Bentley Supersports and New Continental GT S Launch
一夜限りのカーミーティング

ベントレーモーターズジャパンは6月19日、新宿伊勢丹の駐車場をジャックしたシークレットカー・イベント「Cars & Coffee」、そして翌20日にはコーンズ・モーターズと共に東京タワーを舞台に「Bentley Supersports and New Continental GT S Launch」を開催。今年1月に公開された映像作品『SUPERSPORTS: FULL SEND』でトラヴィス・パストラーナがドライブした特別仕様の新型「ベントレー コンチネンタル スーパースポーツ」そのものと、「コンチネンタルGT」に加わったスポーツモデル「コンチネンタルGT S」のジャパンプレミアを行った。
中でも一夜限りのカーミーティングとして新宿のど真ん中で開催された「Cars & Coffee」は、ベントレーに限らずクラシックからモダンまで様々なジャンルのクルマ、そしてベントレークリエイティブディレクターの生沢舞氏をはじめ、内外のVIP、インフルエンサーらを集めるという、これまでのベントレーにはない斬新なイベントであった。
日本のストリートカルチャーに根差して

しかしながらパストラーナがコンチネンタル・スーパースポーツでクルー本社工場内を縦横無尽にドリフトしながら激走する『SUPERSPORTS: FULL SEND』を見た今では、日本のストリートカルチャーに根差したこのイベントこそ、これまでのベントレーに欠けていたピースが、ピッタリとハマった瞬間のように感じられたのも事実だ。
「それが、今夜ここでイベントを開催した理由です」と話すのは、プロダクト・コミュニケーションズ責任者のマイク・セイヤー氏だ。
「日本での販売は比較的トラディショナルなビジネスモデルに基づいています。私たちはそうした顧客を維持しつつ、これまでとは異なる取り組みを見せることで、新たな顧客層を惹きつけたいと考えています。今晩は実に多くの若者や、クールなクルマたちがベントレーのイベントに集まり、ベントレーに対する見方が少し変わってきているのを感じています」
そうした新しい動きの牽引役になっているのが、コンチネンタルGT史上初のFRモデルで、2トンアンダーの車体に666PSの4.0リッターV8ツインターボを積んだ500台限定の2シーターモデルのコンチネンタル スーパースポーツというわけだ。
今年9月に初BEVを発売するが

一方でハイパワーピュアICEのFRモデルは、長期経営戦略「ビヨンド100+」と相反するものにも見える。ビヨンド100+では、社会情勢の変化に伴い柔軟に見直される可能性が示唆されているものの、2035年までの完全電動化とサステナブルなラグジュアリーの実現を掲げていた。そうした問いに対して彼らが掲げるのが「選択の自由こそが、真の贅沢」だというスタンスである。
「私たちにとって最も重要なのは、お客様に可能な限り幅広い選択肢を提供することです。今年9月に初のBEVを発売することで、多くのお客様がエンジン車、ハイブリッド車、そして純電気自動車のいずれかを選択できるようになりました。しかもスーパースポーツから「アズール」「マリナー」といったラグジュアリーモデルまで、パワートレインだけでなく、“高級感”を重視するのか“パフォーマンス”を重視するのかも選択できるのです」
そこで気になるのは、コンチネンタル スーパースポーツで見せた“純内燃機関スポーツカー”の今後である。
「スーパースポーツは、とてもエクスクルーシブな存在として500台限定にしました。しかし非常に好評で、あっという間に500台は完売してしまいました。それだけ需要があるという表れだと思いますし、フランク=シュテフェン・ヴァリザーCEOもこういうスポーツモデルのポテンシャルがもっともっとあるのではないかと考えています。なので、これは第1弾ではあると共に、決して最後ではないと言うことです」
その言葉からも、かつての「コンチネンタルT」の再来というべき、ハイパワーV8ターボ&FRのスーパースポーツに対する内外からの反響の大きさが窺える。
アジア太平洋地域では日本だけ

ちなみにセイヤー氏によると、パストラーナがドライブしたスーパースポーツは、市販バージョンをベースとしているものの、リヤアクスルを瞬時にロックできる油圧式ハンドブレーキ、よりタイトに調整されたディファレンシャル、トランスミッションなど、ドリフトをするために機械的な中身は大きく変わっているという。
また世界を巡業中のこのマシンがお披露目されるのは、アジア太平洋地域では日本だけ。それはまたベントレーにとって、日本市場がセールスのみならず、歴史や文化においても重要な位置を占めている証拠でもある。
そして一連の日本でのプロモーションを締めくくるように、「Bentley Supersports and New Continental GT S Launch」が行われた6月20日の19時15分頃から24時までの間、東京タワーのメインデッキに“ウイングドB”のロゴマークが浮かび上がると共に、タワー全体がベントレー伝統の“レーシンググリーン”にライトアップされた。その姿は、ヴァリザー体制となったベントレーが、生粋のスポーツカーメーカーとして新たな一歩を踏み出していく姿を象徴しているようでもあった。

