名車&迷車を8台所有!

広島生まれの先天性マツダ症候群

広島県で生まれ育ったYEBISUさん。マツダのお膝元という土地柄もあってか、幼い頃から自然とロータリーエンジン搭載車に憧れを抱いていた。

免許取得後、通勤などの実用性を考えて最初に選んだ愛車はEK9シビックタイプR。しかし、DNAレベルに刻まれた“マツダ好き”の本能には抗えず、仕事が落ち着くと憧れだったFD3S RX-7へ乗り換えた。さらにセカンドカーとしてNA8Cロードスターを迎え入れたことで、その愛情は一気に加速していく。

当初は2台体制の予定だったが、NAロードスターを手放そうとした際、奥様から「残したら?」と背中を押されたことで状況は一変。現在ではFD3S、NA8C、NB8C、HC3Sルーチェ、SA22CサバンナRX-7の実動5台に加え、レストア待ちのFC3S、ユーノス500、ランティスを含めた計8台ものマツダ車を所有するまでになった。

今回紹介するHC3SルーチェとSA22CサバンナRX-7も、その膨大なコレクションの一部。いずれもメンテナンスのため、長野県のロータリー専門店として知られる郷田鈑金へ入庫していた車両だ。

まずルーチェは、1990年式後期型のロータリーターボリミテッド。幼い頃から街中で見かける機会が多く、父親もLA系ルーチェに乗っていたことから、以前から特別な思い入れを抱いていた1台だという。

HC系はルーチェ最後のモデルであり、個性的だった先代HB系から一転、欧州高級車を思わせる端正な4ドアハードトップへと進化した。YEBISUさんの車両には純正オプションのトランクスポイラーを装着し、足元には前オーナーが装着したBBSホイールをセット。タイヤは純正サイズの195/65R15を組み合わせている。

搭載される13Bロータリーターボは、FC3S前期用をベースとした180ps仕様。エンジン本体や補機類はフルノーマルを維持しており、唯一の変更点は腐食した純正マフラーに代わって、サクソンレーシングへ製作を依頼したノーマルルックのワンオフマフラーのみだ。

豪華装備を誇るロイヤルクラシックとは異なり、ロータリーターボリミテッドはスポーティな性格を持つグレード。しかし、その走りを標榜しながら組み合わされるミッションは4速ATのみだった。HC系オーナー共通の悩みでもあるATトラブルが発生したことから、現在はFC3S用5速MTへの換装を計画している。

一方、SA22CサバンナRX-7は、YEBISUさんのもとへやってきてまだ1カ月ほどという最新のコレクションだ。

前オーナーは75歳まで約30年間このSA22Cを所有していた人物で、免許返納を機に譲り受けることとなった。1984年式後期型SEリミテッドで、YEBISUさんが3オーナー目となる。

美しいブルーのボディは前オーナーによるオールペン仕様。センターガーニッシュ付きテールや、スムージングによってボディと一体化された純正オプションのゲートスポイラーが、後期型ならではの個性を際立たせている。

心臓部には、日本仕様のみに設定された165ps仕様の12Aターボを搭載。オレンジ色のサージタンクとエアクリーナーボックスが、高性能モデルであることをさりげなく主張する。エンジンは前オーナーによって丁寧に維持されていたものの、引き取り時に始動不良が発生したため、郷田鈑金で点検を実施。不要な後付け電装品も整理されることになった。

足元にはRSワタナベ製8スポーク14インチホイールと、195/60R14サイズのポテンザRE-71RSを装着。後期型はPCDが110から114.3へ変更されている点も特徴のひとつだ。

内装はSEリミテッドらしく、本革シートやエアコン、パワーウインドウ、電動ミラーなどの豪華装備を備える一方、ブルーのリクライニングバケットシートやスポーツマフラーなど、前オーナーのこだわりもしっかりと受け継がれている。

なかでも印象的なのが、リヤゲート内に残されていたミニカーや当時のスペックシート。30年間このSA22Cと歩んできた前オーナーの深い愛情を感じさせるものであり、YEBISUさんもその思いを受け継ぎ、大切に維持していくつもりだという。

「所有しているクルマはどれも大切ですが、やっぱりマツダ好きの原点はRX-7です。いつか全世代のRX-7を所有することを目標に、受験も仕事も頑張ってきました」。

50歳までに達成するつもりだった”歴代RX-7コンプリート”という夢は、このSA22Cとの出会いによって予定より大幅に早く実現した。

しかし、YEBISUさんのマツダ愛に終着点はない。次なる目標はサバンナRX-3、そしてユーノスコスモの入手。広島で育まれた”先天性マツダ症候群”は、これからも治る気配はなさそうだ。

●取材協力:郷田鈑金 長野県岡谷市郷田2-1-37 TEL:0266-23-2937

「このSA22Cは人生最後の愛車だ!」オーナーの魂が宿る13B高圧縮ブリッジポート仕様

「ロータリーなら絶対にNA」。そんな信念を貫き、約20年かけて仕上げられたSA22Cが登場。RX-8用ハイコンプローターを組み込んだ13B改ブリッジ仕様は260馬力を発揮し、ウェーバー48φとの組み合わせで官能的なレスポンスを実現。人生最後のチューニングカーとして作り上げられた渾身の一台だ。

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