッドやプラグイン ハイブリッドシステムを採用し、燃費性能の向上を図っている。3.0リッターディーゼルエンジンの「S 450 d」がWLTCモードで13.7km/L、同ガソリンエンジンのS 500が11.1km/Lと、高級セダンとしての動力性能と静粛性を維持しながら環境面にも配慮したパワートレイン構成となっている。

また、AMG S 63 E パフォーマンスに搭載されたプラグインハイブリッドシステムはEV走行にも対応し、約38kmのEV走行が可能。

メルセデス・ベンツ Sクラスの購入価格・維持費

メルセデス・ベンツ Sクラスの日本での価格は約1500万円から。豊富なオプションによって、購入価格は大きく異なる(写真は細かなカスタマイズを行うドイツの " Center of Excellence"に展示されるMercedes-Maybach S-Class)。
メルセデス・ベンツ Sクラスの日本での価格は約1500万円から。豊富なオプションによって、購入価格は大きく異なる(写真は細かなカスタマイズを行うドイツの ” Center of Excellence”に展示されるMercedes-Maybach S-Class)。

メルセデス・ベンツ Sクラスは高級セダンとして高価格帯に位置する。電子制御など先端技術も多く搭載されており、メンテナンスコストも一般的なセダンに比べ高額になる傾向がある。

購入価格:高級車らしい価格帯

メルセデス・ベンツ Sクラスの日本における新車価格は、ベースモデルのS 450 d が1500万円台から。最上級のAMG S 63は約3800万円の価格が設定されている。充実した安全装備や最新のインフォテインメントシステム、高級素材を用いた内装などを標準装備しており、高額ではあるがフラッグシップモデルとして商品力は高いと言えるだろう。オプションも豊富で、最終的な価格は仕様によって大きく異なる。

維持費:高性能ゆえの維持費に注意

メルセデス・ベンツ Sクラスは大型高級セダンであるため、自動車税や重量税、タイヤ交換費用などの維持費は比較的高額となる。先進装備を多数採用していることから、整備や修理費用も一般的なセダンより高くなる可能性がある。ただし、正規ディーラーによるメンテナンスプログラムを利用することで、維持しやすい環境も整えられている。(以下はS 500 4MATICの場合の概算。)

メルセデス・ベンツ Sクラス モデル解説

メルセデス・ベンツ Sクラスには複数のモデルが用意されており、それぞれパワートレインや装備内容が異なる。ここでは、現在、日本で取り扱いのある仕様について解説する。

メルセデス・ベンツ S クラス

現行型メルセデス・ベンツ Sクラスには、「S 450 d 4MATIC (ISG)」、「S 500 4MATIC(ISG)」、「S 580 4MATIC(ISG)」が主要ラインナップとして用意されている。ベースモデルであるS 450d 4MATIC(ISG)は、3.0リッター直6ディーゼルターボエンジンにISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)を組み合わせ、高トルクによる余裕ある走行性能と優れた燃費性能を両立している。

S 500 4MATIC(ISG)は、3.0リッター直6ガソリンを搭載し、静粛性と滑らかな加速性能を特徴とするモデルである。上級仕様のS 580 4MATIC(ISG)は、4.0リッターV8エンジンが力強く余裕のある走りを実現している。

また、S 500 4MATICおよびS 580 4MATICには、ホイールベースを3105mmから3215mmに延長した「long」仕様も設定されている。後席空間をさらに拡大することで、ショーファーカーとしての快適性を高めている。

エクステリアは共通してエレガントなスタイリングを採用しつつ、AMGラインなどの選択によってスポーティな印象を強めることもできる。インテリアには大型の有機ELディスプレイや最新世代のMBUXを採用し、ラグジュアリー性と先進性を高いレベルで融合している。

発表2020年
全長/全幅/全高/ホイールベース5180(5290*)/1930/1505/3105(3215*)mm  * “long” 仕様
パワートレイン(すべてマイルドハイブリッド)直列6気筒ディーゼル
直列6気筒ガソリン
V型8気筒ガソリン
総排気量直6ディーゼル:2988cc
直6ガソリン:2996cc
V8ガソリン:3982cc
最高出力、最大トルク
・直6ディーゼル
・直6ガソリン
・V8ガソリン
367PS(270kW)/4000rpm、750Nm/1350~­2800rpm
449PS(330kW)/5800~6100rpm、560Nm/2200~5000rpm
503PS(370kW)/5500rpm、700Nm/2000~4500rpm
トランスミッション、駆動方式9速AT、AWD
車両重量2090kg~2260kg
0→100km/h加速
最高速度

メルセデス AMG S 63 E パフォーマンス

メルセデス AMG S 63 E パフォーマンスは、Sクラスの快適性とAMGによる高性能技術を融合したハイパフォーマンスモデルである。出力向上を図った4.0リッターV8ツインターボエンジンにプラグインハイブリッドシステムを組み合わせ、システム最高出力は800PSを超える圧倒的なパフォーマンスを実現している。

また、AMG専用チューニングが施されたサスペンションや「4MATIC+」全輪駆動システムなどを採用し、高速域でも優れた安定性と俊敏なハンドリングを両立。リヤアクスルを駆動する出力 140kW(190PS)のモーターによる、瞬時のレスポンスも大きな特徴だ。

エクステリアにはAMG専用フロントグリルや大型エアインテーク、専用ホイールなどを採用し、通常のSクラスとの差別化を図っている。インテリアにもAMG専用スポーツシートやスポーツステアリングを装備し、ラグジュアリーセダンでありながら高性能モデルとしての個性を強調している。

発表2023年
全長/全幅/全高/ホイールベース5335/1920/1515/3215mm  
パワートレインV型8気筒ガソリンターボ(プラグインハイブリッド)
総排気量3982cc
エンジン最高出力、最大トルク
システム合計
612PS(450kW)/5500~6500、900Nm/2500~4500rpm
802PS(590kW)、1430Nm
トランスミッション、駆動方式AMGスピードシフトMCT9、AWD
車両重量2680kg
0→100km/h加速3.3秒
最高速度

メルセデス・ベンツ Sクラスの新車・中古車価格

メルセデス・ベンツ Sクラスの新車価格はグレードによって異なり、エントリーグレードでも高価格帯に位置する。中古車市場では、年式や走行距離、装備内容によって価格帯は幅広い。現行型W223の中古車は比較的新しいモデルが中心であり、高価格帯を維持している傾向がある。一方、初期のモデルでは価格が下がった車両も見られ、高級セダンを比較的手頃に購入できるケースもある。

 新車価格中古車価格
メルセデス・ベンツ S 450 d 4MATIC (ISG)1575万円約650万円(初期型の400 d)~
約2000万円(現行の580 long)
メルセデス・ベンツ S 500 4MATIC (ISG)1683万円
メルセデス・ベンツ S 580 4MATIC (ISG)1936万円
メルセデス・ベンツ S 500 4MATIC long (ISG)2131万円
メルセデス・ベンツ S 580 4MATIC long (ISG)2359万円
メルセデス AMG S 63 E パフォーマンス3799万円

メルセデス・ベンツ Sクラスについて多い質問

以下では、メルセデス・ベンツ Sクラスについて多い質問・疑問に回答する。

Q:メルセデス・ベンツ Sクラスのマイナーチェンジについて

現行W223型Sクラスの大規模改良モデルは今年に入って公開済で、間もなく正式に発売される見込み。マイナーチェンジモデルには、新世代MBUX(「センターメディアディスプレイ」と助手席側に拡がるパッセンジャーディスプレイが一体となった「MBUXスーパースクリーン」)が採用される。そのほか、最新のMB.OSの採用、内外装デザイン刷新、運転支援機能強化などが主な変更点とされる。日本導入時期についてはまだ発表されていないが、メルセデス・ベンツ ジャパンの公式ウェブサイトでも正式に「日本導入予定」とされている。

Q:Sクラスはマイルドハイブリッド仕様だけか?

AMG S 63 E パフォーマンスは高性能をプラグインハイブリッドシステムで実現したモデル。日本での取り扱いはないが、プラグインハイブリッドモデル「S 580 e 4MATIC long」が市場によっては設定されている。PHEVはEV走行にも対応し、静粛性や環境性能を高めている点が特徴である。日常域では電気のみでの走行も可能である。

Q:SクラスにEV仕様はあるか?

現行メルセデス・ベンツ SクラスにはバッテリーEV(BEV)仕様は設定されていない。EVラインナップでSクラスに近いポジションのモデルとしては、「メルセデス・ベンツ EQS 450+」と「メルセデス AMG EQS 53 4MATIC+」がある。一方、Sクラスでは48Vマイルドハイブリッド(ISG)や、高性能PHEVが設定されており、電動化技術を取り入れながらラグジュアリーセダンとしての走行性能と快適性を追求している。

メルセデス・ベンツ Sクラスの購入方法

日本でもマイナーチェンジモデルの発売が近いSクラス。正規ディーラーでは詳細な情報が得られるだろう。
日本でもマイナーチェンジモデルの発売が近いSクラス。正規ディーラーでは詳細な情報が得られるだろう。

メルセデス・ベンツ Sクラスは、全国のメルセデス・ベンツ正規販売店で購入できる。新車ではグレードやオプションを選択し、自分に合った仕様がオーダーできる。また、認定中古車制度「サーティファイドカー」を利用すれば、保証付きの中古車を選択できる。間もなくマイナーチェンジが行われると予想されるため、新車購入にあたっては正規ディーラーで詳しい情報を収集することをお勧めする。

メルセデス・ベンツSクラスの最高グレード装備を細かく見比べた【どっち買う?重箱の隅ツツキ隊:02】

クルマを購入する際、車種は絞れてもグレードは何を選ぶべきか……。最後まで悩んだ経験をお持ちの方も少なくないはずだ。車種によっては、メーカー(ブランド)が想定するユーザー層が、グレードの装備差に表れている場合もある。この連載ではグレード選びに迷った際の最終決断のポイントを示唆するものである。2回目は、メルセデス・ベンツの最上級セダンである「Sクラス」を取り上げる。

連載 ゲンロクWeb徹底解説シリーズ

ブランドのフラッグシップとして、長年にわたり高級セダンの基準を築いてきたメルセデス・ベンツ Sクラス。
by ゲンロクWeb
名鑑 2026.05.31

威厳と先進技術を融合した最高級サルーン「メルセデス・ベンツ Sクラス」|性能や特徴、新車・中古車価格

メルセデス ベンツ Gクラスは1979年の誕生以来ほとんど変わらないデザインと本格オフローダーとしての構造を維持しながら進化してきた(写真はフル電動仕様のG580 with EQ Technology)。
by ゲンロクWeb
名鑑 2026.05.17

唯一無二のラグジュアリーオフローダー「メルセデス・ベンツGクラス」|性能・価格・各モデルの違いを解説

ベンテイガはベントレー初のSUVとして2015年に登場した。
by ゲンロクWeb
名鑑 2026.05.03

最近流行の超高級SUVのベンチマーク「ベントレー ベンテイガ」|性能や特徴、新車・中古車価格