2022年6月に筑波サーキット コース1000で催されたA PITサーキットチャレンジ走行会で、ゲストドライバーの蘇武喜和が最終セクションの走り方を実践レクチャー。

ポイントは①ブレーキングの初期踏力を上げる、②旋回はリアにも荷重が掛かった状態で、③最終コーナー手前のアウトいっぱいからステアリングを戻しながら加速!

強く短いブレーキでたっぷりフロント荷重を蓄え、それを旋回に使えている。じわりと操舵していくと、それ以上にノーズが巻き込んでいき、最終コーナーのアペックスに対する角度が緩やかに。

ノーズがインに向いた状態でアウトいっぱいまで行き、そこからステアリングを戻しながらアクセルを開けていくイメージ。アペックス上ではステアリングをかなり戻しているのがわかるだろう。

最初が肝心 いかに一瞬のボトムを落とせるか

筑波サーキット コース1000の最終セクションは65Rの左高速コーナーから飛び込む10Rと20Rの最終複合コーナー、17Rと94Rの最終コーナーとなっている。複合に次ぐ複合で「上手く走れない」という人は少なくないだろう。

かくいう筆者もそのひとりで、角度が浅くアンダーステアで、モヤモヤが残る。蘇武講師の走りを助手席で体感し、その思いは増幅した。ここでは、付録DVDの副音声収録の際に伺った木下みつひろ選手のアドバイスも交えて改善策をまとめたい。

最大の失敗は最終複合コーナーに飛び込みのブレーキ踏力が弱いことだ。その分、ノーズダイブが浅く、フロント荷重の溜め込み量が少ない。

なので、ブレーキをリリースしながらステアリングを切り込む際にフロント荷重が少なくなっていて、思うように切り込んでいけない、切り込めないからリリースし切るのが遅れる、向きを変えたいところで変えられないという悪循環に陥ってしまうのだ。

強い踏力で大きなフロント荷重を蓄えた蘇武講師は、そこからジワッとブレーキを緩めていき、舵をゆっくり当てていく。最終複合コーナーのゼブラを越えたあたりだ。

そこからクルマはリアに荷重が移っていき、4輪で曲がっているような状態に。リアがスライド一歩手前の状態で、フロントが巻き込んでいく感覚で、最終コーナー手前のアウト側まで膨らんでいく。ブレーキは完全OFF。

そこでさらに切り込むと、グイッと向きが変わり、最終コーナーのアペックスの遥か手前からアクセルを開けていける態勢になる。

「いかに最初に一瞬のボトムを落とせるか。それが“ボトム”を上げることにつながる」という名言は木下みつひろマニアック解説より。それで旋回力が変わるからだ。初期踏力を上げる。旋回させながらアウトいっぱいまで膨らんで早めに直線をつくり出す。そこに尽きる。

蘇武喜和
筑波サーキットのスタッフからドライバーに転身。スーパー耐久などで活躍する傍ら、スクールや個人レッスンのインストラクターを数多く務める。自身の経験に基づき、解決策をわかりやすく、実践しやすくアドバイス。

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