Nichols N1A

レイ・マロック社の協力を得て生産を開始

150台限定のオープンスポーツ「ニコルズ N1A」のエクステリア。
ニコルズ・カーズは、「N1A」の本格生産に向けて、豊富な車両開発経験を持つRML社の協力を仰いでいる。

ニコルズ・カーズは、F1マシンの開発携わってきたエンジニアのスティーブ・ニコルズ(Steve Nichols)によって2017年に設立された。2023年、ニコルズは「マクラーレン M1A」へのオマージュとして、同社初の市販モデル「N1A」を発表。3年間の開発・テスト期間を経て、ついにN1Aの生産が開始された。

本格的な生産体制構築に向けて、ニコルズ・カーズは新たに「RML(レイ・マロックLtd)」と提携。少量生産の高性能ロードカーおよびレーシングカーの設計・製造で豊富な実績を持つRML社が、カスタマー向け車両の生産において重要な役割を担うことになった。

今回の量産スタートは、究極の没入感をもたらすドライビング体験を実現することを目的とした、ニコルズ・カーズの包括的な開発プログラムの完了を受けて決定された。開発最終段階では、開発チームがドライバーとの一体感と感覚的フィードバックの向上に重点を置き、N1Aの改良を実施している。

N1Aの総生産台数は150台未満、価格は45万ポンド(約57万ドル)からとなる。発売を記念した15台限定の「アイコン 88(Icon 88)」は50万ポンド(約63万5000ドル)から。アイコン 88は、スティーブ・ニコルズがチーフデザイナーを務めた1988年のF1シーズンにおいて、マクラーレン MP4/4が記録した15勝を記念した特別仕様車となる。

入念に実施されたサーキットでの実走テスト

150台限定のオープンスポーツ「ニコルズ N1A」の走行シーン。
プロトタイプの完成後、ニコルズ・カーズは英国各地のテストで入念な実走テストを実施した。

量産仕様のN1Aは、軽量かつアナログなオープントップスーパースポーツという当初のコンセプトを忠実に継承。最新スーパースポーツのようなデジタル制御に依存するのではなく、ドライビングフィールやマシンバランス、そして機械的な純粋さを最優先に設計された。

デザインは、伝説的なF1デザイナーのスティーブ・ニコルズが指揮を採り、名車「マクラーレン M1A」にインスピレーションを受けて完成。そのグラマラスなエクステリアは、長年にわたるトップレベルのモータースポーツ技術を公道向けプラットフォームへと凝縮している。

ニコルズ・カーズのジョン・ミネットCEOが、実際の顧客利用環境を想定した最終プロトタイプ検証走行を経て、正式に開発完了を承認。テストは南ウェールズでスタートし、バナウ・ブレイヒニオグ(旧ブレコン・ビーコンズ国立公園)の風光明媚かつテクニカルな道路で走行を繰り返した。

その後、ペンブリー・サーキットで高速走行試験を実施。このプログラムにより、N1Aが公道での没入感あるドライビングから限界領域でのサーキット走行まで、幅広い能力を備えていることが証明されている。ミネットCEOは、あらためてN1Aの完成度に自信をのぞかせた。

「最初のN1Aのカスタマー向け車両の生産開始は、ニコルズ・カーズにとって非常に重要な節目となるでしょう。開発プロセスは大変充実した時間となりました。特に開発の過程でお客様やレーシングドライバー、メディアに対して車両を積極的に公開し続けてきたことが、大きな意味を持っています。その反響は圧倒的に好意的であり、そのフィードバックは量産仕様を磨き上げるうえで、大きな役割を果たしました」

700PSを超える7.0リッターV8NAエンジン

150台限定のオープンスポーツ「ニコルズ N1A」の7.0リッターV型8気筒自然吸気オールアルミエンジン。
GM製エンジンをベースにニコルズ・カーズが独自開発した7.0リッターV型8気筒自然吸気オールアルミエンジンが、リヤミッドに搭載される。

最終的な車両重量は900kg未満(2000ポンド未満)。ゼネラルモーターズ製「LS3」ブロックをベースに開発された7.0リッターV型8気筒自然吸気オールアルミエンジンは、標準仕様は最高出力482PS、オプションとして最高出力710PS仕様も用意された。これにより最大780PS/tという驚異的なパワーウエイトレシオを実現している。

トランスミッションはゲート式の6速MTを採用し、ドライバーとの高い一体感を実現。開発プログラムではN1Aが掲げる基本理念を検証するだけでなく、多数の改良も実施され、それらはちくいち量産モデルへと反映された。

エンジニアリングチームはECU制御を見直し、公道とサーキットでのドライビングパフォーマンスを向上。またブレーキシステムにも改良を加え、高速域からの減速時における車両バランスを改善した。これらのアップデートにより、より多くのドライバーが自信を持って性能を引き出せるようになったという。

足まわりに採用された4段階調整式ダンパーは、セッティングの自由度を広げるとともに、タイヤからの情報伝達を向上。乗り心地と操縦精度を高めている。また、スプリングレートも最適化され、高い横Gがかかる状況でも安定したコーナリングバランスを実現。一方で公道においては、扱いやすく快適な乗り心地を提供する。

クーリング性能も強化され、大型化されたラジエーターを採用。これにより低速走行時や渋滞時における冷却効率が大幅に向上した。エアロダイナミクスについてもアップデートが施され、新設計のリヤディフューザーと改良型リヤバランスが追加されている。

F1エンジニアのスティーブ・ニコルズによって開発されたオープントップスポーツ「ニコルズ・カーズ N1A」のエクステリア。

「これで公道走れるの?」と言いたくなる7.0リッターV8オープントップスポーツ「ニコルズ・カーズ N1A」

英国を拠点とするニコルズ・カーズ(Nicoles Cars)は、Can-Amシリーズを戦ったマクラーレン M1Aからインスパイアを受けたオープントップロードカー「ニコルズ・カーズ N1A」を公開した。今回、発表されたローンチ・エディションは、最高出力659PSを発揮する、7.0リッターV型8気筒自然吸気を搭載する。