ただの補修用部品では終わらない!
性能まで高める現代版TD04!
1989年、国産車として初めて280psを公称したVG30DETTを搭載して登場したZ32フェアレディZ。数ヵ月後にデビューしたBNR32 GT-Rと人気を二分し、3Lツインターボが生み出す余裕あるトルクと優れた空力性能を武器に、最高速チューンのベースとしても高い支持を集めた。
デビューから35年以上が経った現在でも、そのワイド&ローなスタイリングは色褪せることなく、多くのファンを魅了し続けている。しかし、長年所有する上で避けて通れない問題となっているのが、純正部品の供給状況だ。特にターボチャージャーは新品入手が難しくなり、多くのオーナーが頭を悩ませている。

そんな状況を受け、トラストが復活させたのがZ32用TD04Hターボキット(57万2000円)だ。
「以前は純正エキマニ対応のアクチュエーター式TD04と、エキマニ交換タイプのウエストゲート式TD05の2種類を設定していました。今回は純正タービンの代替需要に応えることを目的としてTD04のみを復活させました。ただし、単なる補修用ではなく、もちろん性能アップも狙えます」と、トラスト広報の川島さん。


キットに採用されるTD04H-15G(8.5cm²)は、かつて設定されていた15Cから進化したモデルだ。コンプレッサーホイールはフルブレードからハーフブレードへ変更され、現行のTD06SH-20G/25Gにも通じる高効率設計を採用。レスポンスと中間トルクを向上させながら、高回転域まで伸びる性能を獲得している。

実際、取材車両では純正腰下のVG30DETTに、JUNでオーバーホールしたシリンダーヘッドを組み合わせ、ニスモ製1.2mmメタルガスケットを使用。圧縮比は純正のまま、燃料系には強化ポンプとニスモ720ccインジェクターを装備し、LINKによるフルコン制御を採用する。

最大ブースト圧1.2キロ時には、ダイノジェット計測で409.0ps/6300rpm、57.3kgm/4800rpmを記録。エフメンテナンスの藤沢さんによれば、「1.4キロまで上げれば500psも狙える」とのことだ。


また、今回のターボキット復活に合わせ、純正置き換えタイプのインタークーラー(15万1800円)も新規開発された。従来品では193×157×103mmだったコアサイズを、新作では253×267×68mmへ変更。厚みを約30%薄型化しながら、コア面積は約2.3倍まで拡大することで、走行風の抜けと冷却性能を大幅に向上させている。

もちろん純正バンパーにも対応し、中期型特有のマーカーランプ裏側の形状まで考慮した専用設計となる。
「もう一度Z32用ターボキットを作ることになったのは、想像以上に多くのユーザーから要望を頂いたからです。純正タービンが手に入らず困っている方の助けになればと思いました。ノーマル派からチューニング派まで、幅広いオーナーに使っていただきたいですね」と、開発を担当した米庄さん。

ネオクラ世代のスポーツカーにとって、純正部品の枯渇は避けられない問題だ。しかし、こうしたアフターメーカーによる新たな製品開発は、愛車を未来へ残すための大きな希望となる。Z32を愛するオーナーにとって、今回の復活は単なるチューニングパーツの再販以上の意味を持つと言えるだろう。
●問い合わせ:トラスト TEL:0479-77-3000
●取材協力:エフメンテナンス 神奈川県大和市代官2-12-6 TEL:046-201-0551
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