安心して維持していくための選択肢

単なるパワーチューンではなく未来へ繋ぐためのアップデート!

ハイソカーブーム全盛期の1980年代後半を象徴する存在だった2代目ソアラ。なかでもブラックツートンのボディにサンルーフを備えたGZ20は、現在のネオクラシック市場でも高い人気を誇るモデルだ。

今回紹介する車両は、もともと1G-GTEを搭載していたGZ20。オーナーは長年乗り続ける中で経年劣化による不調に直面したが、そのタイミングで単なる修理ではなく“アップデート”という選択をした。

当時すでに旧世代となりつつあった2.0Lの1G-GTEをリフレッシュするよりも、後継ユニットとして熟成された後期型1JZ-GTEへ換装した方が、性能面だけでなく将来的な維持管理の面でも有利と判断したのである。

換装時にはHKSのGTIII-RSタービンや大容量インタークーラーも投入。エンジン本体はノーマルながら、400psに迫るパフォーマンスを獲得している。

制御には、当時の定番だったF-CON Vプロ Ver.3.1を採用。最新のフルコンほど多機能ではないものの、街乗りからスポーツ走行まで不満なくこなせる完成度を誇る。

排気系には、オーナー自らが以前ワンオフ製作したというバルブ付きマフラーを装着。通常時は消音仕様として機能し、バルブを開けばストレート排気へと切り替わる仕組みだ。テールランプのLED加工と合わせ、時代ごとのカスタムカルチャーを色濃く反映している点も興味深い。

足回りにも当時らしいチューニングメニューが盛り込まれている。フロントにはBNR32型GT-R用と思われるブレンボキャリパーを移植し、リヤには日産系の対向2ポッドキャリパーを装着。ホイールの奥に覗くその姿からは、90年代チューニングカーの雰囲気が色濃く感じられる。

トランスミッションは快適性を重視してATを継続使用。落ち着いた雰囲気の室内には、当時ならではの8セグ表示デジタルメーターが残されている。今となってはレトロフューチャーな魅力を放つ装備だ。

ダッシュボードはダッシュマットで保護されており、長年にわたって大切に扱われてきたことが伝わってくる。

現在は車検を切った状態で保管されており、オーナーはリフレッシュして再び乗り続けるか、それとも次の世代へ託すかを検討中とのこと。しかし、後期型1JZ-GTEへの換装をはじめとするアップデートのおかげで車両コンディションは良好。少し手を加えるだけで、再び第一線へ復帰できるポテンシャルを十分に秘めている。

ネオクラシックブームの高まりとともに、この世代の車両はますます貴重な存在となっている。だからこそ、このソアラにはこれからも走り続けてほしい。そう思わせてくれる一台だった。

●取材協力:HKS九州サービス 福岡県北九州市小倉南区蜷田若園3-12-15 TEL:093-931-6910

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