Audi A4
アウディ A4 とは

アウディのミドサイズモデルの「A4」は、ブランドの主力モデルとして重要な役割を担った。2015年に発表された最終世代は、デザイン・走行性能・安全性能・快適性を全面的に刷新し、「このセグメントの新たなベンチマーク」を目指して開発された。最大120kgの軽量化を実現するとともに、高効率化された2.0リッター直列4気筒「TFSI」直噴ガソリンターボエンジンや当時としては最新のADAS(先進運転支援システム)を採用し、プレミアムセダンとしての完成度を高めた。
実用性を高めたステーションワゴンのアバント、エントリーグレードの1.4 TFSI(2020年のマイナーチェンジで廃止)、高性能版のS4やRS 4 アバント、さらにはクリーンディーゼルモデルのTDIなどが追加され、幅広いラインナップを形成した。2020年にはマイナーチェンジが行われ、デザインやデジタル機能、安全装備を刷新するなど、継続的な進化を遂げている。
なお、2026年7月現在、A4は新車販売を終了しており、アウディの新モデル戦略のもと、その役割は「A5」へ引き継がれている。
アウディ A4 の外観・内装


アウディ A4の外観と内装は、先進技術と上質感を融合させたデザインが特徴である。従来型から進化したプロポーションと広く快適な室内空間によって、プレミアムモデルらしい魅力を高めている。
外観:空力性能と存在感を両立
アウディ A4は、バランスの良いプロポーションとスポーティな存在感を両立したデザインを採用する。よりワイドに低く見える「シングルフレームグリル」や、立体的な造形のヘッドライトがフロントフェイスを印象付ける。空力性能の向上にも注力しており、トランクリッドやミラーの形状、アンダーボディ処理などを最適化。その結果、セダンでCd値0.23、アバントで0.26という優れた空力性能を実現した。(後期モデルでは0.25と0.27。)
2020年には、ほぼすべてのボディパネルを刷新。ワイドで力強いシングルフレームグリルやブリスターフェンダーを採用し、スポーティさをさらに強調したデザインへと進化した。
内装:広さと先進性を追求
アウディ A4のインテリアは水平基調のデザインを採用し、開放感と上質感を両立している。ダッシュボードには帯状のエアアウトレットを配置し、シンプルで洗練された印象を与える。室内空間も前世代より拡大されており、ショルダールームやヘッドクリアランス、後席レッグルームが拡大。「アウディ バーチャルコックピット」といった当時の先進技術を採用し、快適性と利便性を高めた。
2020年には最新世代のインフォテインメントシステムを採用。センターディスプレイはタッチパネル方式に進化し操作性を向上させるとともに、よりシンプルでモダンなコクピットデザインを実現した。
アウディ A4 のサイズ


アウディ A4のサイズは先代モデルよりもわずかに拡大されているが、軽量化も実現している。居住性向上と優れた取り回しを両立したパッケージングが特徴である。
ボディサイズ:拡大しながら低重心化
2016年登場の初期型A4セダンのボディサイズは全長4726mm、全幅1842mm、全高1434mm(アバントは1441mm)、ホイールベース2820mmである。旧型に比べて全長が25mm、全幅は16mm拡大され、ホイールベースも12mm延長された。一方で全高は従来型と同じで、プレミアムセダンらしい低く構えたスタイルを維持している。特にフロントエンドは、水平を強調したラインとフェンダー上部までカバーするボンネットにより、ボディの幅広さが強調されている。
室内スペース:快適性を向上
アウディ A4は居住空間も旧モデルから改善されている。ショルダー幅は11mm、前席のヘッドクリアランスは24mm拡大されたほか、室内長も17mm延長された。さらに後席のレッグルームは23mm拡大されており、前後席ともスペースが広がり快適性が向上している。水平基調のインテリアデザインや低く設計されたダッシュボードも相まって、数値以上に広さを感じられるデザインが施されているのが特徴と言える。
アウディ A4 の走行性能・燃費性能

アウディ A4は、軽量ボディと最新のエンジン技術によって当時としては優れた走行性能と燃費性能を両立した。特に新世代のTFSIエンジンとquattro四輪駆動システムは大きな進化を遂げた。
走行性能:最新のTFSIとquattro
アウディA4の初期モデルには190PS仕様と252PS仕様の「2.0 TFSI」エンジンが設定された。252PS仕様のquattroモデルは0-100km/h加速5.8秒(アバントは6.0秒)を実現。四輪駆動システムは通常時に前後40:60で駆動力を配分し、状況に応じてフロント70%からリア85%まで変化する。
新たに開発された前後の5リンクサスペンションや軽量化された電動パワーステアリングによって、高い操縦安定性と快適な乗り心地も実現。2020年のマイナーチェンジでは12Vマイルドハイブリッドシステムを採用し、燃費性能と快適性を高めている。
燃費性能:ライトサイジングを採用
アウディ A4は「ライトサイジング」という技術コンセプトを採用して開発された。メインの直列4気筒ガソリンエンジンである2.0 TFSIは、新しい燃焼方式や高圧縮比化によって効率が向上。また、7速Sトロニックトランスミッション(DCT)には、アクセルオフ時にエンジンと駆動系の接続を切り離して惰性走行を行う「フリーホイーリング機能」も採用。デビュー時にはNEDC(新欧州ドライビングサイクル)モードでセダンが100km走行あたり4.8L、アバントが5.0Lという燃費(約20km/L)を達成している。
2021年にはシリーズ初のディーゼルモデル「35 TDI」および「40 TDI quattro」が追加された。35 TDIは163PS、380Nmを発揮し、WLTCモード17.1km/Lという優れた燃費性能を実現している。
アウディ A4 の購入価格・維持費

アウディ A4の購入価格や維持費は、グレードや年式によって大きく異なる。
購入価格:仕様による幅広い選択肢
新車で販売されていた当時、アウディ A4は1.4 TFSIを搭載する標準モデルから、高性能なS4やRS 4 アバントまで幅広いラインアップを展開していた。2020年に行われたマイナーチェンジでは1.4リッターエンジンが廃止された一方でディーゼルエンジン搭載仕様も追加され、35 TDI アドバンストの538万円から40 TDI quattro S lineの641万円という価格設定だった。さらに限定モデルのRS 4 アバント RS コンペティションは1535万円と、仕様によって価格は大きく異なった。
維持費:グレードによる差
アウディ A4ファミリーの維持費は排気量やタイヤサイズ、保険料によって大きく異なる。標準的なモデルでは維持費が抑えられる傾向にある一方、RS 4 アバントなどの高性能仕様の場合、ハイパフォーマンスタイヤや専用部品などの採用によってメンテナンスコストが高額になるケースも考えられる。(以下は後期型のベースモデル「A4 35 TFSI」の場合の概算。)
| 区分 | 項目 | 年間費用(円) | 備考 |
| 税金・保険 | 自動車税 | 3万6000 | 1984cc |
| 重量税 | 1万6400 | 重量2tまで2年間で3万2800円 | |
| 自賠責 | 8825 | 2年分1万7650円 | |
| 任意保険 | — | 車両保険に加入するか等の条件によって大きく異なる | |
| メンテナンス | オイル | 4万 | 銘柄等により変動。年1回交換と想定 |
| タイヤ | 5万 | 4年で交換と想定 | |
| 消耗品 | 随時 | ブレーキパッド/フルード、バッテリー等の交換・整備費用 | |
| 日常費用 | 燃料 | 13万 | 年間10000km走行、燃費約13km/L、ガソリン¥170/Lで計算 |
| 駐車場 | — | 環境によって異なる | |
| 合計 | 約40万〜 | 注)税金・自賠責保険料以外はすべて概算 |
アウディ A4 モデル解説





アウディ A4は、セダンやアバント(ステーションワゴン)を中心に、高性能モデルのS4やRS 4 アバント、クロスオーバーのオールロードクワトロ、ディーゼルモデルのTDIなど幅広い派生モデルを展開した。ここでは各モデルの特徴を紹介する。
A4/A4 アバント/A4 オールロードクワトロ
アウディ A4シリーズの中核を担った標準モデルで、セダンとステーションワゴン(アバント)を展開し、プレミアムセダンとしての快適性と高い実用性を両立した。パワーの異なる2.0リッターガソリンおよびディーゼルエンジンが用意され、用途や予算に応じて選択できる幅広いラインアップが特徴だった。
特にA4 アバントはセダンの上質な走りを維持しながら積載性を高めたモデルとして人気を集め、A4シリーズの販売を支える存在となった。さらにA4 アバントをベースに車高を高め、専用外装とクワトロ四輪駆動システムを採用したクロスオーバーワゴンとして、A4 オールロードクワトロもラインナップ。ステーションワゴンの実用性とSUV的な走破性を兼ね備えたモデルとして位置付けられた。
2021年にはシリーズ初となるクリーンディーゼルモデルが追加された。35 TDIは前輪駆動、40 TDI クワトロは四輪駆動という構成で、ユーザーの用途に合わせた選択が可能だった。ガソリンモデルと比較して低回転域から大きなトルクを発揮することが特徴で、高速道路での巡航性能や長距離移動での快適性に優れる。
| 発売 | 2016年 |
| 全長/全幅/全高/ホイールベース(後期型) | 4760/1845/1410(アバントは1435)/2820mm |
| パワートレイン | ・2.0リッター直列4気筒ガソリンターボ ・2.0リッター直列4気筒ディーゼルターボ |
| 総排気量 | ・1984cc(ガソリン) ・1968cc(ディーゼル) |
| エンジン最高出力、最大トルク (ガソリン) | ・150PS(110kW)、270Nm/1350~3900rpm ・249PS(183kW)、370Nm/1600~4500rpm |
| エンジン最高出力、最大トルク (ディーゼル) | ・163PS(120kW)、380Nm/1500~2750rpm ・190PS(140kW)、400Nm/1750~3250rpm |
| トランスミッション、駆動方式 | 7速Sトロニック、FWD/AWD |
| 車両重量 ・ガソリンエンジンモデル ・ディーゼルエンジンモデル | ・1500kg(後期型 A4 35 TFSI セダンの場合) ・1580kg(A4 35 TDI advanced セダンの場合) |
| 0→100km/h加速(セダン) ・ガソリンエンジン(前期型) ・ディーゼルエンジン | ・7.3秒/5.8秒 ・7.7秒(40 TDI quattro) |
| 最高速度 ・ガソリンエンジン(前期型) ・ディーゼルエンジン | ・210km/h、250km/h ・241km/h(40 TDI quattroセダン) |
S4/S4 アバント:スポーティさと実用性の両立
アウディ S4はA4に設定された高性能モデルである。標準モデルの実用性や快適性を維持しながら、よりスポーティな走りを求めるユーザーに向けて開発された。搭載される3.0リッターV6ターボエンジンは最高出力354PS、最大トルク500Nmを発揮。8速ティプトロニックトランスミッション(AT)とquattro四輪駆動システムを組み合わせることで、高速道路からワインディングロードまで余裕あるパフォーマンスを実現した。
専用デザインのエクステリアやスポーツサスペンション、スポーツシートなども採用されており、日常使いとスポーツ性能を高い次元で両立している。ステーションワゴンのS4 アバントも設定され、実用性を重視するユーザーからも支持を集めた。
| 発売 | 2016年 |
| 全長/全幅/全高/ホイールベース | 4770/1845/1410(アバントは1435)/2825mm |
| パワートレイン | 3.0リッターV型6気筒ターボ(3.0TFSI) |
| 総排気量 | 2994cc |
| エンジン最高出力、最大トルク | 354PS(260kW)、500Nm/1370~4500rpm |
| トランスミッション、駆動方式 | 8速ティプトロニック、AWD |
| 車両重量 | 1700kg(アバントは1740kg) |
| 0→100km/h加速 | 4.7秒(セダン)/4.9秒(アバント) |
| 最高速度 | 250km/h(リミッター) |
RS 4 アバント:最高峰のスポーツ仕様
アウディ RS 4 アバントはアウディスポーツが開発したA4ファミリーにおける最高峰のハイパフォーマンスモデルである。歴代のRS 4はアバントボディを中心に展開されてきたことでも知られ、高性能スポーツカーの走りとステーションワゴンの実用性を融合した独自のキャラクターを持つ。最終モデルではアウディスポーツの手による2.9リッターV6ツインターボエンジンを搭載し、最高出力450PS、最大トルク600Nmを発揮する。
専用のワイドフェンダーや大径ホイール、RS専用シャシーによって標準モデルとの差別化が図られており、アウディ A4の中でも特別な存在として位置付けられた。2023年にはA4シリーズの集大成ともいえる限定モデル「RS 4 アバント RS コンペティション」が登場。足回りや制御プログラム、排気システムなどに専用チューニングが施され、0-100km/h加速3.9秒、最高速度290km/hを実現した。
| 発売 | 2019年(日本導入) |
| 全長/全幅/全高/ホイールベース | 4780/1865/1435/2825mm |
| パワートレイン | 2.9リッターV型6気筒ツインターボ(2.9TFSI) |
| 総排気量 | 2893cc |
| エンジン最高出力、最大トルク | 450PS(331kW)、600Nm/1900〜5000rpm |
| トランスミッション、駆動方式 | 8速ティプトロニック、AWD |
| 車両重量 | 1820kg |
| 0→100km/h加速 | 4.1秒 |
| 最高速度 | 280km/h(リミッター) |
アウディ A4 の新車・中古車価格

アウディ A4は既に新車販売を終了している。中古車市場では2016年の初期型から最終仕様まで幅広く流通しており、ボディタイプもセダンとアバントから選択できる。また、多彩なパワートレインが存在するため、予算や用途に応じて選びやすい。購入時には年式や走行距離だけでなく、整備履歴や保証の有無、装備内容なども確認したい。
| グレード | 新車価格:セダン/アバント (2020年マイナーチェンジ当時) | 中古車価格 |
| 35 TFSI | 455万円/484万円 | 100万円~600万円 |
| 35 TFSI advanced 35 TDI advanced | 523万円/552万円 538万円/567万円 | |
| 35 TFSI S line 35 TDI S line | 570万円/599万円 585万円/614万円 | |
| 45 TFSI quattro advanced 40 TDI quattro advanced | 580万円/609万円 565万円/594万円 | |
| 45 TFSI quattro S line 40 TDI quattro S line | 627万円/656万円 612万円/641万円 | |
| S4 | 895万円/924万円 | 250万円~700万円 |
| allroad quattro | –/634万円 | 150万円~450万円 |
| RS4 Avant | –/1250万円 | 550万円~1250万円 |
アウディ A4 について多い質問

以下では、アウディ A4について多い質問に回答する。
Q アウディ A4 の特徴は?
アウディ A4の特徴は、軽量なボディと優れた空力性能、先進的なデジタルコクピット、そしてquattroをはじめとする高い走行性能を高次元で融合している点にある。2015年型では最大120kgの軽量化とCd値0.23を実現し、その後も継続的な改良によって商品力を高めてきた。また、セダンに加えてA4 アバントや高性能なS4、RS 4 アバント、燃費性能に優れたTDIなど多彩な派生モデルが用意されたこともA4シリーズの大きな魅力である。
Q アウディ A4 アバントの魅力は?
アウディ A4 アバントはステーションワゴンならではの高い実用性が魅力である。荷室容量は後席を倒すことで最大約1500Lまで拡大できる。セダンと同等の走行性能と上質感を維持しながら、日常使いからレジャーまで幅広く対応できる。また、RS 4 アバントやS4 アバントといった高性能モデルも設定されており、実用性とスポーツ性能を両立できる点も特徴となっている。
Q アウディ A4は生産終了した?
アウディ A4の新車販売は終了しており、従来のA4ファミリーは現在「A5」に統合されている。基準モデルのA5に加え、S5、A5 e-hybridというグレード展開で、それぞれにセダンとアバントがラインナップされている。
アウディ A4 の購入方法

アウディ A4は既に新車販売を終了しているため、購入する場合は認定中古車センターや中古車販売店を利用することになる。流通量は比較的豊富で、初期型から2020年以降のマイナーチェンジモデルまで幅広い選択肢が存在する。購入時には希望するボディタイプやパワートレインに加え、整備履歴や保証内容も確認したい。
認定中古車であれば保証や点検プログラムが付帯する場合もあり、安心して購入できる。セダンやステーションワゴン、ディーゼルエンジン搭載モデル、S4、RS 4 アバントなど、好みや予算に応じて選べる点もA4の魅力である。
